こちらではバンド作品、そしてメンバーのソロアルバムのご紹介をしていますが、ショッピング・バスケットがついているものに限り、購入もできます。ぜひご利用ください。


タイトル:ヴェーセン・ストリート アーティスト: ヴェーセン 
●5回めとなる来日公演も大盛況だったヴェーセンの、バ ンド結成20周年記念となる新作。日本先行発売。
●ヴェーセンはスウェーデンのウップランド地方の伝統音楽を伝え るバンドとして1989年に結成。伝統楽器ニッケルハルパを中 心にヴィオラと12弦ギターというユニークな編成で常にスウェーデン の伝統音楽シーンを牽引していた。97年には「ヴェルデンス・ヴェー セン」(MPKM030)でスウェーデンのグラミー賞を受賞。日本には 2004年初来日。以来5年の間に5回来日をするという通常の伝統音 楽系のバンドにはありえないほどの熱狂的な人気を誇る。
●本作は彼らの20年の軌跡をたたえ、彼らの活動に貢献した人たちに 捧げられた曲が多数収録されている。ゲストに、パーカッショニス トのアンドレ・フェラーリ、フィドルのミア・マリン&エンマ・ リード、加えてアメリカのブルーグラス界のマエストロ、マイク・ マーシャル(マンドリン)とダロル・アンガー(フィドル)を迎え 豪華な内容となっている。
●ちなみにヴェーセン・ストリートとは、米インディアナ州ブルー ミントンにいる熱狂的なヴェーセン・ファンがチームとなって ヴェーセンを再びブルーミントンに招聘する活動を行っているのだ が、その活動の一環としてヴェーセンの名前をつけたストリートを 作ろうということになった事に由来している。果たしてストリート 名が正式に認められたかは不明だが、一応その場所に行くと手作り のサインが掲げられているのだそうだ。

THE MUSIC PLANTより → 先日の来日でやっぱりウチのアーティス トで一番すごいのは彼らだと確信しました。おそらくこれ以上の音 楽はウチのレーベルには存在しません!!! 最高。この音楽の素 晴らしさが分からない人は本当に可哀想だと思います。言いたいこ とはそれだけです。ヴェーセン、万歳! オーダー、よろしくお願 いいたします(笑)

商品番号 MPKM034
値段(税込) 2,520円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰! 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 野崎洋子
コメント:アメリカ盤、帯/解説付
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タイトル:リネウス・ヴェーセン アーティスト: ヴェーセン 
11月に再来日が決定しているヴェーセンの新譜が届けられた。今回はなんとパーカッションのアンドレ・フェラーリが加わり久々のカルテットでのヴェーセンによる録音だ。日本先行発売。

2007年はスウェーデンが生んだ偉大な科学者カール・フォン・リンネ(カール・リネウス)の生誕300周年にあたり、そのリンネをコンセプトに制作されたアルバム。

リンネはスウェーデンではお札になっているほどの有名人で、体系学/分類学の父と呼ばれ、また世界でいちばん最初のエコロジストとしても知られている。日本でも科学博物館で3ケ月に渡る展示が行われており研究者も多い。実はリンネは伝統音楽のダンスが非常に得意で今回は文献を掘り起こし、リンネが踊ったと言われている伝統曲をヴェーセンが演奏するという形をとっている。そんなわけでヴェーセンにしては珍しく1曲のぞいてすべてトラッドだが、なぜかサウンドは、今までのどのアルバムよりハードでロック的なものとなっている。

ここにはとても書き切れないので特設ページを作りました。

商品番号 MPKM029
値段(税込) 2,520円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰! 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説対訳:茂木健
コメント:アメリカ盤、帯/解説付
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タイトル:ライヴ・イン・ジャパン アーティスト: ヴェーセン
ヴェーセンの新作が届けられました! なんと、なんと、なんと、今年1月の東京でのライヴを収録した「ライヴ・イン・ジャパン」の登場です。

東京の3日間のライヴをすべて収録し、ベストな録音を集めました。
ほとんど一晩分を忠実に再現。64分収録、17曲のロング時間収録。そして2曲の映像を収録したDVD付です。

はっきりいって、これは自分が理想とする音楽の最高峰だと思っています。
いや、ほんとに、この世で一番すごいアルバムを作ってしまいました!!! かなりやばいです。

異常なまでに高い演奏技術と、鉄壁のアンサンブル、そしてロックのスピリットを持った私の理想のバンド、それがヴェーセンです。
私がもし楽器がすごく上手で音楽の才能があったら、まさにこれと同じバンドを作ります。彼等はそのくらいかっこいい!

でも、ヴェーセンのスタジオ盤は、どうもどれもライヴでの彼等の良さを伝えていないような気がして、不満だったんですよ。今まで出ているライヴアルバムは2枚あるんですけど、1枚はラジオの公録で演奏もまだまだだし、もう1枚はカルテッドの演奏で、かつアメリカツアーの赤字補填のためにやっつけレコーディングのような感じで、パーカッションはよく録れているけど、弦類の立ちが今いちだったし。全然、彼らの魅力を充分に収録していなかったのでした。

が、今回は違います。ライヴでの彼等のすごさを収録することに成功しました。
どのトラックも息をのむ演奏。特にギターのカッコよさは、今までの録音の中では最高です。特に今回は高音部をクリアに捕らえることに成功しました。

「へえー、野崎って、こういう音楽が好きなんだ」と思ってもらってかまいませーん。
これがわからない人は、もうわからなくて結構! とにかくすごいアルバムなんです! 
書きたいことがあまりにあって、ここには書ききれないので、こっちにスペシャルページを作りました。

商品番号 MPKM024
値段(税込) 2,730円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰!
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 茂木 健
コメント:日本盤 ボーナスDVD付
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●アメリカ盤(CD+ボーナスDVD)CDの内容は一緒ですが、DVDの内容が全然違います。ドキュメンタリー映像。マニア必見!
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タイトル:キード・アップ アーティスト: ヴェーセン 
書きたいことがあまりにあって、ここには書ききれないので、こっちにスペシャルページを作りました。

1.  Bjorkbergspolskan 
2.  Glada polskan (The Happy Polska) 
3.  Polska pa overvaningen (Polska Upstairs) 
4.  Hasse A's 
5.  En gratis (One for Free) 
6.  Antons forsta (Anton's First) 
7.  Lille Vilgot (Little Vilgot) 
8.  Bromanders 100-ars polska (Bromander's 100-Year Polska) 
9.  Stinas polska 
10. Flippen (The Flip) 
11. Appallachen/Polskejiggen (Appalachian/The Polska Jig) 
12. Fallandepolskan (The Falling Polska) 
13. Nipponpolka 
14. Calles vals 
15. Tometen kommer (Santa's Coming) 

商品番号 MPKM020
値段(税込) 2,415円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰! 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー ロバート・サイモンズ
茂木 健
コメント:日本盤
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タイトル:トリオ アーティスト: ヴェーセン
ヴェーセン、やってくれました。いいだろうな、と期待してましたが、これほどのものが出てくるとは。とにかくヴィオラがすごいです。ヴィオラ。これからは中音域に注目ください。もう上物(ニッケルハルパ)や、下半身(ギター)がかっこいいのは、当たり前。そして三人でやっているのに、この音の厚みはいったいっっ!! このバンドにはまると、他のバンドの単調なアレンジやユニゾンの応酬に、うんざりしてしまいます。ものすごくシンフォニックでまるでオーケストラを聴いているよう。そしてものすごくプログレッシヴ。しつこい様ですがヴィオラを聴いてくださーい!

1. Vilse i Betlandet (Lost in the sugar beet field)  Trad.
いやー1曲目から飛ばしてくれます、ヴェーセン。とにかく音を最大ヴォリュームにして聴いてほしい。最初ゆっくりゆっくりゆっくりと・・そして1:54、あぁこの展開がシビレまくりっ!! かっこいーーーー。どうして三人だけでこんなヴォリュームが出せるんだろ。
2.   Drakskeppet (The Dragonship)  Marin ミカエルお得意のヘンな(笑)曲。
3.  Kull i Kyrkan (Play Tag in Church)  Marin   /    Pedalpolska   Johansson
これ超・ヴェーセンっぽい。少なくとも私がもっているヴェーセンのイメージは、この曲が一番近い。最初はミカエルのストレートな明るい曲。そこからウーロフの曲にかわる1:57あたりに、きた、きた、きた、きたっっっっっーーーーっていう感じ。超カッコよい!!! ヴィオラの音を耳で追っていくと、これまた気持ちよし。
4.  Dr. Oldgren   Tallroth
ローゲルお得意のシンフォニックな一曲。変拍子多用、しかしそれをまったく感じさせない、美しいバロック調の曲。あぁ、オーケストラを聴いているよーだ。
5.  Mitt i Livet (In the Middle of Life)  Marin
ミカエル作の「40才のワルツ」だそうで、いい感じにゆらめく(笑)。
6.  Stamlaten (Tuning Tune)   Tallroth
ローゲル作のチューニングのための曲(?)これも美しいメロディの展開を助けているのはヴィオラ。
7.  Norska Brader (Norwegian Boards)  Tallroth
ローゲルによるとこの曲のAパートはビートルズの「ノルウェーの森」と一緒に演奏できるだそう。三人のユニゾンではじまる迫力の一曲。ここでも要はヴィオラか。すごすぎ。
8.  Slunken  Marin この曲、ライヴで聴くといいんだ、これが。
9.  Ulfsunda Brudmarsch (The Ulfsunda Wedding March)  Mari 
クラシックっぽい。ウエディングマーチ。
10.  Hejsmanpolketter (Hejsman Polkas)  Trad.
典型的ヴェーセン。早いっ! そしてギターのコード感が最高。
11.  Johan & Malin Wesslens Brollopspolska (John & Malin Wessien's Wedding Polska)  Johansson
ウーロフらしいかわいらしいウエディング・ポルスカ。
12.  Viruspolska (The Virus Polska)  Marin
この曲は3/4拍子なんだそうです。ポリリズム?? 
13. Tradfallarns Vals & Polska (The tree-felling Waltz & Polska)   Johansson
こういう男らしい曲、ヴェーセンは好きだよなぁ。かっこいい。
14.  Claras Vals (Clara's Waltz)  Johansson
ウーロフが娘のクララを寝かし付けるためにかいた、かわいいララバイ。しかしこのヴィオラって・・すごすぎ。
15.  Spelmasfallan (Fiddler's Trap)  Tallroth
ローゲルさすが。うますぎ。ウーロフとのユニゾンで始まるシビレまくりの1曲。
16.  Josefins Dopvals (Josefin's Waltz)  Tallroth
もう何といいましょうか。これほど美しい曲をかけるローゲルっていったい!? ダーヴィッシュもカバーしているお馴染みの名曲。ヴェーセンのヴァージョンの方がコード感が面白い。

All songs arranged by Marin,  Tallroth,  Johansson そして本CDには、Vilse i BetlandetとJosefins Dopvalsの2曲のライヴ映像が収められています。

