| OAK TREE RECORDS 対談ページ 3
T:五十嵐 正 A:荒田 光一(敬称略) 第1回:男性シンガー/ソングライターは何故売れない? 第2回:ポール・ブレイディとアイルランドの男性シンガー/ソングライター 第3回:パブ・ロックとは何か〜スクイーズ〜途中ロビン・ヒッチコック〜その他 第4回:ロビン・ヒッチコック 第5回:ロビン・ヒッチコック〜グレン・ティルブルック来日レビュー 第6回:ブー・ヒュワディーン「ハーモノグラフ」 第7回:ロビン・ヒッチコックの来日を振り返る 第8回:ロビン・ヒッチコック&ザ・ヴィーナス・3「オーレイ!タランチュラ」 第4回:ロビン・ヒッチコック さて今回もまとまっていませんが、前回にくらべ盛り上がった、盛り上がった(笑)。充実の内容をお楽しみください。 T:荒田くん、ロビン・ヒッチコックって、もしかして日本で人気ないんじゃないのか? A:ないでしょう(笑)。あると思ってました? T:いや、93年の来日の時のことはあんまりよく覚えてないんだけど、人はそこそこ入っていたように記憶しているんだよ。 A:最初は全然お客さんいなかったんだけど、最後のほうになったら結構いたな、という印象がありますね。 T:格好はついたんだよね。あの時クアトロだったよね。だからチケットは最低2~300は売れてただろ? MP:小さい頃のクアトロですよね? トイレがおなじ階にあった? T:93年だから・・きわどいところだよな。いや、ミクシィのロビン・コミュにさ、僕がいち早く最新情報書き込んでいるのに、予約しましたって反応が1人くらいしかないのはどういうことよ! A:さぁ(笑) MP:はははは(爆笑) T:まぁ、あそこのコミュは30人とか人数少ないんだよね。みんなさほど熱心なファンじゃないのかねぇ。まぁ、管理人が「あまり詳しく知りませんが、よろしく」って書いてたくらいだからなぁ。 A:ミクシィのコミュニティに参加してるからって、そうそう熱心なファンばかりじゃないでしょう。ロビンに限らず、とりあえず入っておこうかくらいのもんでね。管理人がトピックを立てたり、話題をふったりしないと盛り上がらない。 MP:へぇー、それって登録しないと見れないんですか?(←まったくの無知) T:あぁ、じゃあ洋子ちゃんところに招待送るわ。みんなで盛り上げよう! MP:それって何でもトピックは、ありなんですか? A:何でも! アダルトものもあるし、良俗に反するものでなければ基本的には何でもありだと思うけど。自分の好きなコミュニティを作るのも自由。 T:アメリカで、My Space comってあるの知らない? MP:メーリングリスト・・・ではない? 掲示板タイプのコミュニティですか? T:お互いの日記を公開する、とかあるんだ。 A:ブログみたいに日記やジャーナルを書いたりとかね。公開されているものには自由にコメントをつけることもできる。 T:日本のミクシィは、あぁいう感じだけど、アメリカのMy Space Comは、My Space Com Musicがあって、そこを利用してプロモーションしているそこそこの知名度のアーティストとかもいるんだよ。 MP:ふーん。 A:インディーズとかのプロモーションでよく使われているね。 T:メジャーのアーティストは、ファンがやっている事が多いんだけど、どうやらエイミー(・マン)のところはマネージメント・サイドがやっているみたいんだよな。 MP:そういやエイミーの今回のCDは、よく出てますねー、売れてるんじゃないですか? T:あ、そうそう、僕がとってきたエイミーのグレンの応援コメント、おたくのホームページに載せといてよ。今、エイミー人気なんだからさ。 MP:あ、すみません! ありがとうございます。すぐやります。しかし今度の新作は本当によくレコード店に並んでる。 T;エイミーはやっぱり「マグノリア」以来、知名度のレベルが少し上がったからさ。ま、あとルックスがいいし。いろいろね・・・。いや、だから、ロビンが人気が無いのが、わかんないんだよ! だってね、日本でロックの人気を支えてきたのって、大体イギリス人のちょっと知的で、ちょっとエキセントリックで、ルックスのいい、スラっとした・・・ああいうのが、日本のロック・ファンの若い女の子は大好きで追っかけたりして・・。そういうのが支えてきたと思うわけ。ロビンもそういう女の子のファンは、ずっとついているはずなんだけどな。 A:いや、それにはどうなんだろう。