TOKYO-FMさん、およびMUSICBIRDさんのご協力で、今回、ヴェーセンが出演した「トランスワールドミュージックウェイズ」の実況レポートを掲載できることになりました。番組を聞けなかった皆さんも、ぜひご一読あれ!
トランスワールドミュージックウェイズ

DJ:田中みどり
放送日:2004年4月18、19日

Music 1. Bambodansarna

田中みどりさん(以下 田):トランスワールドミュージックウェイズの時間になりました。今日はスタジオに素晴しいお客様をお迎えしておりますよ。それもスウェーデンから初来日された三人組みの方々なんです。ヴェーセンの皆さんをお迎えしております。Welcome to Tokyo-FM! 

ヴェーセンの3人:Thank you very much.

田:通訳はいつもの染谷和美さんにお願いします。

染:よろしくお願いいたします。

田:あの〜皆さん身長がすごく高いんだけど2m以上ありますか?

ウーロフ(以下O):そうだね、2mに近いよ。

田:ヴェーセンに入るには身長が190cm以上ないとダメとか?

ローゲル(以下R):そう、それが条件なんだよ。

田:(笑)MUSIC PLANTの小さな野崎さんが3人を引率してつれてきてくれたんだけど、ちょっと不思議な光景でしたねぇ(笑)スタジオの天井に頭がつかえちゃいそう(笑)

R:そうだね、彼女はほとんどヴェーセンのメンバーみたいなもんだけど、もうちょっと背がのびないとね。

田:50cmは差がありそうですね。ところで私はスウェーデンの音楽家の方にインタビューするのはこれが二度目なんです、実は。イエラン・セルシェルっていう、クラッシクギターのアーティストで、ビートルズナンバーを録音した方だったんですが。

R:Oh wonderful!

田:そしてヴェーセンの皆さんは、不思議な楽器を持ってらっしゃるんですけども・・その前に、お一人ずつお名前を言っていただいてよろしいですか? スウェーデン語の発音は難しいので。

O:僕の名前はウーロフ。

田:ニッケルハルパを演奏されているウーロフさんですね。

R:僕の名前はローゲル・タッレロート。

田:12弦ギターを演奏されてますね。

ミカエル(以下M):ミカエル・マリーンです。

田:ヴィオラのミカエルさんですね。ギターとヴィオラとニッケルハルパ。ニッケルハルパというのは・・ヴァイオリンをギューッと延ばしたような感じで、そしてさらに不思議な・・これはなんというんでしょうか。Keyといったらいいんでしょうか?

O:キーと呼んでいいと思うよ。ニッケルというのが名前なんだけど、キーを押すと小さな突起がでているんだけど、それが横から弦を押さえるような形になる。で、このキーが弾く時は下向きになっているので押し上げて使うんだ。で、戻す時は、ほおっておけば重力で勝手にさがるだよ。

田:ほぉ〜、なるほど。これはスウェーデンに昔からある楽器なんですか?

O:そうだよ。だいたい700年くらい演奏されているとても伝統的な楽器なんだ。

田:そうなんですか。とっても綺麗な楽器なんでね、(ラジオだから)皆さんにお見せできなくて残念なんですが・・あの、皆さんはどうやって知り合ってバンドを作られたんですか?

O:ずいぶん若いころからお互いのことは知ってたんだよ。スウェーデンの北西部のウップランドという同じエリア出身だったし、それぞれに伝統音楽を演奏していたから。一緒にバンドを結成したのは、ウインターマーケットというノルウェーの山奥でやったフェスティバルで、僕らはホリディハウスを借りて、沢山のスウェーデンのミュージシャンで集っていたんだ。で、僕がローゲルに「僕のニッケルハルパと12弦ギターで演奏してみようよ」と声をかけたんだ。

R:だけど僕はシャワーを浴びるために、列に並んでいる最中だった(笑)。でもシャワーが満杯だったから、シャワーの順番待ちの時間の間、ウーロフとちょっとやってみようかと思って。だからほんと偶然なんだよ。

田:それが89年くらいですか?

O:うん、そんな感じ。それで一緒にやってみて、すごくノッたので、何時間にも及ぶ演奏になったんだよ。そしたら側で聴いていた人の一人が「こんなにすごい音楽は聴いたことがない! 僕はこれでレコード会社を始める!」って言い出して、で、実際レコード会社を作っちゃたんだよ。そして僕らはミカエルに一緒に入るように言ったんだ。こうして最初のCD「ヴェーセン」が出来た。そんなふうにバンドが始まったんだ。

田:ヴェーセンってどういう意味なんですか?