商品番号 MPKM017
値段(税込) 2,415円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰! 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 茂木 健
コメント:日本盤 CDエクストラ映像付
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タイトル:ライヴ アーティスト: ヴェーセン
LIVE AT THE NORDIC ROOTS FESTIVAL
本作はアメリカのフェスティバルでのライヴを収録したもので、バンドの代表曲が集められベスト盤的な内容となっている。ゲストにノルウェーの人気女性アーティスト、アンビョルグ・リーエンも参加している(ニッケルハルパ、ハダンゲルフィドル)。

01. JTT; Mikael Marin かーーーっ、超カッコよい。もうこれ1曲でノックアウト!
02. M Nykanen; Roger Tallroth ほんと、どうしたら、こんな曲が書けるのかなー。
03. Byggnan=The building; Byss-Calle  建物
04a. Polska efter Mats Berglund; trad.
04b. Sald och solde=Sold or sale; Olov Johansson with Harv
05. Goskarlen=The pikeman; Olov Johansson
06. Shapons Vindaloo; Andre Ferrari
07. Dragos=The phantom; Roger Tallroth  幽霊 with Annbjorg Lien
08. Ploska; Mikael Marin プロスカ
09. Nitti Pomfritti=Ninety french fries; Mikael Marin 90個のフレンチ・ポテト
10. Grannes Favorit=The neighbor's favorite;  近所の人のお気に入り

Recorded live - April 22 & 23, 2000 at Nordic Roots Festival, Cedar Cultural Center Minneapolis, Minnesota, USA

商品番号 MPKM002
値段(税込) 2,520円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰!
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 大嶋 豊
コメント:アメリカ輸入盤 帯解説封入
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タイトル:Vilda Vasen アーティスト: Vasen
初期トリオ時代の大傑作!「ビグナン」、「ビスカレスラングポルスカ」等、初期のトリオ代表曲はすべてここから生まれた。なんかすっごく元気が感じられる名盤。
商品番号 DROCD004
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰! 
在庫ステイタス 在庫なし
ライナー 解説なし
コメント:スウェーデン輸入盤
在庫無し

タイトル:Levande Vasen アーティスト: Vasen
スウェーンデン語のMCも楽しい(?)初期のライヴ盤
録音のクオリティなどに不満が残るとはいえ、なかなかホノボノした内容で良い感じ。初期の楽曲アレンジの初々しさも聞きどころ。LIVE IN JAPANと同じトラックを聞きくらべるとアレンジの進化がみれておもしろい。
商品番号 DROCD009
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰! 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:スウェーデン輸入盤
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タイトル:Spirits アーティスト:  Vasen
初期ベスト盤 97年

現在では入手困難になってしまった「エッセンス」からの音源も豊富に収録されているアメリカ制作のベスト盤。ここでしかきけないヴェーセン・クィンテッドの音源もあり。「ジョセフィンズ・ワルツ」の一番最初のヴァージョンも収録されている。

商品番号 NSD6004
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰! 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:アメリカ輸入盤 
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タイトル:ヴェルデンス・ヴェーセン アーティスト: ヴェーセン
涙がでるほど、かっこよい!! カルテット・ヴェーセン最高傑作。
97年、スウェーデンのグラミーを獲得した作品。いやーーーかっこいいです。すべての曲がかっこよく手に汗にぎるアレンジです。

特設ページを作りました。こちらへどうぞ!

商品番号 MPKM030
値段(税込) 2,520円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰!
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 茂木健
コメント:日本プレス盤。ボーナストラック4曲入り
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タイトル:GRONT アーティスト: Vasen
これまた、超カッコ良し! カルテット盤。メンバーはあんまり気に入ってないみたいだったけど、私は大好き。日本盤在庫終了のため、アメリカより仕入れました。
商品番号 NSD6041
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド最高峰! 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:アメリカ輸入盤
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ソロアルバム、関連作品など
タイトル:STORSVARTEN アーティスト: OLOV JOHANSSON
ウーロフのセカンド・アルバム。もちろんミカエルもローゲルも参加。無印良品のレコーディングに参加してくれたブロマンデル氏(ピアノ)とのデュオとか、圧巻。
商品番号 DROCD011
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:スウェーデン輸入盤
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タイトル:BYSS-CALLE アーティスト: NYCKELHARPORKESTERN
ウーロフ参加のニッケルハルプオルケステルン、セカンド。ニッケルハルパの洪水、洪水、洪水〜
商品番号 DROCD022
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド
在庫ステイタス 在庫僅少
ライナー 解説なし
コメント:スウェーデン輸入盤
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タイトル:N.H.O アーティスト:ニッケルハルプオルケステルン 
ウーロフ参加のニッケルハルプオルケステルン最新作。ニッケルハルパの洪水、洪水、洪水〜
商品番号 DHN1054
値段(税込) 2,625円
ジャンル スウェディッシュトラッド
在庫ステイタス 在庫僅少
ライナー ウッレ・ボールソン、エヴァ・ベリイフォッシュ
コメント:ノルディック・ノーツ盤
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タイトル:ORSPRANG アーティスト:OLOV JOHANSSON & CURT TALLROTH
1998 ウーロフとウーロフの師匠のデュオアルバム。素朴ながらも硬派なウプサラの伝統を伝えます。
商品番号 DROCD012
値段(税込) 2,415円
ジャンル スウェディッシュトラッド 
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:スウェーデン輸入盤
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タイトル:HOOK アーティスト: HOOK
ミカエル参加の古楽バンド。これは珍しい!! 古楽ファン、要注目!!!!! 
商品番号 DROCD007
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド古楽
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:スウェーデン輸入盤
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タイトル:ポーランド風ダンス曲 アーティスト: ホゥークアンサンブレン
ミカエル参加の古楽バンドのセカンド。北欧発、17世紀のメロディ集!

このCDでHOOKとスウェディッシュ・リコーダー・クインテットは、16世紀のポピュラーのメロディーによって貴方を北欧全域とバルト海地方の国々の旅へと誘う。曲目は特定の地域のものではなく色々なところからのもの。グループのアプローチは前作のCD (『HOOK! 』'95)と同じく自由で愛情のこもったもので、従来の慣例に捕らわれない解釈・演奏である。これはバロックか?フォークか?  いや、単に音楽なのだ!(マグナス・グスタフソンによるライナー・ノートより)

●17世紀スウェーデンの重要なダンス曲集の編者の名前をグループ名にしたHOOK (HOOKENSEMBLEN)はスウェーデンフォーク界の実力派ミュージシャンと、フォーク・ミュージックにも造形の深いクラシック畑のミュージシャンが一同に集まったユニークなグループで、トラッドとクラシック(バロック音楽)が未分化だった時代のスカンジナビアの貴重なダンス・ミュージックを躍動感たっぷりの演奏で聴かせてくれる。

●ヴェーセンのミカエル・マリーン(ヴィオラ)や、名トラッド歌手のスサンネ・ルーセンベリが参加しているのも要注目だ。

商品番号 RUCD128 
値段(税込) 2,625円
ジャンル スウェディッシュトラッド古楽
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:スウェーデン輸入盤 帯付
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タイトル:I LUST OCH GLOD アーティスト:OLOV JOHANSSON
ほとんどがウーロフの自宅で録音されたアットホームなアルバム。ハープ(カトリオナ・マッケイ)とか、ヴィオラ(ミカエル・マリーン)他+ニッケルハルパ。
 
商品番号 DROCD044
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:スウェーデン輸入盤
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タイトル:MIKE & DAROL + VASEN アーティスト:MIKE & DAROL + VASEN
アメリカのダロル・アンガーとマイク・マーシャル(フィドル+マンドリン)のデュオ+ヴェーセンというユニークな新作。
商品番号 AMA1039 2
値段(税込) 2,310円
ジャンル スウェディッシュトラッド、ブルー・グラス
在庫ステイタス 在庫あり
ライナー 解説なし
コメント:アメリカ輸入盤
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「キード・アップ」ライナーノーツ

 このアルバムに収められた15の新曲は、トリオとしてのヴェーセンが演奏してきたなかでも特に複雑、かつ繊細な作品ばかりだ。さぞや長い準備期間とリハーサルがあったものと、誰だって思いたくなる。とはいえ、ヴェーセンはその卓抜したユーモアのセンスでも有名であるし、以下の文章は内輪の笑い話として読んでいただきたい。

 2003年秋のアメリカ・ツアーから帰ってきたとたん、ヴェーセンの三人は、2004年の半ばに新作の録音をはじめたいと言い出した。これにはちょっと驚いた。なにしろ、アルバム『トリオ』を録音したのはその年の5月、しかも『トリオ』は、かれらが四年ぶりに制作したスタジオ盤である。ニュー・アルバム用の曲はそろっているのかと訊ねると、ミカエルがにっこり笑ってこう答えた。「わけないさ!」

 わたしの疑念が深まったのは、かれらが2004年4月にスウェーデンをツアーしたときである。ライヴで演奏された曲のなかに、新作と呼べるものが〈Hasse A's〉1曲しかなかったからだ。ツアーが終わりに近づいたころ、かれらはオフステージでほかの曲もいくつか練習しはじめたのだが、いざスタジオ入りする日が近づいたとき、リハーサル用に確保できる日程はわずか二日しか残されていなかった。

 どうするつもりだと迫るわたしに、ウーロフが説明してくれた。「リハーサルのやり過ぎは、かえってよくないことに気づいたんだ。やればやるほどローゲルは自分のパートをいじり倒すし、そうなると、ミカエルの入りこむ余地が少なくなってしまう。それを避けるため早いうちから編曲を固めてしまうと、今度は全体がガチガチになるしね」

 まる二日のリハーサルは、作者が新曲を披露しほかのメンバーがその曲を学んでゆくことで主に費やされていった。三人全員がメロディを覚えたら、適切なコードとハーモニーを見つけるため通しでざっと演奏し、それを何回かくり返す。当然のことながら、この段階ではミスも出てくるのだが、時としてそんなミスが素晴らしく聴こえることもあった。すると、その曲には新しいパートが追加されてしまうのだ! なのに、ひとつのアレンジがまとまりかけると、かれらはさっさと次の曲に移ってゆくのである。

 スタジオでのヴェーセンは、それぞれの曲をまず1〜2回だけ演奏した。本作で聴けるアレンジができあがったのは、ようやくこの段階だ。それからかれらは、すべての曲をライヴ一発、しかも、せいぜい2テイクで録音してしまった。

 本作の各曲がステージで演奏されるとき、アレンジが異なってくるのは避けられないだろう。もちろん、ライヴのお客さんの大半が、さぞや長い準備期間とリハーサルを重ねそんなアレンジにたどりついたと考えるに違いない。内心にやにやしているのは、ヴェーセンの三人だけである。

ロバート・サイモンズ(訳:茂木 健)
 



1.  Bjorkbergspolskan 
  ある素敵な場所にちなむポルスカ。[訳注:スウェーデンにはBjorkbergという町がいくつかある]

2.  Glada polskan (The Happy Polska) 
 すべての歓びのなかには、少しだけ悲しみが混じっているものなのだろう。

3.  Polska pa overvaningen (Polska Upstairs) 
 ウーロフの頭上に、いきなり姿を現わした曲。

4.  Hasse A's 
 ミッケのご近所の人が、60歳になったときできたポルスカ。ウェールズで作られた。

5.  En gratis (One for Free) 
 夢うつつの状態でいるとき、ひとりのトリプレット・ポルスカが踊りながら近づいてきた。
「君の頭のなかに入ってもいいかな?」とポルスカ君が訊いた。
「いいとも。隙間が見つけられるならね」とぼくは答えた。