ちょっと難しすぎたのか、不気味だったか、トゥー・マッチだったのか。 T:だって、それこそジュリアン・コープとかにだって、熱心な女の子ファンがいたと思うんだよ。 MP:今日の対談、めちゃくちゃ内容いいですね(笑)。 A:ジュリアン・コープは、来日公演もそこそこ話題になったし、日比谷野音ではルースターズとジョイントしたり、わりと頻繁に来ていた記憶がある。認知度は高いですよ。 T:ジュリアン・コープだって、すいぶん変じゃん? でも、実際に追っ掛けとかたくさんいたんだよ。 最近はどうなのかなー。例えばさ、女の子が大学や短大を出て就職する前に、英語の成績が良くって、ロック好きな女の子がさ、ロンドンにしばらく移住するってのが多かったんだよ。で、何しに移住するかっていうと、なんかの機会でそういうアーティストとかと、お友達になれないかなー、と思っているわけ(笑)。 確か「Record Mirror」誌の記事に昔載ってたんだけど、ジュリアン・コープ曰く「日本人の女の子の追っかけがいてね。日本の子たちは俺たちみたいにちょっと不健康で青白くって、ちょっと知的に見えるロック・ミュージシャンが大好きなんだよ」って話して
MP:えーーー、ロビン、まさにそうじゃん! T:だから、ロビンだって、それにピッタリなわけだよ! 今や年齢が大分いってしまったけど。 A:知名度が断然違いますよね。 T:そう。今から若いファンについてくれとは言わないけど、80年代とかに・・・いなかったの?(笑) そういうの? A:いやー、ジュリアン・コープはエコバニのイアン・マッカロクと同じく70年代末〜80年代初期のリヴァプールのシーンから出てきたってことで、より多くの光が当たったと思うんですよ。その時点でロビン・ヒッチコックは失敗したんです。ちょうど彼は引きこもっていた時期だったし。 T:ロビンって、そういうコネクション的なところとか、ないもんなぁ。我が道を行っているもんなぁ、ずっと。 MP:うわ〜、それ、めちゃくちゃほめられていると思う(爆笑) A:根っこがディラン、シド・バレットだから。 T:なるほど。 A:A&M時代はけっこうポップなバンド・サウンドでしたけど、A&M時代はビートルズで、ワーナーに移籍してからはディランになったって言っている。 MP:その説明分かりやすい! A:ワーナーの時は、本人もすごく居心地がよくって、アーティストとして100%信頼されて、何作ってもオッケーみたいな環境だったらしい。ただ、プロモーションをちゃんとしてくれなかった、と後からロビンは不満を口にしているけどね。 T:今の活動も、その(ワーナー時代の)延長線上だもんね。 A:逆にA&Mはすごくプロモーションしてくれたらしいんだけど、ワーナーは全然ダメだったって。 T:実は、僕はロビン・ヒッチコックA&M時代コレクターだからさ! ほら、プロモ・シングルとかいっぱいあるんだぜ!(と袋の中を見せる) MP:うわ〜、すごいーー。写真を撮らせてください。 A:それだけ、プロモーションをしてたって証拠だな。日本盤もA&M時代は、いちおう全部出てましたよね。 MP:あ、それ和久井さんが言ってた。けっきょくロビンって日本盤が出ている数が少ないから、知名度が欧米にくらべて低いんだ、って。 T:まぁ、そりゃそうだね。 A:日本盤が出ないと音楽雑誌も取り上げないし。 T:和久井とかさー、自分のレコードもいいけどさ、(彼のレーベルから)ロビンのレコード出せば良かったのに! (録音しているテレコのマイクに向かって)ごめんね、和久井。 MP:和久井さん、この前会った時、五十嵐さんに会いたがってましたよ! A:(昔のクロスビートの記事を出す) T:お! これ誰がインタビューしてるの? A:森田義信さん。たぶん初来日の直前だね。 T:おぉ! フーターズが表紙だよ。 A:日本盤が出た頃って、これくらいしかインタビュー記事って見たことなかったんだよなー。あとはマガジンとかもやってたかもしれないんだけど。 MP:おぉ〜この記事いいですね。魚とかちゃんと出てくるし。 T:そういや、どっかにあるあるって言って、やっと見つけたのに、今日持ってこなかったんだけど、なんだっけ・・ロビンが表紙の・・・・ A:あ、「MAGNET」誌? T:そうそう! エキセントリック・アーティスト特集で、ロビンが表紙なんだよ。そのインタビューを読んでたら、魚とか昆虫とか歌っているんだけど、別に何のメタファーでもない、って言ってた。