HARV


こちらではバンド作品、そしてメンバーのソロアルバムのご紹介をしていますが、ショッピング・バスケットがついているものに限り、購入もできます。ぜひご利用ください。通信販売についての説明は、トップページを参照ください。 
 
タイトル:ポルカ・ラギオッソ アーティスト: ハーヴ
●スウェーデン若手No1、ハーヴの2年ぶりの新作! ハーヴはスウェーデン在住、全員とっても若くて20代前半。全員ルックスも抜群の可愛い男の子たち。特にリーダー&コンポーザーのマグヌスは大天才! 20年後、いや10年後には大先生になること間違いなし!(マグヌス、老後は頼んだよ〜) 編成は、フィドル+ヴィオラに、ギター、パーカッションという4人で、オールインスト。めちゃくちゃカッコよくスリリングなアレンジ。前作に引き続き、今回もまったく飽きが来ない作品に仕上がりました。

●昨年発売された当レーベルの北欧サンプラー(MPKMS01)の中でも、もっともカッコよいトラックを聞かせてくれていたのが、このハーヴ。実際ウネるようなアレンジが独特で、今回はますますそのセンを押し進めた内容になっています。アコーディオンがジャケットになってますが、実際の音はフィドルが中心。緻密にアレンジされた楽曲群はアイリッシュものよりもはるかにインテリジェンスを感じさせます。その構成力たるや、さすが北欧! スローな曲がまたカッコ良し! 変拍子も多く、しかもリズムが均等じゃないので、どこがメロディの頭か良くわからなくなる時がありますが・・・いや、ほんと、ウマい! こんな難しい曲を作る作曲力、そしてそれをアレンジするアレンジ力、それを簡単に演奏してしまう演奏力、そのすべてを兼ね備えたバンドがハーヴです。ポスト・ヴェーセンは、間違い無く彼等でしょう!

●THE MUSIC PLANTからひと言葉 → いや、今回のハーヴは大成長です! やっぱり若いやつは成長が早いです。実は今回のリリースと同時によっぽど来日を決めようと、ついこの間までゴチャゴチャやっていたんですよ。けっきょく今回来日は諦めましたが、とにかく! そのくらい内容が良いです。ウチの今年の新人イチオシです! ヴェーセンにかなり似ているんで、私の好みのサウンドというのはあるんですが、それにしてもウマイ! かつ若くて、可愛いときているからたまりません。皆さん、ぜひ応援してやってください!! 
 

商品番号 MPKM023
値段(税込) 2,520円
ジャンル ノルディックトラッド 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 茂木健
コメント:アメリカ輸入盤/帯、解説封入
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タイトル:DIREKTOR DEG アーティスト:HARV
ポルカ・レギオッソの先行EP。五曲入り。未発表ライヴ音源も収録で、ファンはマストの1枚。
 
商品番号 NSD6082
値段(税込) 1,260円 
ジャンル ノルディックトラッド 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:アメリカ輸入盤
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タイトル:タースト! アーティスト:ハーヴ
スウェーデン期待のニューバンド。ポスト・ヴェーセンは、まちがいなく彼等! 早くも大嶋豊氏がCDジャーナルで大絶賛。
●ハーヴはスウェーデン出身の4人組。フィドル2人+ギター+パーカッションという編成。まだ20代という若いバンド。
●しっかしメチャうま。とにかくウマい。アップテンポのダンス曲は、軽やかに、変拍子がめちゃ気持ち良し。スローな曲は泣かせます。
 
 
 
商品番号 MPKM013
値段(税込) 2,415円 
ジャンル ノルディックトラッド 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 大島豊
コメント:アメリカ輸入盤
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タイトル:MUST アーティスト:HARV
すでにキラメキを感じさせるセカンド。
 
 
商品番号 NSD6047
値段(税込) 2,310円 
ジャンル ノルディックトラッド 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:アメリカ輸入盤
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<「タァースト!」ライナーノーツ>