6.  Antons forsta (Anton's First) 
 ローゲルの息子が、自分でこの曲に名前をつけた……

7.  Lille Vilgot (Little Vilgot) 
 生後わずか数カ月で、ウーロフの息子ヴィルゴットはこのポルスカをものにした。

8.  Bromanders 100-ars polska (Bromander's 100-Year Polska) 
 いつも幸せそうなブロマンデル夫妻が、ふたりそろって50歳になったのをお祝いして書いた。夫妻の計100歳記念パーティーで披露されたポルスカ。

9.  Stinas polska 
 ミッケの奥さん、スティナのために。

10. Flippen (The Flip) 
 1993年に書かれた高速ポルスカ。

11. Appallachen/Polskejiggen (Appalachian/The Polska Jig) 
 某所にある素敵なパブのテーブルで演奏するために作られた2曲。

12. Fallandepolskan (The Falling Polska) 

13. Nipponpolka 
 文化の衝突が、おそらくこのような曲を生むのであろう。

14. Calles vals 
 自分がどれだけのものをもっているか、幼すぎてまだまったく知らないカレのために書かれた。

15. Tometen kommer (Santa's Coming) 
 サンタを待ちわびるすべての人への贈り物。とりわけ、三月のはじめからサンタを待っているミッケのいちばん下の男の子のために。
 

曲目解説:ヴェーセン(訳:茂木 健)




 身の丈2メートルの大男三名が、自分たちの奏でるリズムに合わせゆったりと全身を揺らしている。会場を美しい音楽が満たしているものの、その美しさが尋常ではないため、聴く側は、あたかも異界からの音を浴びているような幻想に囚われてしまう。そして、眼の前で揺れている大男たちの姿と、耳に飛びこんでくる音楽の一体性が断裂してゆく。
 このような視覚と聴覚の心地よい混乱を、本当に久しぶりに経験させてもらった。2004年4月11日、南青山マンダラにおけるヴェーセンのコンサートでのことだ。あれからわずか三カ月、熱病にも似たあの感覚が未だ覚めやらないうちに、かれらの新作が届いた。タイトルは『Keyed Up』。英語の口語表現で「緊張した、張りつめた」を意味し、俗語としては「酔っぱらった」という語義もあるという。なんだ、あのコンサートでのオレのことじゃないかと苦笑しながらカバー写真を眺めると、長身のメンバー三人が巨大なベンチに腰掛け、足をぶらぶらさせている。うぷぷと思いつつケース裏の写真を見れば、そこには「通常サイズ」のベンチにむりやり座った同じ三人の笑顔が……。レタリングはポップだし、今回のヴェーセンはお笑い路線で突っ走るつもりかと一瞬考えたのだが、実際の音を聴いて襟を正した。
 濃密にして繊細な音づくりは従来のままなのに、ある種のワイルドネスと伸びやかさが加わって、全体を不思議に優しい空気が包んでいる。ヴェーセンのオリジナル・アルバムは本作で9枚目となり、うち97年から01年にかけて制作された3枚は、本作と同じトリオにパーカッションを交えた録音だ。もちろん、この3枚にもワイルドネスは横溢していたけれど、それはパーカッションに負うところが多い「疾走感」とほぼ同義のワイルドネスであり、トリオに戻った03年の前作(その名も『トリオ』)では、デビューからの4枚に共通する穏やかな表情が帰ってきた。ところが、本作でのかれらはたった三人だけ、しかも一発録音で、カルテット・ヴェーセン時代のワイルドネスを見事に回復している――いや、凌駕しているかもしれない――ではないか。
 本作が録音された経緯については、アメリカでかれらの作品をディストリビュートしているロバート・サイモンズの解説拙訳を読んでいただきたい。わずか二日間のリハーサルで、しかもあえて編曲を固めずレコーディングに臨んだというヴェーセンの狙いは、大当たりだったといえよう。いつもと変わらず、各曲の背景についてメンバーが簡単な紹介文を書いており、こちらも訳出しておいた。以下、メンバーの説明を参考にしながら、本作で注目すべき点を整理してゆく。

 ウーロフ・ヨハンソンのニッケルハルパが演奏するメロディにミカエル・マリーンのヴィオラが絡み、ローゲル・タルロートのギターが支えるという基本構成はデビュー時からまったく変化していない。ニッケルハルパという楽器について、およびこの楽器編成がもつメリットについては、『トリオ』日本盤の解説に書いておいた。本作と『トリオ』の違いでまずいちばん目立つのは、本作には伝統曲が1曲も含まれていないということだ。
 そもそもの出発点がウーロフのソロ・アルバムだったことからもわかるとおり、初期ヴェーセンはスウェーデンの「トラッド・バンド」だった。ところが、時を経るにつれ自作の比重がどんどん高まってゆき、今ではステージでのレパートリーも完全に自作中心となっている。それでいながら、かれらの自作曲はどれもスウェーデン伝統音楽にがっちりと根を下ろしており、その点は本作も従来の路線から外れるものではない。なにしろ、スウェーデンの代表的ダンス・リズムであるポルスカに基づいて書かれた曲が全15曲中10曲もあり、この10曲に完全なワルツの[14]、そして、ポルスカだかワルツだかぼくには判別できない[9]を加えると、リズムを聴く限りでは非常に伝統的な三拍子系の曲が12曲に達しているのだ。さらに、曲名どおりアパラチア風の四拍子ではじまるミクソリディアン音階の[11]でさえ、後半はスリップ・ジグに近しい9/8だし、スウェーデンの晩秋の寂寥を伝えるようなメロディが切ない[12]も、前半6/4、後半5/4というリズムになっている。
 基本的に、ポルスカは3/4のダンス・リズムだが、ワルツと異なり1拍目と3拍目にアクセントをもつ。また、メロディの組み立て方によって大きく四種類に分けられるそうで、種類によっては不規則拍子が入ったり、いわゆる二拍三連の大きなうねりを伴う曲も珍しくない。つまり、素直に1・2・3と数えられるポルスカばかりではないのだ。もちろん、ヴェーセンは自作曲でこの四種のポルスカを縦横に駆使してきた。『各曲解説』の[5]に「トリプレット・ポルスカ」という語が出てくるが、これは「ojamn polska」と呼ばれる三連符を中心としたポルスカの別名だという。トリプレット・ポルスカは、英語圏のスリップ・ジグとノリが似かよっている場合が多いそうだし、となると、[11]の後半に与えられた〈The Polska Jig〉という曲名は、その点を充分に意識した一種のシャレと考えるべきだ。
 本作で、真っ裸の四拍子が貫かれるのは――1メロの冒頭は4/4 + 4/4 + 2/4だけど――[13]の〈Nipponpolska〉だけ。この曲に関しては、曲名の由来をぜひとも説明させていただきたい。今年春の来日時、ヴェーセンは三重県松阪市でコンサートを行なった。コンサートまえ、満開の桜を愛でつつ松阪城址公園を歩いていたかれらが目撃したのは、フランスだかオーストリアだかスイスだかよくわからない音楽に合わせ、『アルプスの少女ハイジ』のような衣装を着てダンスに興じる地元の老人たちの集団だった。日本人が見てもかなり奇妙だったというこのダンスを、ヴィオラのミッケが大いに気に入り、作曲したのが[13]というわけ。松阪の老人、おそるべし!
 本作には、[13]をはじめとして老人や友人知人にちなむ曲が3曲ある。しかし、本作の各曲の誕生に際して、老人以上の役割を果たしたのは子どもたちだろう。各メンバーの子どものため書かれた曲が4曲あるし、これにミッケの奥さんに捧げられた[9]を加えると、全体の三分の一が家族がらみの曲だ(ついでながら、スウェーデンでミカエルの愛称は「ミッケ」となる)。高度に重層化した曲を凄まじい演奏力でがんがん聴かせるくせに、ヴェーセンは自らの音楽について晦渋な説明を絶対にせず、作曲の動機を率直に語ってくれる。このへんの姿勢は、現代音楽の作曲家や一部のロック・ミュージシャンとは対照的であり、伝統音楽出身の演奏家らしい潔さを感じずにはいられない。背はものすごく高いけど、視点は常に低いのだ。子どもたちを意識して作られたのであれば、アルバム全体を包む優しい空気もむべなるかな――そう思いながらカバー写真を見直すと、また別の感慨が湧いてきた。

 最後に朗報です。
 ヴェーセンの再来日が、2005年1月に決定した。あの不思議な感覚を、早くも再び味わえるなんて。

2004年7月 茂木 健
 

参考: http://www.norbeck.nu/swedtrad/
 
 


「ヴェリー・ベスト・オヴ・ヴェーセン」 (廃盤)ライナーノーツ
 スウェーデンの民俗楽器ニッケルハルパをフィーチュアしたトラッド・バンドの顔をもちながら、演奏する音楽は同国伝統音楽の枠をはるかに越え、北欧〜ヨーロッパという括りさえ軽々とはみ出してゆく。編成は、ニッケルハルパにギター、そしてヴィオラの3人組という超異色。8枚のオリジナル・アルバムはどれも、一風変わったメロディをもつインスト曲のみで構成されており、編曲は精緻を極める。おまけに、うち3枚にはパーカッションが加わって、リズム面で暴虐の限りを尽くす。それでいながら、不遜な独善性など一瞬たりとも感じさせず、逆に、アルバム1枚聴き終わったあとは春風駘蕩とした空気さえ漂ってしまう……。かくもユニークな音楽集団であるヴェーセンの全アルバムから楽曲を精選し、日本で独自に編集したベスト盤を制作するというのは、苦しくも実に愉しい作業だった。

 本作『ヴェリー・ベスト・オブ・ヴェーセン』の選曲に際し、与えられた条件はただひとつ――エンハンスドCDにする都合上、音楽トラックの合計を60分以内に収めるということだけだった。最終的にこの15曲を決定したのは、本ベスト盤の発売元となるThe Music Plantの野崎洋子、そして原案づくりから参加した茂木健である。ほかに比較するアーティストもないバンドのベスト盤ということもあって、このライナーノーツは、選曲を担当した2名が各曲を詳しく聴いてゆく対談の形式をとらせていただいた。役割分担としては、茂木が各曲の音楽的構造と演奏のツボを確認し、野崎は、ヴェーセンのステージを何度か観てメンバーとも面識がある立場から、各曲に反映された「聴いているだけではわからない」部分を補っている。

