フォー・メン・アンド・ア・ドッグがやってくる!
来日が決まった4メンを応援する皆さんからコメントをもらって掲載していこう、というページです。
第1回は僭越ながら、わたくしTHE MUSIC PLANT が、担当いたします。
ちなみに同じ文章が今度出るベスト盤に載ってます(笑)。

アイルランド音楽史上、最強のライブ・バンド!
今から楽しみでたまらないフォー・メン・アンド・ア・ドッグの初来日公演

皆さん、まずはこのCDを買ってくれてありがとう。ご存じのように本作は、来るアルタン祭りでの公演の前に、皆さんにこのバンドを知っていただくため、特別編集したものです。本国でも廃盤状態になっている彼等のCD。権利の関係で4枚全部から編集できなかったのは残念ですが、このCDを聞いて気に入ってくださったら、ぜひぜひコンサートにも足を運んでくださいね。

さて、ここでは彼等のものすごいライブについて、簡単にレポートしたいと思います。ひとことで言うと、これほどすごいライブバンドは、アイルランド広し(いや広くないけど)といえども、なかなか見つけることはできません。仕事上、私は本当に沢山のアイルランド音楽のライブを観ているわけですが、実際その中に本当に「絶対に日本に持っていきたい」と思えるバンドは、100本観て1本あるかどうかです。中には「すごい」と噂を聞いていても、実際観てみたらがっかり……なんて事も。そんな中4メンは、本当に久々に150%皆さんに自信を持って推薦できるバンド。間違いなくアイルランド音楽史上、最強のライブ・バンドと言っていいと思います。彼等のライブをみた人は、一発で彼等の魅力の虜になってしまう、と確信しています。

もぉ〜、彼等のライブのすごいこと。だいたい1曲めに演奏するのは、このCDにも入っている「A Punch In The Dark」。ジェリーのペンによるツイン・フィドルの曲です。この曲はショーン・スミスが、ルナサのステージで、ベースのトレヴァーとギターのドナだけを伴ってトリオで演奏することでも知られています。きっとショーンも4メンのファンで、この曲をレパートリーにしているんでしょうね。「A Punch In The Dark」は、CDのアレンジとちょっと違っていて、まずはフィドルのカハルのソロでスタート。もう彼のフィドルの音色ってどうして、こう美しいんでしょう。そして……す、すごい。すごい速さです。CDでのスピードより20% UPで、飛ばします。この時点で「このステージはもらったぜ!」という感じ。そこにジェリーのフィドルが入って、二人して、もぉ〜、とにかくたいへんな状態になっていきます。ケヴィンのギターとジーノのボーランがそこに入った瞬間、完全にノックアウトされちゃいます!

とにかく速い。また速いだけじゃなくて、カハルとジェリーのフィドル/バンジョーが演奏するフレーズのイカすこと。ほんと一音たりとも聞き逃せません。「あ、今のフレーズすごかった」「きゃー、今の所、めちゃくちゃ気持ちいい」「それ、もう一回やって」その連続です。特にジェリーのセンスは、どうしてこうなるかな、というアイディアに溢れていて、まったく先の予測がつきません。カハルの方はもっと喧嘩早い感じで、とにかく暴力的なまでに飛ばし捲ります。そしてジェリーがいいフレーズ出すと、カハルがそれに答えたり、そういった意味ではジャズみたいな要素もあるのかも。他のアイリッシュ・バンドのように単にユニゾンだけで行くことは絶対にありません。またルナサみたいにアンサンブルや編曲の妙で作っていくバンドとも違います。4メンは、もっと、こう、力でねじ伏せる感じとでも言ったらいいでしょうか。とにかく圧倒的なパワーです。

そして、ジェリーは主にバンジョー奏者として知られていますが、ステージではフィドルもたくさん演奏します。ジェリーの演奏するオリジナル曲「Song for P.J.」は、涙もののスロー・エアー。東京でも絶対に演奏してもらわなくちゃ。ジェリーのフィドルのスタイルはちょっと変わっていてクラシックっぽさも時々感じられます。カハルの音とは、まったく違いますねー。そしてカハルのスローチューンもすばらしい。特に「The Homeruler Hornpipe/Maud Millers」の官能的なカハルの音色と、それをバックアップするジェリーのバンジョーといったら! あぁ、もう泣いてください。どうして、こんな事ができるのかしら、って感じです。また二人ともお互いの楽器がものすごく上手なので、ツイン・フィドル、ツイン・バンジョーなんてやられた日には……絶句! ケヴィンのギターもアーティ・マクグリンからルナサのドナ・ヘナシーに流れるあのスタイルですごく力強いです。フロントの二人の演奏をガッとバックアップします。

まぁ、これだけのスピードで演奏するとなると、相当な集中力を要求されるらしく、右側の三人は、ニコリともせず、ほとんど下を向いて、演奏に没頭しています。一方のお客さんを盛り上げるのはジーノの役目。嵐のようなボーラン、そして、歌も、ものすごくうまくって、ステージ狭しとその巨体を揺らしながら動き回り、観客をあおります。右側の三人はというと演奏がヒートアップしてくると、足下に置いてあるモニターの位置も全部無視して三人でほとんどくっついて半円状態になって演奏に入っていきます。もうこうなると熱気はピークに達し、終わると四人ともバケツで水を頭からかぶったみたいに、汗びっしょり。

また歌ものとインストの量が、CDとライブでは逆転するんですね。あぁ、そして日本公演では、ケヴィンはいったいどの曲を歌ってくれるんでしょうか。ぜひ「She's On My Mind」や「Mother Of Mercy」をやってほしい。ケヴィンのレイド・バックしたヴォーカルはCDそのまま。期待を裏切りませんよ。ケヴィンの世界って、ほんと、男らしくって、カッコいい。そしてケヴィンの歌のバックで演奏するカハルやジェリーの演奏も最高。このヘンはさすが、一時は年間250本ライブをやってたという彼等らしい絶妙のアンサンブルを聴かせてくれます。

とにかく私はもう彼等の大々々々ファン。こうして来日公演が決まって本当に夢のようです。名盤「LONG ROADS」がはじめて日本で紹介されたのは、まだ都内の大型レコード店にすらケルト音楽のコーナーもなかったという時期でした。そういう意味では、早すぎたバンド、フォー・メン・アンド・ア・ドッグ。一時は解散してしまった彼等ですが、再結成して、こうして日本に来て演奏してくれるなんて……。と、この文章を書いていたら、カハルから電話が入り「新作がもうすぐ発売になると書いておけ」とのこと(笑)。彼等の本格的な活動再開を祈りつつ。皆さん、会場では、多いに盛り上がりましょう。

2002年6月 
THE MUSIC PLANT


FOUR MEN AND A DOG HOME PAGE

THE MUSIC PLANT HOME PAGE