 スウェーデンにフィドルすなわちヴァイオリンが入ったのが17世紀前半。文化君主として名高い女王クリスティーナの宮廷にフランス人楽士が持込んだのが始 めといいます。18世紀初頭までには農村部を「征服」、フィドルは他の楽器を圧して最も広く使われる楽器になり、以後その王座は今日に至るまで揺るぎません。ニッケルハルパが爆発的に復興しても、アコーディオンやバグパイプの人気があっても、スウェーデンのインストルメンタルはフィドルに始まり、フィドル に終わることに変わりません。そしてここにまたスウェーデンのフィドル音楽を21世紀へ押し立てる若い星が現れました。
 スカンディナヴィアでなぜあれほどフィドル音楽が好まれるのか。「悪魔の楽 器」とも言われるフィドルがそこまで好きであるならば、彼の地の人びとはどこ か得体のしれないところで狂っているのかもしれません。
 この北の人びとにはもう一つの偏執狂的な嗜好があるようです。共鳴音です。 フィドルに共鳴弦を付けてハルディングフェレ(ハーダンガー・フィドル)を作れば、ニッケルハルパにも共鳴弦は不可欠。録音ではなかなかわかりませんが、 こうした楽器を生で聞くと、なるほどその響きの透明度の高さは陶酔を誘いま す。そしてここでのふたりの「フィドラー」が弾いているのも実は共鳴弦を持った楽器です。
 ふたりが主に弾いているのはヴィオラ・ダモーレ。ご存知の通り、17世紀以降 流行した本来七弦の楽器ですが、ここでは Magnus の "harvfiol" が五 弦、Daniel の "hurvfiol" が四弦です。ハルディングフェレもフィドルに共鳴 弦を付けたのではなく、ヴィオラ・ダモーレの発展形と見るべきでしょう。
 ついでながらDaniel が弾いているモラハルパはニッケルハルパの原型で現行のニッケルハルパよりもやや小型で、より低音域。
 ふたりが単純なフィドル2本ではなく、こうした形を選んだのは、表面的には他の人びとのやらないことをしようという志向の結果かもしれません。それを一 枚めくると、ともすれば共鳴弦の支配する空間へ落ちこもうとする性癖が現れるようでもあります。
 なぜならばこのハーヴには前作から加わっているギタリスト、ローゲル・タッ レロートが弾いているのも十二弦ギターだからです。ローゲルはこれをアイリッシュにおけるブズーキ的な使い方をしていますが、しかしギターはどうあっても ギターで、ブズーキのように音が切れることがありません。
 実に共鳴弦楽器3本とパーカッションというハーヴの基本形は、ローゲルの 「本業」であり、兄貴分にあたるバンド、ヴェーセンに比べても、さらに徹底し、「ラディカル」です。