 この選曲/曲順に至った経緯などについては、対談本文を読んでいただくとして、まずは……

茂:……ヴェーセンというバンドの多様性を強調しておきたい。(トリオ、カルテット、トリオと)いろんなことやってるんだけど、このベスト盤ではややカルテット寄りの選曲をしてないかな。違う?
野:えーと(数える)カルテットが8曲。
茂:ほとんど半々だ! うまいこといきましたね。
野:選曲の方針としては、それぞれ(野崎と茂木)が選んだんでしたっけ?
茂:最初に、おれが原案として35〜36曲選び、それを野崎さんに絞ってもらって、野崎さんからの提案を入れて調整を重ね、最終的にこの15曲。もうひとつ、このアルバムの選曲に関して言っておくべきなのは、伝統曲というのに全然こだわらなかったということ。
野:あ、そうですね、どれが伝統曲なんだろ?
茂:むしろこの人たちは、バリバリのトラディショナルをいろいろとアレンジしてやっていくというよりも、トラッド・ベースの曲を自分たちで作曲して、それを、智慧と技術の限りを尽くして聴かせていくのが持ち味のような気がするんだ。
野:ほんと、そうです。
茂:で、伝統性ということについては、ニッケルハルパがいるというだけで、どうしようもないくらいスウェーデンになっちゃうんだよね。まあ、ほかの国にない楽器なんだし、ましてやウロフって人は、スウェーデンでもいちばんの名手なんでしょ?
野:たしかに、ヴェーセンも最初のころはトラッド曲が多かったけど、今はほとんど自作ですもんね。(アルバム)『トリオ』なんか、自作曲ばっかりでしょ……トラッドは何曲もない。
茂:それに加えてね、ニッケルハルパ、特にクロマティック・ニッケルハルパって楽器そのものが新しい楽器ということもあるんだ。ほら、アイルランドでもあるじゃない、ジュニア・クレハンが作った曲だとか、デニス・マーフィが作った曲だとか……つまり、ついこないだまで生きていた人たち、20世紀を生きたお爺ちゃんたちがこさえた曲というのを、特にウロフは、ファースト・アルバム(実質的にヴェーセンの1枚目でもある)で大事に大事に演奏してるんでしょ? そういう意味では、ゴリゴリのスウェーデンのダンス・チューンというものとヴェーセンの音楽とは、ちょっと別のとこで考えたほうがいいような気がする。(ヴェーセンのほうは)もっとモダンな、コンテンポラリーなスウェーディッシュ・ミュージュックというか――北欧音楽とまで断言すると語弊があるけど――そういう音楽をやってる人たちだという捉えかたで、いいと思うんだ。
野:そうそう。
茂:なまじ伝統、伝統とこだわる必要はないよ。やってる本人たちがこだわってないんだもの。オリジナル曲をやってるうちに、伝統的なモノが匂い立ってくるのが、かれらの持ち味なんだろうね。で、この選曲になりましたと。

1)  Bambodansarna (The Bambo Dancers)

野:わたしは最初からこれが1曲目だと思ってたんだけど、茂木さんの最初の案では〈Sald och Solde〉だったでしょ。で、〈Sald…〉がアタマといわれると、それもかっこいいかなと思って。だから〈Sald…〉を1曲目、〈Bambodansarana〉が2曲目という案を出したんだけど……
茂:それをダメと言ったのはおれだな。
野:そう。
茂:〈Sald…〉と〈Bambodansarana〉は、スピード感が一緒で、おまけにモードまで同じ(Dドリアン)だから、つづけてしまうとメドレーみたいに聴こえちゃうんだ。で、もったいないから離したかった。
野:それで〈Bambodansarana〉を1曲目とする方針で考え直したら、こうなったのね。やっぱポップで、(誰にでも)なじみやすい曲ということかな。
茂:この曲が冒頭に向いているなと思った理由というのは、ビートを捕まえやすいから。とてもノリやすい。それすなわち、キャッチーということになると思うんだけど、聴いてるほうが「あたふた」しないですむんだ。これって、特にミュージシャンの人たちに言いたいんだけど、この曲なら比較的みなさん素直に聴けるんじゃないかな。
野:ほんとによく書けてるし、メロディもキャッチーだし、アレンジもよくできてる……ヴィオラがいいですよねえ。
茂:ヴィオラがドライヴしまくるし、ローゲルのギターも煽りまくるしね。わかりやすいというのに加えて、この曲、すごくロック的でもある。たとえば、0分50秒のところ――最初のラウンドが終わるところかな?――で、ニッケルハルパがポルタメントを聴かせてる。ひとつの音程から、ぎゅーんと下に引きずってるでしょ。いわゆるロック・ギタリストがよくやる手なんだけど、これ、実はすごい技なんだ。ニッケルハルパって(音程をつくるのが)キイであって、そのキイにはタンジェント(ストッパー)がついてるんだよ。機械で弦を押さえてるわけ。
野:(笑)どうやってるんでしょうね?
茂:多分、弦に直接指で触れて、ひゅーっと引きずってるんだろうと思うんだけど。
野:手を(楽器のなかに)突っこんで?
茂:そう。
野:わたし、言われるまで気がつかなかった。それくらい自然に曲のなかに溶けこんでいる技でありながら、よく考えてみたら、「あ、ニッケルハルパじゃん!」って。
茂:たとえばシンセサイザーだったら、ひとつの鍵盤を押したままウニョ〜と音程を変えていくなんて簡単じゃない? それをグランドピアノでやってるのと同じようなものだもの。これは気持ち悪いぞー。ま、そういう小技も利いてるし、ビートも拾いやすい、わかりやすい、やたらかっこいいということで1曲目かなと。
野:ウロフの書く曲って、なんかキャッチーですよね。狙って書いてると思うんだけど。
茂:ニッケルハルパを、いちばんかっこよく聴かせられるようにね。
野:そうそう。だけど、狙って書けるものでもないとは思う。
茂:そしてこの曲、後半で救急車の音が出てくるでしょ。
野:ああ、これはねえ、ライヴ観てびっくりしちゃった。ヴィオラでやってるんですよ。たしかに、あのSEが入るときって(スタジオ録音でも)ヴィオラの音がほかにまったく聴こえてない。
茂:……言われて初めて気がつきました。
野:こればかりは生で観ないとわからない。
茂:パーカッションはフェラーリさんだよね。おれ、彼がフリクション・ドラムみたいな特殊な打楽器でヒュンヒュンやってるのかと思ってた。
野:わたしだって最初は、家の前の道を走ってゆく救急車の音がカブってるのかなーなんて。こういう細かい技を考えていくところが、またロック・バンドぽくって可愛いですよね。
茂:しかもすべて生楽器でやってるし。で、次に出てくるのが……

2)  Johsefins Dopvals (Johsefin's Waltz)

野:この曲の位置もねえ、最後にしようか、2曲目にしようかでさんざん迷いましたよね。
茂:ある意味、ヴェーセンのなかでいちばん有名な曲だから。ダーヴィッシュが取り上げたらから有名になったんだけど、ダーヴィッシュは、この曲を『エンド・オブ・ザ・デイ』と『Live in Palma』で2回もやってる。でも前者のヴァージョンは大笑いだね。ヴェーセンの全員が加わっていて、ヴェーセンの演奏ではじまるんだ。『トリオ』でのアレンジとほとんど変わらない。
野:ダーヴィッシュが、ヴェーセンに参加してるという感じですよね。
茂:そうそう。ダーヴィッシュのほうがお客さん状態。
野:ダーヴィッシュが入ってくると、音がすごく明るくなりますね。ポップというか。
茂:でも『Live in Palma』になると、さすがにこなれてきていて、キャシー・ジョーダンの歌う伝統歌〈I courted a wee girl〉とメロディを交互にうまく組み合わせ、「技あり」の出来。すでにヴェーセンの影はない。
野:よく書けてる曲ですよね。ローゲルがジョセフィンという名の姪っ子さんのために書いた曲なんだけど。
茂:まあこれは、スウェーデンに限らずスタンダードになっていく曲だと思うよ。
野:(ダーヴィッシュ以外でも)カバーしている人がいたと思うんだけど、今ちょっと思い出せない。だけどヴェーセンの演奏は、コードとか不思議ですよね。ダーヴィッシュと比べると特に。
茂:ラウンドごとに和声を変えていくというのは、ヴェーセンの得意技だから。そのへん誰が主導権を握っているかというのは、よくわからない。なぜわからないかっていうと、ローゲル(ギター)がものすごいテンション・コードを使うと、その響きのいちばんおいしいところ――とんがって聴こえる音――にミカエル(ヴィオラ)がさっとつきあうのね。
野:うん、曲の印象、アレンジの雰囲気みたいなのは、ミカエルの動きが決めているような気がする。[1]なんかもそうだけど、ミカエルがどう動くかによって、表、つまりウロフが弾いてるメロディの印象が全然違って聴こえる。
茂:おれが最初の案で入れていた『トリオ』の2曲目〈Drakskeppet〉なんか、その典型だよ。
野:うふ。その曲を落としたのはわたしです。
茂:ローゲルとミカエルが足並みを揃えて、ヘンなことをやるんだよ。ちょっとやそっとでは分析できないようなヘンなことをね。それが、ラウンドごとの色合いを決めていって、その色合いの変化がつながっていって、グラデーションになりかっこいいんだよね。
野:グラデーション! その表現いいな。
茂:少しはライナーらしくなりますか(笑)。

3)  30-ars Jiggen (30-Year Jig)