M:たくさんいろんな意味があるんだよ。何か本質のようなものというか・・。

R:すごくマルチな言葉で命、精神、それから音、ノイズといった意味もあるし、それに税金システムのこともそう呼んだりするんだ。なんというか、世の中に存在するもの、組織だった物事のいい意味での本質、みたいな・・すごく英語に訳すのが難しいんだよね。

O:英語にぴったりあてはまるようなダイレクトな言葉がないんだよね。

田:そっかー、深い意味があるんですねぇ。さて、ニッケルハルパ、ギター、ヴィオラ・・弦の数からいくと全部で何本くらいあるのかな・・弦勢ぞろい!っていう感じですが、スウェーデンの国内では、パーカッションの人も一緒にやってらっしゃるって聞いたんですが。

R:そうだね。94年から時々パーカッションを加えたカルテットの形で演奏しているんだ。今のヴェーセンには、2つの顔がある。一つはトリオ。もう一つはカルテット。(パーカッショニストの)彼は最近ツアーをしたがらないだよね。でもそれがかえって今は好都合で、最新アルバムはトリオで作ったし、アメリカを中心にスウェーデン国外でも、たくさん演奏のためにツアーしているからね。だから、この最新作「トリオ」はアメリカの会社が作って、スウェーデンにライセンスバックしている状態なんだ。本来だったら逆なんだけどね。

田:なるほど。最初に聞いていただいた曲は「ザ・ヴェリー・ベスト・オヴ・ヴェーセン」というアルバムの中からだったのですが、では次の曲は「トリオ」から。曲を紹介していただいていいですか?

R:次の曲はミカエルが書いた曲で「Mitt i Livet」人生の半ばでという曲だよ。これは・・ワルツだよね?

M:そうだよ。これは僕の奥さんのお姉さんが40になったお祝に書いた曲なんだ。

R:そう、だからこれはバースデイ・ワルツなんだ。

M2:Mitt i Livet

田:ニッケルハルパの余韻がすごく響いてましたけど。とっても伝統的な音楽にもきこえるし、まさに現代的な音楽にも聞こえるんだけど、皆さんは、もともと伝統的な音楽をやっていたんですか?

R:そうだね、そう言っていいと思うよ。僕らが新しく作曲した曲もすごく強く伝統音楽に根ざしている。奏法、装飾音の入れ方、フォーム、演奏のエネルギーとか、そういったものも含めて、すごく伝統音楽の影響は大きい。そういう事が、僕らの音楽を通じて伝わっていたらうれしいな、と思う。コンテンポラリーでありたい、同時に伝統的な部分も踏まえたいというのが、僕らの二つの重要な点なんでね。

田:日本なんかは、最近伝統的な音楽が、改めて発見されているような感じってあるんですけど、スウェーデンではどうなんでしょうか? トラディショナルなものに対する皆の興味みたいなものは、ずいぶん前からあるんですか?

O:スウェーデンでは、かなり浮き沈みがあるんだ。ずっと昔は楽しむための音楽で、踊ったりするときの伴奏という事でしかなくて、で、70年代になって大きなリバイバルがあり、それが80年代にまた落ち込んで・・

M:80年代の頭だよ。で、それからまた最近盛り上がってきた、って感じだね。

O:うん、そうだね。だから浮き沈みがあるよね。

田:ミカエルさんは、クラシックの音楽も勉強をされたって聞いたんですけど、今もクラシックをやられているんですか?

M:そうだよ。できるだけ沢山のことをやるようにしているんだ。オーケストラでも演奏するし、室内楽とか、古楽もたくさんやっているし・・。

田:なるほど。スウェーデンの伝統音楽の魅力はどういうところだと思います?

R:魅力?

M:ないよ(笑)

全員:(笑)

R:そうだねぇー、少なくとも僕をひきつけるものはね、メロディが端的で、何度も繰り返す形が多いから、キャリアが浅いミュージシャンでも、ほんとうに多くの人と一緒に演奏できる、音楽で社交ができる、ということがあげられるね。それは多くの人にとってもそうだと思うよ。習いはじめた初期段階から、他のミュージシャンと一緒に演奏できるってことは魅力だね。で、そうして、いろいろ学ぶにつれて、さらにまた次々と新しい発見がある、ということ。やればやるほど、こなしきれないものが出てくる。レベルに応じて、まだまだやる事が見つかる。今だに僕らも伝統音楽とどう向き合うか、常に学んでいるんだ。だからいつも伝統音楽に立ち返って、演奏するというのは、すごく意味のある事なんだよ。それはものすごく複雑な音楽であると同時に、すごく単純なものでもある。

田:さて、今日は楽器も持ってきていただいているので、ここで生演奏を聞かせていただけたら、と思います。それじゃ、ご準備いただいて・・それではよろしくお願いいたします。

R:何、演奏しようか?