 馬鍬を意味するハーヴを名乗るこのバンドの出発は1992年、14歳の高校生だっ たMagnus Stinnerbom と Daniel Sanden-Warg が出会うところです。その頃マグヌスはドラマー、ダニエルはギターを弾き、ジミヘンの曲をコピーしてロック・ スターを目指しました。ふたりが生まれたのはスウェーデン西部バルムラントの 中心都市カールスタード。スカンディナヴィア半島最大の湖ベーネルン湖北岸の、木工業の盛んな街です。
 どこにでもいるロック少年たちにはしかし「血の呪い」がかかっていました。 マグヌスの父レイフは伝承音楽のフィドラーであり、1980年、マッツ・イーデン とともにバルムランドの伝承音楽を集めたアルバムをリリースして、スウェーデ ン伝承音楽を切開くことになる偉大なバンド、グルッパを結成します。マグヌスは伝承音楽に浸って育っていたのでした。出会った翌年、マグヌスが自然に習い 覚えた古い曲をダニエルに聞かせたとたん、仕掛けられた「呪い」が爆発。ここ にジミヘンの曲は蒸発し、そのスタイル、英語で言う "attitude" だけがふたりの演奏に残ることになります。ダニエルはその後、自ら伝承音楽にのめり込んで ゆき、わき目もふらず、調査研究習得に邁進しました。
 ふたりはやはり才能に恵まれていたのでしょう、その3年後、18歳の時、デュ オとしてデビューします。初舞台は文字通り、『ハムレット』のある上演に音楽 を提供したことです。この時マグヌスが作った曲の一部は2人の第2作  MUST(『金持ち』)で聞くことができます。以後も演劇での仕事はふたりにとっ て重要な位置を占め、このアルバムでも11曲中7曲は演劇のために作曲された曲を改作したものです。
 こうした2人の活動は注目を集めることになり、翌1997年、スウェーデン伝承 音楽の有力なレーベルのひとつ Amigoからデビュー・アルバム HARV をリリースしました。
 ここにはフィドル、ヴィオラ・ダモーレ、ハーダンガー・フィドルを操る2人 だけで、故郷バルムランドの伝承曲を延々と演奏する姿があります。マグヌスによれば、自分たちがよって立つところ、受継いだものを確かめ、提示するアルバ ムでした。
 けれどこうしたストイックな姿だけが2人の活動だったわけでないことはもちろんです。2人がデビューした1996年には、セカンドで共演するヘドニンガルナのパーカッショニスト、ビョルン・トリンと一緒に演奏することをすでに始めています。マグヌスはそのヘドニンガルナのリード・シンガー、Sanni  Kurti-Suonio との共演を始め、やがてバンドそのものにも参加しました。ただ、録音には参加していないようです。
 一方のダニエルは伝承音楽にどっぷりとのめり込み、あげくの果て、ノルウェ イに赴き、ハーダンガー・フィドルを習うまでになります。これはスウェーデン 人としては革命的なことでした。
 2人が2000年に再び一緒になってあらためてハーヴを名乗り、第2作 MUST  (Amigo) をリリースした時には、こうした活動の成果としてのハーヴ式伝承音楽 の方向性は、二人の目にはっきり捕えられていたはずです。ここでローゲルとビョルンを迎えたふたりのフィドル(族)演奏を、人びとは「スウェーデン・ フィドルのジミヘン」と呼びました。また、前述のように、2人が世に出るきっ かけとなった演劇のための音楽をはじめ、マグヌスのオリジナル曲も姿を現わしています。翌年にはこのアルバムの北米盤リリースをきっかけに初めて北米をツアーします。
 そして帰国後、すぐに録音に入り、2002年にリリースされたのが、この第3作  TOST! です。
 ここではビョルンがヘドニンガルナで忙しいせいでしょうか、ドラムス&パーカッションとしてクリスチャン・スヴェンソンが参加しています。この人とも2 人はかなり前から共演していたようで、クリスチャンともう一人のギタリストに 捧げられた曲が MUST に収められています。
 作曲のきっかけとなった演劇中 "The Story of Gosta Berling" はセルマ・ラ ーゲルレーヴの出世作『イェスタ・ベルリング物語』。"The Emperor of  Portugal" は同じくラーゲルレーヴの『ポルトガリヤの皇帝さん』(この題で岩 波文庫から邦訳あり)です。ラーゲルレーヴは『ニルスの不思議な旅』で有名な スウェーデンを代表する作家であり、同国初の、そして女性最初のノーベル賞受 賞者。 "Peer Gynt" はもちろん『ペール・ギュント』で、ノルウェイの詩人・ 劇作家イプセンの代表作の一つ。グリーグの劇音楽でも有名でしょう。"Sami  Trace" は調べがつかなかったのですが、タイトルからしてサーミ(かつての ラップ)人をテーマにしたものと思われます。
 ゲスト・ミュージシャンのうち、ラース・エングルンドはヘドニンガルナのプ ロデューサー。omnichord は70年代に発表された電子楽器。セバスチャン・デュ ーブは調べがつきませんでした。乞う、ご教示。中世・古楽のリード楽器ショー ムとハーモニカという遊び心があいかわらず楽しいアーレ・メッレルは、スカン ディナヴィア・ルーツ音楽の「ドーナル・ラニィ」。スカンディナヴィアのスー パー・グループ、フリーフォートの一員として今年年末の来日が予定されています。
 それにしても、マグヌスとダニエルの共鳴音フィドル音楽、伝承音楽へののめり込みはほほ笑ましくなるほどで、表向きのパンクな組立てを裏切るところもあります。むしろそうした組立てに対するリスナーの思込みなどお構いなく、わき 目もふらず自分たちの嗜好を追及するのがかれらの身上。エッジが足りないなど というのは野暮も極まるというもの。真摯で一途なそのたわむれに素直に身を任 せれば、フィドルの桃源郷への道が開けます。ローゲルもクリスチャンもその辺 はわきまえて、無理なグルーヴを押しつけることはせず、下から柔らかく支え、 さらに細かい、隠し味ともいえるもの(例えば[05]の後ろの方でカンカンと鳴っている打楽器)を随所に仕掛けています。その様はふたりの音楽に、バンド自体 が共鳴しているようにも聞こえます。
 音だけでは不足とあれば、エンハンスドとして5曲も入っているライヴ映像をご覧ください。
 そう、やはりこの国の人びとは深いところで狂っているのです。頼まれもしな いのにノーベル賞などというものを作り、あるいは世界各地で拷問の被害にあっ た人の治療専門の病院を作る行動を支えるものと通じるところでしょう。とすれ ば、この共鳴音フィドルの音楽はいずれ世界を征服し、その到来は国を挙げて熱狂して迎えられるようになるのかもしれません。

2003年水無月
おおしま ゆたか