野:3曲目もローゲルが書いたジグです。
茂:これもローゲルなの?
野:そう。ウロフが30歳の誕生日を迎えた記念に、ローゲルが書いた曲。
茂:それにしちゃあこの曲、主役はミカエルでウロフじゃないな。
野:お誕生日パーティーで盛り上がったときに、できた曲なんですって。
茂:だからミカエルが演奏してあげてるわけだ。
野:あ、なるほど。
茂:でも、これがヴィオラによる演奏なんだよ。
野:異常に切れがいいですよね。茂木さんの(対談用に準備した)メモに、「モードはイオニア」って書いてあるけど、これはどういう意味?
茂:普通の長調音階(ドレミファソラシド)と同じということ。
野:だからすっきり聴こえるんだ。
茂:うん。でも、例によってラウンドごとにいろんな仕掛けをしてる。小技をびしびし入れて。
野:ほんと、小技が利いてますよねえ。
茂:かれらの曲で、終始わかりやすいジグ・タイムの曲ってこれだけでしょ?
野:これだけです。
茂:この曲も、そのうちいろんな人にカバーされるぞ。
野:もうジョン・マカスカーがやってますよ。Battlefied Bandの若いフィドラー。
茂:もうやってんだ(笑)。この曲はカバーしやすいし、ちょっと変わってるし。
野:どう変わってるんですか?
茂:今アイルランドの人たちがジグの新曲を書くと、妙にメロディを凝らない? ヴェーセンの場合はアプローチが逆なんだ。メロディはシンプルにしておいて、バックアップの仕方をぐんぐんいじってゆく。
野:やたら切れのいいヴィオラにメロディを任せてね。
茂:なぜこの人、こんなにヴィオラの切れがいいのかって考えると、やっぱ背が高いんでしょ?
野:そう、ヴェーセンはみんなでかいんですよ。身長が2メートルくらいある。
茂:当然、腕も長いし指も長いと。
野:ウロフの指なんか、見てると惚れ惚れしますもんね。このベスト盤はエンハンスドCDですから、ぜひ映像をごらんください。
茂:映像が見られるんだったら、人間と楽器のバランスを確認していただきたいね。ミカエルとヴィオラの大きさを、ほかのフィドラーと楽器のバランスと見比べてほしい。
野:なんかヴィオラがちっちゃいんですよね。
茂:ちっちゃく見えてしまうんだよ。フィドルに比べたら、ヴィオラってでかいぞ。ネックも少し太いし、長いし。だけど、この「少し」というのがくせ者でね。左手の指の間隔、運指の間隔が全然違ってくるんだ。弦自体も太いよ。早い話が、ピアノの鍵盤の幅が5ミリ増えたら、みんな困っちゃうでしょ?
野:おまけに鍵盤圧まで重くなるとか?
茂:そんな感じだね。それくらい大きな違いがある。フィドラーであれば、誰だってヴィオラは弾けるんだけど、うまく弾けないんだ。体格的に無理なんだもん。
野:でもほんと、ヴィオラの切れがいいのに加え、フィドルにはない深みが音にあるじゃないんですか。ディープな感じというか。
茂:うん、フィドルより五度低いから、音が下のほうに伸びていくもの。だから、これは『トリオ』のライナーにも書いたんだけど、ニッケルハルパにフィドルではなくヴィオラをぶつけるというのは、最高のアイデアだし、また、この3人でなきゃできない技なんだ。で面白いことに、ウロフとミカエルって幼なじみなんだって?
野:そうそう。ティーネイジャーのころから一緒に演奏してるって。出身地も同じみたいだし。
茂:ということは、ミカエルはクラシック・ヴァイオリンをさんざん学んだあとで、ウロフに会ったわけだ。
野:だと思うんですよね。でも、この息の合い方って尋常じゃないでしょ? ヴェーセンで面白いのは――ほら、アルタンなんかでは、フィドラーが何人いてもボウイングの方向を合わせないじゃないですか。そもそも、ボウイングって合わせないと合わないものなんですか?
茂:合わせないと合わない。まず合わない。
野:やっぱり。というのはね、ヴェーセンを見てて面白いのは、このふたりのボウイングが合ってんですよ。ニッケルハルパは縦方向へのボウイングだけど、腕の動きがヴィオラと合ってるの。
茂:なるほど、アップ/ダウンが同じということね。
野:ビデオ見てもこれはよくわかりますよ。
茂:ふたつの可能性があるな――意識的に合わせている、あるいは、同じ曲をくり返し演奏しているうちに自然にそうなった。普通、ダウン・ストローク、つまりボウのつけ根からぐいと引っ張るほうが、強い音が出せるとされてる。だから、同じメロディを弾いていて同じ音を強調するとなったら、ふたりの腕の動きがシンクロするということは充分にあり得るよね。そこがかれらの、メリハリの良さにつながっているのかもしれない。
野:見てて面白いんですよ。やたら背の高いのが、ふたり並んで同じ方向に揺れながら、同じボウイングやってるんだもの。マーチなんか演奏しているところを見ると、もうぴったり合ってる。けっこう笑えるんだ、これが。アイリッシュのトラッド・バンドでは、あれは絶対にないし。

4)  Jtt

茂:わかりやすいジグ・タイムの[3]から、またまた不規則拍子の嵐。
野:ミカエルの大好きな大曲。かっこいいんだ。
茂:最初の部分は数えやすいの。3/4 + 5/4だとすぐわかる。だけど後半になると、もう数えるのも嫌になっちゃう。
野:この曲名は、フィンランドの(トラッド・グループ/オーケストラ)JPPに由来してるんだって。一緒にアメリカをツアーしたとき、雇ったバス会社の人たちがツアー・バスにバンド名を書いてくれたんだけど、JPPを間違ってJTTと書いてしまった。それが面白かったんで、JPPを意識したこの曲を〈JTT〉と名づけたそうです。でも、この人たちインスト・バンドだから、曲名なんか後づけだと思う。
茂:きっとかなり適当だよ。
野:あまりJPPに似ているとは思えないんだけど。
茂:おれも。いずれにせよこの曲は、[1]と合わせてカルテット・ヴェーセンのおいしいところがよく出ている。

5)  Norska Brader (Norwegian Boards)

野:この曲ワルツ・タイムなんですか??
茂:面白いことに3拍子なんです。
野:全然わからなかった。
茂:1・2・3、1・2・3できっちり数えられる。ただ仕掛けがすごいんだ。大きな三連譜、いわゆる二泊三連が要所要所に入れられているから、激しく蹴っつまずいているような印象を与えるでしょ。
野:これはローゲルの曲ですね。
茂:そしてこの曲も、ヴィオラの重い音がよく生かされてる。
野:どうやって録音してるんだろ?
茂:基本的には、ニッケルハルパの下に潜ってのユニゾンだと思うんだけど、ただ同じメロディを弾いてるだけじゃない。ダブル・ストップとかを上手く入れながら、ニッケルハルパとヴィオラだけで演奏しても、おのずと和声のテンションが出てくるようなアレンジがしてある。
野:これ、〈ノルウェーの森〉を意識して書いたんですって。「もっと長い合唱曲の冒頭部分」がこの曲で、〈ノルウェーの森〉と「一緒に演奏できる」そうです。コードが同じなのかしら?
茂:むしろテンポじゃないかな。こっちのほうがはるかに重いけど。だけど、合唱曲というのはわかるような気がする。このメロディを混声で重々しく歌ったら、かなりかっこいいぞ。

6)  Byggnan

茂:これは野崎さんが選んだ曲だよね。
野:そう。ライヴでよくやる曲なんです。ライヴで必ずやるから、入れといたほうがよかろうと思って。
茂:もとより緊張感の強い曲が多いんだし、ライヴでもやっぱ飛ばしまくるんでしょ? この曲みたいなのは、いい息抜きになるよ。ほっと一息つける。
野:『Nordic Roots Festival』にも収録されているけれど、トリオでのライヴから選んでみました。こっちのほうがニッケルハルパがきれいに録れてるから。
茂:各楽器の動きがよくわかるしね。初期のヴェーセンって、すごい緊張感の曲とゆったり聴かせる曲がほどよくバランスしていて、ゆったり聴かせる曲は、どれをとってもいいんだ。特にこの点が顕著なのは、セカンドの『Vilda Vasen』……
野:『Vilda』は大傑作ですよ。(サードの)『Essence』の曲は、契約の関係で選べなかったけど。
茂:こういう穏やかな表情というのも、スウェーデンのダンス・チューンのひとつのあり方なんだろうな。で、そうやってくつろいでいただいたところで……

7) Sald Och Solde (Sold Or On Sale)

野:これはほんとにかっこいいですよね。
茂:ヴェーセンのレパートリーのなかでも、いちばんややこしくて激しい曲だと思う。
野:曲順でいちばんもめましたもんね。茂木さんの最初の選曲では、これがアタマだった。
茂:どかんと驚かしたかったから。楽器をやる人は、これにいちばんショックを受けるはずだし。
野:なにやってんだか全然わかりません。
茂:あれよあれよという間に終わっちゃう。猛烈なスピード感だし、ドライヴ感だし。
野:弦のかすれ具合とかも、ものすごく絶妙で激しいし。
茂:そう、特に後半、ニッケルハルパのピッチが狂いはじめるんだ。音程がヨレちゃう。
野:(笑)ウロフの楽器、古いから。
茂:酷使してるんだろうなーって。
野:普通こういう曲を弾く楽器じゃないんでしょうねえ。わたし、この曲は全然ノーマークだったんだけど、今ではヴェーセンの好きな曲ベスト3に入ってますもん。未だに、これ1曲目にしてもいいかなと迷っていたりして。

8)  Brudsmarsch Efter Byss-Cale/Broddae I Barsark

茂:これはセカンド・アルバムから。ファースト・アルバムは、ウロフのソロにふたりが加わったという位置づけだったでしょ。で、ユニットとしてのヴェーセンが立ち上がったのが『Vilda』だから、どの曲も気合いが入ってる。特にこの曲、楽器の持ち替えが聴けるのが珍しいなと思って。前半をクロマティック・ハルパでやってて、後半コントラバス・ハルパになるんだ。音色ががらっと変わる。もうひとつ、ローゲルのギターも終わりのほうはダブル・レコーディングになってるでしょ。透明感たっぷりに、すごく平凡そうにはじめておいて、変化に変化を重ねながら、最後はものすごくヘビーなダンス・チューンを提示している。
野:そう、後半の盛り上がりはすごいですよね。
茂:だからこの曲、パーカッションが入るまえのヴェーセンの指向性をよく示しているような気がして。

9)  Shapons Vindaloo

茂:そしてカルテットになって、(パーカッションの)フェラーリさんが入ると。フェラーリさんって、もともとドラマーなの?
野:ドラマーですよ。アメリカ盤のベスト(『Spirits』)に(ドラムとベースを交えた)ダサい曲が入ってて、それが過渡期。Vasen 5というプロジェクトなんだけど、よくないんだ、はっきり言って。
茂:ヴェーセンのようなバンド、つまり3人が束になって、アメーバみたいにうにょうにょと変わっていくというバンドに、凡庸なドラムスとベースが入ると単に邪魔になるだけだよ。
野:そうなの。ドラムがまっすぐ入っちゃうと、全部壊れちゃうというか。
茂:「まっすぐ入る」というのはうまい言い方だね。
野:まっすぐ入るドラム、かっこ悪くて嫌ですよね。そういうトラッド・バンド、多いけど。
茂:フランク・ザッパも言ってるんだけど、誰かの変化に即応して、自分の演奏をチャッと変えられる打楽器の人ってそういない。そういう意味で、このフェラーリさんは変幻自在でしょ?
野:うん、だけどフェラーリ君も、最初はドラムだったんですよ。それじゃあダメだということで、ベースを抜きにしてパーカッションに変わった。彼はもともとロック・ドラマーで、スタジオで売れっ子だったの。シセルなんかのアルバムにも参加してるし。ポップ系の人なのね。
茂:それにしちゃあ、ジャズやエスニックもばっちりやってるみたいだし……
野:そう、だから彼にしてみれば、ヴェーセンに入ったことは大きな発見だったと思う。彼のそういう部分を、この3人が引き出したという感じ。
茂:だけど、いきなりやれと言われてできるもんじゃないし、本人の資質がもとから……
野:こっちだったんでしょうね、きっと。だけどわたし、フェラーリ君だけは生で観てないんです。9.11以降、飛行機に乗らなくなっちゃって、エディンバラで観たときもパーカッションは別の若いお兄ちゃんだった。素敵な子だったんだけど、あんまりうまくなかった。やっぱ、フェラーリ君と比較しちゃうから。フェラーリ君って、ちょっとイっちゃってる人みたいですよ。
茂:エキセントリックなんだ。で、この曲、もうひとつ恐ろしいのは、ベースのパターンをローゲルがギターで弾いてゆくでしょ。これがメチャメチャ複雑なの。膨らんで、縮んで、膨らんで――ものすごくファンキーなんだ。で、そのファンキーなギターの低音にフェラーリのパーカッションが絡んできて、そこにニッケルハルパのメロディが入ってくるんだけど……
野:これはフェラーリ君の曲ですね。
茂:あ、彼の作品なんだ。印象としてはポリリズムなんだよね。これくらい自然にやってみれ、と世のプログレ・バンドに言ってやりたい。こういう曲で大事なのは、聴き手に計算を意識させちゃいけないってことでしょ。これが至難の業でね、譜面上で計算しながら作りましたと感じさせたら、もう終わり。そこをヴェーセンは楽々とやっちゃう。後半のパーカッションのソロが目立つかもしれないけど、あそこに至るまでの構成がすごい。
野:パーカッション・ソロを聴かせるための伏線ね。
茂:各楽器は独立しているのに、全員がひとつの呼吸で動いていると感じさせる手腕は並大抵のものじゃないし、それを支えるパーカッションもすごく優秀だと思う。
野:飛行機乗らないってのが困りものですよね。次回の来日は、首に縄つけてでもフェラーリ君を連れてきてほしいな。