O:まずミカエルが最近書いた曲で、まだレコーディングしていない曲なんだけど、「ハッセの60才のポルスカ」

M3:Hasse's 60 ars polska(生演奏)

M4:Sangpolska efter Byss-Calle(生演奏)

R:次はスローワルツです。

M5:Josefin's Dopvals(生演奏)

田:いや〜、なんか故郷に帰ったような、熱い思いが込み上げてくるような気がしました。どうもありがとうございました。ヴェーセンの皆さんに、演奏を3曲していただきました。ほんと、このトリオっていうのは、すごく低音がきいた・・なんというか、重心が低いところにもある、というか。すごく音に厚みがありますねぇ。

R:そうだね、伝統音楽におけるギターというのは、通常もっと高いんだけど、僕としては、僕らにはベース奏者がいないから、その分低音をきかせた音を出せるように、自分なりに工夫してきたんだ。そしてニッケルハルパとヴィオラというメロウなサウンドにあうようにしてみたんだよね。で、同時にすごく高い音も出している。ニッケルハルパはすごく高い音も出せるからね。だから3人編成の割には幅広い音を出せるようにしている。

田:なるほど。さてトリオの意味がわかったところで、今日は皆さんスウェーデンから来た、ということで、白夜の国の暮しっていうのは、どんな感じなのかな、と思いつつ、あまり時間もないので・・お酒がね、すごい強いお酒があるでしょう? 相当飲まれるんですか?

M:時々、たま〜にだよ。

R:他の外国から来たミュージシャンにくらべると飲まない方だと思うよ、たとえば・・

M:アイルランド人!

全員:(笑)

R:そう、アイリッシュとか、たとえばドイツ人とか、たとえば・・

O:どこの国に比べても、そんなに飲まないよ!

R:でも、僕らはスウェーデン人のあまりいいサンプルじゃないかもしれないしな。

田:そっかー。でも楽しくなっちゃうお酒ですか?

全員:はははははは。

R:咽がかわくときは、けっこうガブガブ飲んじゃうけどね。まぁ、飲み癖は問題じゃないよ。ただ飲むにあたってお酒の値段が高い事が問題だな、スウェーデンでは。アルコールにかかる税金がとても高いんだ。バーとかレストランで飲もうと思うとすごく高い。だからお酒は自宅で作るという強い伝統もあるんだよ。

田:なるほど! 日本で飲みだめしていってください。

R:YES。僕ら全員、日本酒がとても気に入っているだ。

田:あと典型的なスウェーデンのイメージというと、私は子供のころから「フリーセックス」というのがあるんですけども。

全員:はははははは。

O:うーん、それは違うと思うなぁ!

M:そんなの今までぜんぜん気がつかなかったよ!

R:そりゃーワイフしだいだろ。どこの国でも一緒だけど、仕切っているのは女性の方なんだよ。

田:という、楽しいヴェーセンの皆さんですが、ではもう1曲「トリオ」というアルバムの中から、この曲を紹介してください。

R:これは二曲のウップランド地方に伝わる伝統曲をセットにしたもので「Hejsmanpolketter」。Polketterは、すごく明るい曲で、演奏するとハッピーにならずにはいられない曲だ・・少なくとも僕らにとってはね! そしてHejsman、カール・ヘイズマンはクラリネット奏者だった。このPolketter、
ミカエルはいつポルカがスウェーデンに伝わったのか知っているんだ。

M:YES。ポルカは1842年の7月7日に伝わったんだよ!

M6:Hejsmapolketter

田:今日はスウェーデンから初来日されたヴェーセンの皆さんにおいでいただいて、素晴しい生演奏も聞かせていただきました。今回初来日だったわけですけど、またすぐいらしてくださいね!

R:本当にこのツアーは楽しかった。僕らを呼んでくれたヨーコにお礼を言います。

田:今日は本当に楽しい演奏、素敵な時間、ありがとうございました。またぜひお会いしたいと思います。


(ここからミュージックバードのリスナーの方のみ)

田:楽しいポルカを聞いていただいたところで、今日はトランスワールドミュージックウェイズ、スウェーデンからいらっしゃったヴェーセンの皆さんにおいでいただいてお送りしてきました。FM放送をお聞きの方はもうお別れしてしまいましたが、ここからミュージックバードをお聞きの方のためのおまけということで、3曲お送りいたします。では、曲紹介していただきましょうか。

R:この曲はウーロフが書いた曲の一つで、「Sald och solde」。

O:フランスのリヨンで大きな毛皮市があった後に書いた西スウェーデンのポルスカスタイルの曲なんだよ。そして次の曲が僕の娘のために書いた曲。寝かし付けるために書いたんだけど、どんどん曲が伸びちゃって。

R:最後の曲はハンガリーのホテルで、ウーロフが背中のマッサージをしてもらっている間に、僕とミカエルで書いた曲。

田:ヴェーセンのみなさんでした。ありがとうございました。

ヴェーセン:ありがとうございました。

M7:Sald och solde

M8:Claras Vals

M9:En Timme i Ungern

協力:TOKYO FMMUSICBIRD
 (問合せ:03-3261-8180 ミュージックバード)
 


VASEN HOME PAGE

KORUNA MUSIC HOME PAGE

THE MUSIC PLANT HOME PAGE