新作早くも登場!「キード・アップ」

すみません、なんかディスコグラフィーのページには、書ききれない事が沢山あるので、ここに書きます。
皆さん、あきれないで、時間がある方は、ぜひぜひ読んでください!

実は「トリオ」に続く新作をすぐ作るという話は、先の来日時(4月)にもう聞いて知っていたのでした。そしてそれをメンバーから聞かされた私の反応は、ライナーでアメリカのNorth Sideのロブが書いているライナーとまるで一緒です。新曲は「ハッセ」しかないやんけー。いったい何をレコーディングするっていうんだよー? 
伝統音楽バンドの新作の場合、だいたいはライブを重ね、アレンジが固まった段階で新曲を録音するというのが、常であります。ステージ上でアレンジを練りに練って行く。だからレコーディングが開始されてラフミックスがメンバーから私のもとに届いた頃には、半分以上の曲はすでに自分の知っている曲だったりする。

だからヴェーセンについては、メンバーが日本に到着したとたん「6月にレコーディングをするんだ」というを聞いた時は、びっくりしました。新作が出る、それは非常にうれしい! でも何をいったい録音するのよ。そして、つまり、それって、すぐ日本にまた来る、ってこと。つまりまたライブを作れってこと? 時間がなさすぎるーーーーっ。いったいどうなっちゃうんだーーーっ。やっぱり外タレの来日は少なくとも18ケ月開けた方がいいと思うんだけど、そのヘン、どうよ? 9月に新作ってことは、そしたら年内にまた来るってこと??? 日本に来すぎだよーそれじゃあ!! 

あぁ、でもそんな理屈を言っても仕方ありません。新作が出るなら、日本先行発売にしたいし、そうなると絶対にツアーも組みたいし。でも前回の来日(4月)の余韻をもう少し味わっていたのも事実(笑)。

そしてレコーディングが終わり、ラフミックスが終わり、6月の最終週ごろローゲルから届いた1枚のCDR。音を聴いたとたん、もういろんな雑念はふっとびました。「これはいける!!」と一発で思いました。「いや、これはすごい、すごすぎる!!」まさにそこには4月のステージで見せてくれた以上のヴェーセンが存在していたのです。

レコーディングの秘密は、これまたロブのライナーを読んでもらうとして、いや、ほんとツアーが楽しみになってきました! いや、トリオ・ヴェーセン、実に、今、乗りに乗っている!としか言い様がありません。誰も彼等の勢いをとめることはできません!! そのくらい、ほんとにこの新作はすごすぎます!!

そうそう、以前、ヴェーセン日記に私は書きました。「トリオ」はポップな作品じゃない。だから売るのが難しい、と。例えばアイリッシュの中でも、シャロン・シャノンのCDなんかはものすごくポップです。試聴機で聞いて一発でその魅力がわかる。ヴェーセンは違います。そうです!! 今作もポップじゃありません(笑)。

だから、もういいっ!って感じです。分からない人にあえてこれをわかってもらおうとは思いません。そしてそう簡単に分かってたまるか、という気持もある。複雑です(笑)。でもヴェーセンファンの方には、私の言う意味が分かってもらえますね。そう、私はこの音楽に200%の自信があるんです!!! もう誰がなんといおうと、この音楽は最高なんです。もう売れようが、売れまいが、そんなことは全然関係ないんです!!

そしてその約2週間後、これまた予定よりも3週間以上早く(あぁ、この段取りの良さをアイリッシュの連中に教えてあげたい)今度はアートワークがあがってきたのです。アートワークっていうのは、つまりジャケット、ブックレット、そして写真素材類、クレジット類です。

実はミッケがこのフォトセッションを行う数日前にメールをくれたんです。「アルバムジャケットはどんなのがいい? 僕達が写っているもの、それとも写っていない方がいいかなぁ?」あぁ、なんて可愛いミッケ(笑)。日本のマーケットの事も気にしてくれているのね!!

私は日本でのマーケティング調査のもと(笑)、絶対に楽器を持っているメンバーの写真がいい。間違っても景色の写真なんかにしないでくれ、と。そしたら、こんなジャケットになったのでした。いや、でもこの路線だったら、いっそ楽器も持ってなくても良かったかも(笑)!! 忘れていたけど、ヴェーセンはコミックバンドだったのでした! ちなみにこのアルバム、裏のトレイを見ると、今度は小さい椅子に無理矢理すわった3人の笑顔が。そういやケンソーや、ティポグラフィカも、ファーマーズ・マーケットもある意味コミックバンドだしなーーっ! あ、話題がそれました(笑)。

いや、ほんと、彼等にいっぱいくわされた、というか、なんというか、私はもう完全にノックアウトです。こんなバンド、他にいません。私がもし自分が楽器がうまくて才能があったとしたら、こういうバンドを作ってたと思う。もう最高の音楽。音楽ってこうじゃなくっちゃ。