10) En Timme I Ungern (One Hour In Hungary)

茂:この曲も、フェラーリ君がすっきりとしたいい演奏を聴かせてるね。
野:うーん、パーカッションがいないとステージではやらないかな。ヴェーセンのなかで、わたしがいちばん好きかもしれない曲なんだけど。
茂:これもまた不規則拍子だよね。3/8 + 3/8 + 2/8が基本。
野:ミカエルとローゲルの共作。由来は「(ハンガリー西部)Szekecteのホテルで1時間でこさえた」――きっと、ホテルで時間をもてあまして、ちょいちょいと作ったんだと思う。
茂:おれ、この曲聴いてると、やけに夜の空港の光景が浮かんできて。
野:エディンバラで観たときもこの曲はやってましたね。ウロフとミカエルが横揺れするんですよ。でかいのが一緒に揺れてて、ボウイングもそろってるから、妙におかしくて。

11) Morfarspolskan

茂:唯一、ファースト・アルバムから選んでみました。ファーストはウロフのソロ・アルバムだし、ほかのふたりはバックアップで、のちのヴェーセンの片鱗は見えているけど、トラッド・アルバムということもあり、はっきり言ってすごく地味だよね。そのなかでこれを選んだのは、クロマティック・ハルパの速弾きがくっきり聴けるから。
野:あんまり速くて、1分30秒しかもたない。
茂:(笑)
野:キイを押しながら演奏する楽器なのに、すんごく速いですよね。
茂:この曲って伝統曲なのかなあ。英語のクレジット、なにもないでしょ?
野:……わかんないなあ。いずれにせよ、これはウロフの名刺みたいなアルバムですよね。
茂:この曲を選んだもうひとつの理由というのは、やっぱりヴェーセンの原点というのは、ウロフのニッケルハルパだと思うからなんだ。これがなかったら成立しなかった。で、もう1点指摘しとくと、この曲もリズムがひろいにくい。
野:そーですねえ、どこが頭だかわかんない。
茂:多分(3拍子系の)ポルスカだとは思うんだけど。ダンス・チューンなのかどうかもわかんない。スウェーデンの音楽を聴きこんでないというのが致命的なんだけどね。少なくともこれは、短いけどヴェーセンの原点をいちばんよく示しているような気がして。ニッケルハルパでこれほど弾けるやつは多分いないぞ、というのがひとつ。そしてふたつ目が、もしこういうメロディ構造がスウェーデンの伝統音楽で「あり」だとすれば――ダンス・チューンとしてだけではなく、鑑賞用としてもね――それはヴェーセンのすさまじいベースになってるだろうと思ったことなんだ。こういうのを果てしなく発展させていけば、カルテット・ヴェーセンのげろげろな曲に通じる。で、あんな自然なメロディ・ラインをかれらがほいほい思いつけるのも、この曲みたいな素地があるからだろうな、と。

12) Reel Carrowkeel

茂:この曲、ミカエルはフィドルを弾いてませんか?
野:だと思う。『Gront』ってほんとクレジットがなくて。
茂:これは音域からいってもフィドルだと思うんだけどな。
野:来日したら確かめてみましょう。茂木さんのメモにあるこの文章、いいですね。「わざわざリールと銘打っているけど、アイリッシュ・リールを聴くようなつもりで漫然と聴いていると、メロディと和声がだんだんおかしくなってきて、ヴェーセンの手のうちに落ちる」――。たしかにヘンなんですよ、後半。音を歪ませてるのもかっこいいし。
茂:あれって、やっぱ意図的にやってるよね?
野:だと思う。こういうところがロック・バンドなんだよなあ。
茂:あれあれ?と思ってるうち、だんだんヘンになってって、考えてるうちに終わっちゃう。4分半もあるんだけど、すごく短く感じる。
野:そうそう。もう1ラウンド聴かせろって感じ。
茂:リズムはとてもわかりやすい。徹頭徹尾リール。ただし同じリールでも、ヴェーセンがやればこういう処理になっちゃうんだというのを示したくて、この曲を選んでみました。かれらも、わざわざ「Reel」と銘打っているからには、意識してると思うんだ。こういう曲をね、たとえばドーナル(ラニー)がやったら、もっと延々とつづくぞ。

13) Pedalpolska

野:これは『Trio』にも入ってる曲で、『Trio』のヴァージョンを選ぶほうがメンバーも喜ぶかなと思ったんだけど、あえてこっちにしました。『Trio』のヴァージョンもいいんだけど、マーチと組み合わせたメドレーになってて……
茂:教会のなかで、子どもたちが鬼ごっこするという意味の曲ね。
野:あのマーチもいい曲だし、あれにつづけて〈Pedalpolska〉というのはかっこいいと思うんだけど、それでもなお、いきなり〈Pedalpolska〉から聴かせたかったんです。
茂:正解だと思う。というのはね、この曲もヴェーセンにしては珍しく、真っ裸のポルカなんだ。とてもわかりやすくて、素直にのっていける。
野:ウロフの曲ですね、これ。
茂:オリジナルなんだ。へえ〜。
野:こういうちょっとかっこいい曲は、ウロフ。
茂:ポルカとかショティッシュというのは、本来こういう風にやるはずなんだよね。たとえばアンビョルグ(リーエン)にしたってさ、(ノルウェー各地の)ダンス・チューンをわかりやすく聴かせてくださいってお願いしたら、本当にわかりやすいダンス・チューンを聴かせてくれたじゃない? レコードではあまりやってないかもしれないけどね。だからヴェーセンの連中も、そういったダンス・チューンからなにからすべて自家薬籠中のものにしたうえで、ガンガン発展させていくのを存在理由にしていると思うんだ。つまり、かれらのトラディショナルな部分をよく出しているのが〈Pedalpolska〉だし、なるほど、『Levande Vasen』からこの曲だけをドカンともってくるのは正解だよ。さっきの1分30秒しかないウロフのソロ(11)が、ニッケルハルパという楽器面でのヴェーセンの原点だとすれば、リズム面での原点がこの〈Pedalpolska〉かな、と思う。こっからどんどん枝葉が伸びていっちゃった。
野:これも間違いなくライヴでやりますよ。
茂:やってくれるんだ。そーだよなあ。桂枝雀じゃないけどさあ、緊張と緩和がバランスしてないと、聴いてるほうだって絶対もたないもの。「なんだこれ? なんだこれ?」って煽られっぱなしじゃね。で、14曲目にまた、「なんだこれ」がくるわけで……

14)  Kapten Kapsyl (Captain Bottlecap)

野:バルカンっぽい曲ですよね。かっこいいよなあ。作者はミカエルで、『Valdens Vasen』の冒頭の曲なんだけど、これ絶対に「勝負」してますよ。
茂:だって『Valdens Vasen』の最大の強みが、フェラーリ君を得たというところにあったわけでしょ? それなら、フェラーリ君が全開する曲をアタマにおこうという発想が出てくるのは、うなずけますよ。
野:ふさわしい曲ですよね。
茂:それにしたってこの曲、一応3/8ベースなんだけど、膨らむわ、縮むわ……
野:〈Bambodansarna〉のほうが、リズムがもっとストレートですよね。
茂:〈Bambodansarna〉を(本ベスト盤)のアタマにもってきたのは、さっきも言ったとおりリズムがわかりやすいから。縦割りのリズムと言ってもいいかな。で、この〈Kapten Kapsyl〉では、リズムが横に滑っていくわけだ。そして(7)の〈Sald Och Solde〉になると、縦/横だけでなくさらに斜めに切りこんじゃう。
野:(笑)でもねえ、こんなにリズムを変えられるっていうのは、やっぱ上手いからなんでしょうね。
茂:うん、上手いのに加えて、こういうことのできるベースがあるんだと思う。たとえば『リバーダンス』が典型なんだけど、アイリッシュのミュージシャンがどんなに上手くても、どうしたって縦割りでしか考えられない。縦割りのなかで、つまり定常ビートのなかで足し算・引き算はできるんだけど、全体を激しくグニ〜っと……
野:アメーバみたいに。
茂:……変形させられないんだ。なのにこいつら、軽々とやっちゃうでしょ。北欧のバンドはほかにもいろいろ聴いてきたけど、ここまでやる連中って、おれ知らないぞ。さっきの縦/横/斜めを別のいい方すれば、この人たちは、リズムとメロディを伸び縮みさせながらねじるんだよなあ。そして、そのねじり方によって、光の当たり方が変わってくるじゃない?
野:いいっすねえ、その表現。まさに光の当たり方だわ。いやー、よくいたなあ、こんなバンドが。
茂:絶対に真似できないバンドだもんね。この楽器編成だもん。ニッケルハルパにヴィオラだよ。どーしろってんだ。
野:(笑)あと、クラシック系の人で、これくらいリズムに融通が利く人って滅多にいない……
茂:いや、それはいると思う。ほら、デンマークの彼。
野:ああっ! ハラール!(ハウゴー&ホイロップのフィドラー、ハラール・ハウゴーのこと)。
茂:彼だってまだ若いんだし、ヴェーセンに参加することは不可能じゃないと思うな。
野:すごく仲はいいみたいですよ。
茂:だけど彼の体格では、これほど上手くヴィオラは弾けないかも。
野:ハラール、もっと背が伸びないと。
茂:(笑)伸びないよもう。
野:でも北欧、深いですよね。まだまだ若い才能いっぱいいるし。
茂:クラシックのテクニックと、伝統音楽のノリと自由さと、それにロックのデタラメさと……全部身につけた人たちがいる。ま、ヴェーセンの場合はそれが3人そろっちゃったんだな。ハウホイなんか、たったふたりであんなすごいんだもの。それも、フィドルにギターというごく当たり前の編成で。で、ヴェーセンは編成からしてもう全然フツーじゃないじゃん。さて、ライヴはどうなることやら。
野:楽しみですよねえ。

15) Vals Av Karl Styfberg

茂:グラグラするような曲をさんざん並べたあとで、最後は真正面からバンドにスポットを当て、客電までついたぞーという曲です。
野:(笑)そうそう。
茂:さあみなさん、踊りながらご退場くださいという感じで。
野:いちばん最後にワルツっていいですよね。
茂:『Lavend Vasen』の最後のワルツも捨てがたかったんだけど……
野:あれも可愛くていいですよね。
茂:(『Lavend Vasen』のほうは)ライヴで、お客さんが1拍目と3拍目で手拍子入れるんだよなあ。クラシック・コンサートのキショい手拍子に比べたら、どれほど健全に聴こえることか。
野:それこそ、手拍子を縦に入れられたらたまんないですもんね。
茂:(笑)でも、なんだかんだいって、手拍子のないこっちのワルツのほうが幕切れにはふさわしいよ。
野:うん。ちゃんと音楽聴いて、という感じで。
茂:あとは、日本公演にご期待ください。
野:最後にひとことだけ。わたし、『Valdens』に入ってるミカエルの曲〈Nitti pomfritti〉を、このベスト盤になんとしても入れたかったの。でも、収録時間の関係で涙を飲みました……

2003年10月13日、池袋『Dubliners』にて


「トリオ」ライナーノーツ

 新たな音楽スタイルが勃興し、人気を得て定着すると、その音楽を演奏するバンドの楽器編成も自ずと最適なかたちに落ち着いてゆく。クラシックやジャズだって、もとをただせばこの道を通過してきたわけだし、つい最近では、伝統音楽ベースのアイリッシュ・ミュージックが、1970年代からの約20年間で基本的なバンドのフォーマットを確立した。いずれにせよ、ひとたびフォーマットができあがってしまえば、あとは多かれ少なかれ足し算・引き算の問題になる。「この楽器を加えて(あるいは減じて)みました」というやつだ。こうして確立されたフォーマットは、聴く側にも演奏する側にも安心感をもたらす。
 しかし、聴く側の一方的な「フォーマットの安心」を平然と蹴散らすバンドが少なくないことは、皆さんよくご存じのとおり。単に奇をてらっている連中はともかく、困ってしまうのは、確信をもってフォーマットから逸脱したと思われるトラッド系のバンドだ。使われている楽器名を読むだけでは、なぜそうなったのか、まるで見当がつかないのである。ヴェーセンと名のるスウェーデンの三人組も、そんなバンドの典型だった。ニッケルハルパという特殊な民俗楽器を中心にしていることなら、ひとめでわかった。問題は、ニッケルハルパに絡むほかの楽器を選んだ基準だ。ギターはいいとして……ヴィオラ?! 激しく傾げられた首は、しかし音を聴き進むうちに復元した。ヴェーセンが前代未聞(文字どおり)の個性を獲得できたのは、フィドルではなく、ヴィオラを選んだ洞察に負うところが少なくなかったのだから。理由は、おいおい説明していきます。

 本作はヴェーセンにとって9作目となる。1990年に発表された実質上のデビュー作『Olov Johansson: Vasen』から97年の5作目『Spirit』まではトリオとしての録音だが、その後パーカッションを加えてカルテットとなり、『ヴェルデンス・ヴェーセン』(97年)から前作の『LIVE FROM THE NORDIC ROOTS FESTIVAL』(01年)に至る3枚を制作した。本作でまた三人組に戻ったことになるが(『トリオ』というアルバム・タイトルは実に「まんま」である)カルテットとしての演奏活動は継続するというから、嬉しいことに今後は二種のヴェーセンが併存してゆくらしい。各メンバー、およびバンドとしての経歴についてはMusic PlantのHPに詳しく記されているので、そちらをご覧ください(http://www.mplant.com/koruna/vasen/bio.html)。ここでは、かれらの音楽を際立たせている各楽器の特徴、組み合わせの妙、そしてなにがこれほど魅力的なのかを、できる限り整理してみたい。

 まず、ウロフ・ヨハンセンが演奏するニッケルハルパ。弦を弓奏するためフィドル/ヴァイオリンの系統にしか見えないのだが、楽器として厳密に分類すると、ハーディ・ガーディと同じ「機械楽器」に含まれるそうだ。どちらも、指で弦に直接触れて音程を作るのではなく、各音に対応したキイを使用する点が共通している。ハーディ・ガーディの歴史が12世紀まで遡れるのに対し、ニッケルハルパの最古の記録が残されたのは14世紀、場所はスウェーデン南東部だという。「機械」としてより複雑なはずのハーディ・ガーディのほうが、意外にも先に誕生していたわけだ。16世紀にはスウェーデン北部からデンマーク、ドイツにまで分布したニッケルハルパだが、その後徐々に衰退し、スウェーデンのウプランド地方でのみ細々と継承されてゆくことになった。
 現在も使用されているニッケルハルパは主に四種類あり、ヨハンセンはうち二種を演奏する。まず、最も一般的といわれる3ロウ・クロマティック。弦の数は通常16本で、メロディ弦3本、ドローン弦1本、残り12本が共鳴弦となる。総計で37個前後の木製のキイ(スウェーデン語で「ニッケル」)が3列に配置され、ギターでいうフレットの役目を担う。このキイ列を「鍵盤」と訳す例も散見されるが、各キイの機能は特定の弦を特定の位置で保持し振動数を制限することなのだから、打弦までコントロールするピアノ等の鍵盤とは別種のものといえよう。音域はフィドルの最低音Gから3オクターブ、つまりほぼ同一だ。しかし、フィドル直系の楽器でないことは、メロディ弦の標準的なチューニングがG/C/A(低〜高)であることからも容易に想像がつく。なるほど、キイで「機械的」に音程を作ってゆくのだから、「人間工学」上たいへん合理的なフィドル族の5度調弦を採用する必要性など、最初からなかったわけだ。本作のエンハンスド部分に収録されたふたつの映像のうち、〈Johsefins Dopvals〉で演奏されているのが3ロウ・クロマティック。メロディ弦が4本あるように見えるが、第4弦(奏者の体にいちばん近い弦)は低いCに調弦されたドローン弦で、滅多に弓奏されないという。
 ヨハンセンが演奏する二種類目の楽器がコントラバスハルパ。ただし、名称から直感したくなるのとは裏腹に、演奏可能な音域は3ロウ・クロマティックとほとんど変わらない。メロディ弦は2本で、そのあいだにドローン弦1本と約12本の共鳴弦が並ぶ。キイは1列だが、いくつかのキイに2個のタンジェント(弦のストッパー)が取りつけられており、キイを1回押すだけで、2本のメロディ弦上で同時に別々の音程をつくることが可能となっている(ちなみに、3ロウ・クロマティックは1キイ/1タンジェント)。奏者は、ボウイングによって2本の弦の片方からめざす音を選択し、ドローン弦とのダブルストップ(2本の弦を同時に弓奏する奏法)を適宜織りまぜながらメロディを紡いでゆく。ドローン弦と共鳴弦を挟んでメロディ弦が向き合っているのでコントラ(counter)、ドローンが低音を提供するのでバス(bass)というのが名前の由来らしい。運指とボウイングが大きく異なっているせいだろう、現在この楽器と3ロウ・クロマティックを併用している奏者は、われらがヨハンセンを含め数えるほどしかいないそうだ。コントラバスハルパの写真は本作カバーを、演奏の実際はエンハンスド映像のもう1本〈Vilse i Betlandet〉をご覧ください。歴史的には3ロウよりずっと古く、18世紀末には今日の姿になっていた。
 だが19世紀後半になると、ニッケルハルパの人気は地に落ちてしまう。本格的な復興がはじまったのは、1930年代に考案された3ロウの楽器が改良され、現在の3ロウ・クロマティックとして完成した1980年からだ(ほんの20年まえ!)。1990年夏、史上初のニッケルハルパ世界選手権がスウェーデンで開催され、オロフ・ヨハンセンが初代チャンピオンとなった。それを機に制作された彼のソロ・アルバムが、先述の『Olov Johansson: Vasen』である。ところが、このアルバムで彼をバックアップしたミカエル・マリーン、ローゲル・タッレロートの演奏があまりに鮮烈な印象を残したため、スウェーデン語でessence, spirit, noise等を意味する『Vasen』が、ニッケルハルパを中心とした三人組のバンド名と勘違いされてしまった。ヴェーセンの歴史は、こうして幕を開ける。

 では、『Olov Johansson: Vasen』のなにがそれほどまでに新鮮だったのか? ぼくは、タッレロートのギターもさることながら、ミカエル・マリーンのヴィオラだったと断言したい。
 先述のとおり、ニッケルハルパの演奏可能音域はもろにフィドルとかぶる(多数の共鳴弦によって倍音が強調されるため、聴感上はフィドルよりも高域で鳴っているような錯覚を容易に引き起こす)。ほかのヨーロッパ諸国同様、スウェーデンでもフィドルは伝統的民衆音楽を演奏する主力であり、しかも、ダブルストップを多用する演奏が好まれてきた(アメリカのオールドタイム〜ブルーグラスのダブルストップは、スカンディナヴィアが源流という説もあるくらいで)。華やかな共鳴を聴かせるニッケルハルパが、ダブルストップを強調するにぎやかなフィドルとひとつのメロディをユニゾンで演奏したら、両者の持ち味が相殺されてしまうことは想像に難くない。話はちょっと横道にそれるが、同じく共鳴弦を多くもつノルウェーのハルダンゲル・フィドルがソロ楽器として愛されてきた理由の一端も、この辺にあるような気がする。
 対してヴィオラ。ヴィオラの音域はフィドルより5度低く、ニッケルハルパを下から(つまり低音によって)支えることが可能だ。高域が偏愛されがちの民衆音楽にとって、チェロの音域までカバーできるヴィオラは立派な低音楽器となり得る。ネックの長さを含む楽器全体がフィドルよりも大きいため、プレイヤビリティは若干減じられるものの、チューニングはフィドルと同じ5度調弦だし、演奏姿勢もフィドルと同一だから、ボウイングによるアタック感などは充分に確保できる。つまり、ニッケルハルパとの合奏にあたって、ユニゾン、下に潜ったハーモニー、1オクターヴ下のユニゾン、さらに低音楽器の代用など、さまざまな使い分けが理論上可能なのだ。
 ミカエル・マリーン、そしてヴェーセンは、戦略的にヴィオラを選択した。というのはほかでもない、マリーンはもともとクラシック・ヴァイオリニストで、芸術音楽と並行しスウェーデン伝統音楽を学んでいたのだ。昨年来日して日本中を熱狂させたデンマークのフィドラー、ハロルド・ハウゴーも同じような出自をもつ演奏家だったし、芸術音楽と伝統音楽が歴史的に並立し相互に影響を与えあってきた国は、クラシックしか知らないヴァイオリン弾きによる無惨な「フィドル」演奏さえ歓迎してしまう極東の島国とは、底力が決定的に違う。ひがみついでにいわせてもらうと、映像でのマリーンはヴィオラがフィドルに見えるほど背が高い。これだけでかけりゃ腕も指も長いだろうし、ヴィオラをフィドル並のキレのよさで弾くこともわけないだろう。ご参考までに、フランキー・ゲイヴィン、マーティン・ヘイズなど長身に恵まれなかったアイリッシュの名フィドラーたちは、スロー・エア演奏で低域を強調したい場合を除き、ヴィオラにはあえて手を出していない。