まず今回の作品の特徴をあげるとですね、とにかくミッケ大活躍!!!!なんです。ヴィオラがすごい。今回はミッケを自由に泳がせて成功した、という感じじゃないでしょうか。とにかくミッケ、炸裂してます!!! 曲も一番多く提供しているのも、ミッケ。9曲、実に3/5書いてるって事ですね。そしてウーロフ4曲、ローゲル2曲という割合です。

そしてライナーにも茂木さんが書いてらっしゃるように、来日時のアドリブのインタビュー記事にもあったように、全員がフロントにたって、ものすごい集中力で音楽に向かうことで、できているのが、ヴェーセンの音楽なんだ、と。計算されて作られているように見えたそのすべてが、実は偶然の産物なんだ、と。

つまりそれだけ各メンバーがものすごい才能だっていうことなんです。中途半端な才能じゃない。ものすごい才能なんだということなんです。
考えてみれば、こんな複雑なこと、頭で考えてたって、いくら練習したって、できるもんじゃないもん。

ケンソーの清水さんが言っておられた「まるで一匹の生き物のような音楽」って、まさにそれだと思う。

ヴェーセンの音楽は、アメーバみたいに常に形を変えている。茂木さんがベストのライナーで「ねじる」みたいないい方もしてたけど、そんな感じ? 光りの当たり方によって全然違って聞こえる感じ? だから聞くたびに自分の耳がどこを捕らえるかによって、ぜんぜん違ってきこえる。そしてどこを捕らえても、充分素晴しく、美しく、そして楽しい。

さて、下記は1曲ごとの私のコメント。

1.  Bjorkbergspolskan ウーロフ作
ウーロフのこういう楽曲は、ほんとに安心して聞いてられる! すごいヴェーセンっぽい。最高。1曲目にもってくるにもピッタリの曲。

2.  Glada polskan (The Happy Polska) ミッケ作
出た〜っっ!!! ミッケのヘンなトラック2。これはくろうとウケしそう!! 茂木さんとか好きそうだな。私には理解不能(笑)、そこがまた楽し(笑)

3.  Polska pa overvaningen (Polska Upstairs) ウーロフ作
あぁ、なんて悲しいメロディ。しっかしウーロフはやっぱり天才だと思う。

4.  Hasse A's ミッケ作
おなじみハッセ! 前回の来日時に毎回やってましたね。でもライヴ時よりスピード20%増。速いです。 

5.  En gratis (One for Free) ミッケ作
これもいろんな意味で、すごくヴェーセンっぽい。ニッケルハルパとヴィオラの絡みが妙にセクシー。

6.  Antons forsta (Anton's First) ローゲル作
ローゲルの曲だけあって、ローゲルのギターがものすごく決まっている。

7.  Lille Vilgot (Little Vilgot) ウーロフ作
これまた可愛いメロディ。ちょっぴりクラシカル。

8.  Bromanders 100-ars polska (Bromander's 100-Year Polska) ウーロフ作
何度も聞いていたら、この曲が一番アルバムの中で好きになってきました。3ラウンドめのふくらんだコードが、本当にたまりません!!! たーーーーーっ、もうヴェーセン、うますぎ!!! 特にヴィオラ最高!!

9.  Stinas polska ミッケ作
奥さんのために書かれたという割りには、えらい悲しいメロディのポルスカ。

10. Flippen (The Flip) ミッケ作
はっゃーーーーーーーーーーーーーい!!! 超高速ポルスカ。ライヴで盛り上がりそう。

11. Appallachen/Polskejiggen (Appalachian/The Polska Jig) ミッケ作
いや、たいしたもんです。ミッケ。これはInterestingという意味で、すごくおもしろい。

12. Fallandepolskan (The Falling Polska) ローゲル作
バロック的な響きも持つ、ローゲルの作品。美しい。大傑作。

13. Nipponpolka ミッケ作
ニッポンポルカ!!! 詳細は茂木さんのライナーをお読みください。

14. Calles vals ミッケ作
ミッケが書いたケルトのワルツ。最初ローゲルからクレジットも何も入ってないCDを貰った時「これ絶対にローゲルが書いたでしょ!」とローゲルにメールしたら、ハズしてしまった(爆)。フィル・カニンガムにも匹敵するメロディの美しさ。

15. Tometen kommer (Santa's Coming) ミッケ作
これまたライブの定番になりそうな1曲。いや〜すごいね。
 

いや、ほんとバンドがノリにのっているこの時期に、このバンドに出会えたことを非常にうれしく思います。
ヴェーセン、最高!!! もう言うことないっす!!!! これ以上の音楽は、もはや考えられません!
あぁ、この発言をいつか超えるようなものに出会えるんだろうか。ちょっと寂しい気もします。
って何のこっちゃ。すみません、よくわからないコメントで。

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