 あるときは剛胆に、あるときは艶かしく絡みあうヨハンセンとマリーンをより緊密に結びつけ、しかも拡散させてゆくのがローゲル・タッレロートのギターだ。彼の12弦ギターが、必ずしも低域を強調していない点に注意してほしい。むしろ、中〜高域でリズミックなフレーズをくり返すことによってドライヴ感を醸成し、ここぞというところで激しいリズム・カッティングに移行してバンド全体を離陸させる。要するに、ベースの代用、あるいは単なるリズム楽器として12弦ギターを捉えるのではなく、ヨハンセンとマリーンの特異なデュエットを織り上げてゆく三本目の糸として機能させているのだ。ADADADという特殊なチューニングを施しているため、音色面でも通常の12弦ギターとは大きく異なった印象を与えるタッレロートのギターは、唯一無二という点でニッケルハルパおよびヴィオラと完全に対等といえよう。

 この三つの「唯一無二」が奏でるのは、スウェーデンの伝統をどんと土台に置いた、おっそろしく多彩な音楽。それも、ギターのバッキングにメロディをのせ、カウンターメロディを追加するといった安易な方向には決して走らず、ユニゾンを基本として重層的な和声を躍動させてゆくのだから、楽理面での知識の豊富さとセンスの良さも半端ではない。たとえば本作の[2]。タッレロートの浮遊感たっぷりのギターにはじまり、モーダルなペンタトニックのパートAをニッケルハルパとヴィオラがユニゾンで演奏、別のモードで組み立てられたパートBに移ると、メロディをニッケルハルパだけに任せ、ヴィオラはハーモニーと低音部の補強にまわる。あとは、このふたつのパートがリピートされるのだが、リピートのたび、和声が微妙に異なったゆらぎを聴かせている点に注目してほしい。いわゆる長調であることが明快に示される[3]では、ヴィオラがニッケルハルパとギターのあいだを往復し、自らの機能を次々と変化させてゆく様子がより鮮明に確認できるだろう。三者がユニゾンで飛びこんでくる[7]も、ニッケルハルパの1オクターヴ下でメロディを奏でるヴィオラをはじめ、各楽器の音楽的役割分担が確かめやすい。タッレロートは明らかにジャズの経験があるし、マリーンもシェーンベルクとビートルズを同時に愛聴していたというから、ヴェーセンの立体感あふれる作・編曲は、その秘密の根を思いもかけないほど遠く、深く伸ばしているに違いない。
 すでに予定の紙数をかなり超過しているのだが、最後にもうひとことだけ。もし、カルテットのヴェーセンを未だ聴いたことのない方がいらっしゃるなら、まずは『ヴァルデンス・ヴェーセン』を強くお薦めします。本作と同じ堅牢無比のトリオが、強靭なパーカッションによって激しく灼熱し、火傷しそうなほど熱い北の国の音楽を聴かせてくれる。

2003年7月 茂木 健

参考:
The American Nyckelharpa Association (http://www.nyckelharpa.org/info/board.html)

Anders Rosen著『The Nyckelharpa』(http://www.hurv.com/english/articles/nyckelharpa/nyckelharpa-eng.htm)


「ライヴ」ライナーノーツ 

 スウェーデン伝統音楽が生んだ現在最もラディカルでエキサイティングなバンド、ヴェーセンの通算8作目の最新作にして最新のライヴです。
 ヴェーセンのアルバムはすでに5月29日にノルディック・ノーツより本作の一つ前のアルバム GRONT (1999) が発売になっていますし、来月には6作目の VALDENS VASEN (1997) がやはりノルディック・ノーツから発売予定です。ぜひ3枚ともそろえ、このパワフルで変幻自在でしかもやんちゃなバンドの音楽に浸っていただきたい。加えるにアメリカ編集のベスト盤 SPIRIT (1997)を聞けば、このバンドのほぼ全貌が掴めます。このベスト盤には、未発表のライヴやデモ録音も入っており、なかなかのお買得です。
 メンバーの出自、バンドの成立については上記『グロント』の解説で白石和良氏が詳しく書かれているので、そちらをご参照いただければと思います。ここでは簡単に経歴をまとめてみましょう。
 そもそもの始めは1980年頃、十代半ばだったニッケルハルパのウロフとヴィオラのミカエルが出会い、一緒に演奏を始めました。二人はともにウップランドの厚い音楽伝統の中に生まれ、古老たちの奏でる音楽や物語に浸って育ちました。バンド結成の直接の契機は1989年2月、ノルウェイ中部のロロスでの「冬市場」に二人が行ったことでした。この村はスウェーデンとの国境にも近く、「冬市場」とはこの村で200年間続いている一大フェアです。二人はここでギターのローゲルと出会い、意気投合します。
 面白いのは3人の夜通しのセッションを聞いていた人の一人が、朝になって切り上げた3人のところへやって来て、アルバムを録音するなら自分がレーベルを立上げてそれを出そうといいだしたのです。そして翌年、この新しいレーベル DRONE からウロフのソロ・アルバムとして『ヴェーセン』を発表。これがちょっとしたセンセーションを巻起します。そして各地から「ヴェーセン」というバンドを呼びたいという依頼が殺到します。アルバム名がそのままバンドになるのはフリーフォートも同じで、ちょっと面白い。以後トリオとしてライヴを重ね、ライヴを含め4枚のアルバムをリリース。スウェーデン伝統音楽の前衛を担うバンドとしての位置を確保していきました。
 ちなみにレーベルの DRONE は、その後、このヴェーセンのメンバーのソロや他のプロジェクト、あるいはニッケルハルパ関係のアルバムを精力的にリリースしており、現在ではスウェーデン音楽の重要な一角を担う中堅どころに成長しています。
 バンドに転機が訪れたのは1994年にNordman なるロック・バンドがスウェーデンのヒット・チャートを席捲したことでした。ここにヴェーセンが参加していたのです。弦楽器トリオとしては極限ともいえるダイナミズムを達成していたバンドの次の可能性としてリズム・セクションを加えることを考えた彼らは、ノルドマンのベースとドラムスを加えた編成での演奏を試み、いくつかデモ録音も行います。が、結局ロックのリズム・セクションの窮屈さを認識してこの試みはそこで終わるのですが、打楽器を入れることには大いに魅力を感じたのでしょう。この時のドラマーのアンドレーを誘いいれます。
 9歳の時から打楽器を叩き、ベースも達者なアンドレーもドラム・キットだけの人ではありませんでした。アメリカのバークレー音楽院に学んだこともあるかれは、アメリカ大陸ネイティヴの打楽器にも興味を持っており、ヴェーセンでは中近東やエジプトのダラブッカやインドの鐘などの他にエクアドルのバンボ(バス・ドラム)を始めとする中南米の楽器も駆使します。この辺がヴェーセンのサウンドがさらに重層的になるポイントがある気もします。
 ヴェーセンの音楽はオリジナルも含めた楽曲の質の高さ、アンサンブルの妙、掛合いの緊張感、大胆繊細なリズム等々、まさに唯一無二のものですが、それに加えてユーモアの感覚、遊びの精神も重要です。「重要です」などという言い方とは相容れない性質ではありますが、とりわけライヴ・ステージでの楽しさは、コミック・バンドといってもおかしくない、という評価もあるほどで、その片鱗はこのライヴでも伺えます。こうした特質はスタジオ盤ではなかなかわからないかもしれませんが、例えば上記 SPIRIT に収められた、ベース〜ドラムスを加えたトラックなどにも、まじめに冗談をやって遊んでいる様子が見え、ぜひともライヴを実際に体験したいものです。

 ヴェーセンの音楽のユニークさはまずその楽器編成にあることはご覧の通りです。その筆頭は何といってもニッケルハルパでしょう。さきごろ来日したラーナリムでもメインの楽器ですし、ヘドニンガルナなどでも使われ、また、ここでも一曲参加しているノルウェイのアンビョルグ・リーエンも使ったりしていて、わが国でも徐々に知られてきていますが、スウェーデンを代表する楽器でもあり、一言説明を加えておきます。
 形は写真をご覧いただく他ないのですが、フィドルとハーディガーディの中間、ギターのように体の前に抱え、キーでメロディ弦を押さえて音の高低を出します。弓はフィドルの半分ほどの長さ。本体にはメロディ弦の他に共鳴弦がついており、そこで独特の深い響きが出ます。
 14世紀以来の長い歴史を持ち、現在では非常な人気で、こうして若い伝統音楽家たちがこぞって採上げ、それぞれに独自の展開を試みており、スウェーデンのみならず、周辺国やアメリカにまでも演奏者がいます。が、今世紀前半には消滅寸前にまで衰退していました。現在主に使われているのはクロマティック・ニッケルハルパと呼ばれる型で、1930年代にアウグスト・ボーリンが考案したものを1980年になってエリック・ザールストロムが改良しました。ニッケルハルパの劇的な復興と隆盛には、この改良が大きく寄与しているそうです。これによってニッケルハルパはよりフィドルに近い音色が出るようになり、音量も大きくなって、現代的な演奏に耐ええる楽器に変身しました。このザールストロムさんはウロフの師匠の一人でもあります。
 ニッケルハルパについてはラーナリムのファースト『太陽が昇るまで』(ノルディック・ノーツ)のライナーでも触れましたので、そちらもご参照いただけると幸いです。また英語ですが、以下に詳しい説明や歴史の解説が、図版付であります。
http://www.nyckelharpa.org/info/

 2曲でゲストが参加しています。[04]にフィドルで加わっているのは若手フィドラーとして頭角を現しているデュオ、ハルヴで、二人のフィドラーはマグヌス・スティネルブムとダニエル・サンデン=ヴァルグ。 "Harv" は畑の土をならす道具で、英語では "harrow" のこと。同時に、スウェーデン語では非常に強烈な体験を意味するそうです。かれらのアルバム MUST (2000) では二人はヴィオラ・ダ・モーレを中心に弾いていて、ローゲルもギターでサポートしています。ともにまだ20代前半ですが、音楽高校以来の仲で、息の合った、活きのいい演奏を聴かせます。マグヌスの父親はリーナ・ヴィッレマルクの名を高からしめた名グループ、グルッパの初期メンバーであり、彼自身ヘドニンガルナのメンバーでもあります。
 二人ともスウェーデン西部の出身ですが、ダニエルはスウェーデン人としては珍しくハーダンガー・フィドルの名手でもあり、本場ノルウェイでの評価も高い由。彼はまたニッケルハルパも達者です。
 
 そのハーダンガー・フィドルの若手ナンバー1奏者で[07]に参加しているアンビョルグ・リーエンは、こちらもすばらしい最新のライヴ『エイリアンズ・アライヴ』がTHE MUSIC PLANT/KORUNA MUSICから出ています。この曲自体、アンビョルグのソロ5作目FELEFEBER (1993) からのものです。

 収録曲の初出を記しておきます。[01][02][05] [08] がライヴ時点での最新スタジオ盤 GRONT からの曲。[03]が4作目 LEVANDE VASEN (1995) から。[04b][06][09]が7作目の WHIRLED (1997) から。[04a][10]がここでの初収録です。
 個々の曲についてはとにかく聞いていただければ充分でしょう。一曲だけ、[04b]はフランスのリヨンのある毛皮店で、フランス語の辞書がなかったために起きた大変な誤解についての曲、と WHIRLED のノートにあります。
 

2002年皐月
大嶋 豊