ヴィジュアル・イメージをそのまま歌っている。だから魚とかがメタファーだと思って、歌を解釈してもらわなくていいって言ってたんだよな。 MP:あ、それ、たしかItalian Book(「Robyn Hitchcock: A Middle Class Hero」/ロビンのホームページで購入できます)でもそう書いてあった。 A:言ってた、言ってた。 T:なんだ、いつも言ってんだ、なんだ(笑) MP:いやいや、こういうのをここで紹介しておかないと、みんなに知られないから。 T:だからさー、ロビンは知られてないんだよ。どうする? これ、おかしいよなぁ! 絶対。 A:あのワーナーのベスト盤(「Uncorrected Personality Traits」)も、たしか五十嵐さんが翻訳やったやつ? あれもけっきょく輸入盤でしょ。 T:そう、輸入盤に僕の訳したライナーを入れた・・・あ、しまった、それをコピーしてあげようと思ってたのに、持ってくるの忘れた・・・だからあれは93年に来日した時に出したんだよ。 A:え? そうでしたっけ? もっと後じゃない? T:そうでもなきゃ出さんだろー・・・いや、違うか。もっと後だ。97年か。そう考えると、なんで出したんだろうね、不思議だよね。これもRhinoの編集盤だし、新作を出すメインのA&Rの部署じゃなくて、特販みたいな所から電話がかかってきて、訳してくれませんかっていうんで、それでやったんだよ。あれがいいのはね、ロビンが全曲解説しているところなんだけど、もう一つは熱心なファンがみんなコメントしているんだよ。愛情を訴えているんだよ。 A:面白いコメントがけっこうあったね。たしか魚や鳥の入れ墨(ロビンのレコードに使われているロゴ)を入れている、とかね。自慢と偏愛のオンパレード。 T:僕がいいなぁ、と思ったのはね、(LAの)West WoodのRhino Recordsの店でさ、あるファンがレコード見てたら、店内でロビンの曲がかかったらしいんだよ。そしたら、そいつは「この瞬間にこの音源を手にいれるためなら、腎臓を売ってもいいと思った」だって! 全員:(爆笑) T:「腎臓を売ってもいいと思ったけど、幸いにRhinoは腎臓でなくてお金を取ってくれた」というコメントなんだけどさ。いいだろ? これなんか、やっぱりロビンの熱心なファンらしいよなぁ。そういうコメントが沢山あるんだよ。 そういやロビンが、ワイト島に住んでた時、ファンを集めてバスを貸り切って、みんなでワイト島を回って歌って、ってのをやったらしいよ。そしたら乗り遅れたやつとかがいて、待っていたそいつのためにまたロビンは歌ってやった・・そういういい話がいっぱいあるらしいよ。 A:そうそう、しばらくワイト島に住んでいたんですよね。どこだっけ、あとワシントンDCでしたっけ、1年くらい住んでたことがあるってのも聞いたことある。 T:まぁ、アメリカのほうが売れているからなー。しかしロビンは、圧倒的に荒田くんの方が詳しいよね! A:いや、どうかな。けっきょくソフト・ボーイズのところから聞いている人って、僕の周りでもそんなにいなかったりする。 T:ソフト・ボーイズって現役で買った? A:当時はソフト・ボーイズって名前しか知らなかった。僕がロビン・ヒッチコックを最初に知ったのってキャプテン・センシブルなんですよ。キャプテン・センシブルのA&M時代、トニマン(トニー・マンスフィールド)がプロデュースしている最初の2枚。あれってロビンが数曲、歌詞を書いているでしょ。ギターも弾いてたかなー。 T:あ、そうなのか。 A:ロビンが書いた「Brenda」とか、結構いいんですよ。一番ヒットしたのは有名な「Happy Talk」のカバーかもしれないけど。あの時代って、ちょうど最初のソロとエジプシャンズの狭間なんですよ。日本盤なんて、当時全然出てなくってね。 T:僕はねー、ソフト・ボーイズっていうとさ、1枚目じゃなく、2枚目か、「I wanna destroy you」が入っているやつ。有名な。 A:「Underwater Moonlight」ですね。 T:説明すると長いんだけどさ。パイド・パイパーの金沢店ってさ、僕がやる前に吉本栄(沙佳枝)が店にいたことがあってさ。サカエちゃんがサイケ好きで「これいい、これいい」ってしきりに言ってたんだ。でも、売れないで、あのレコードずっと残ってたんだよ。あのジャケット変っているから、印象は強かったんだよ。いつか買おうと思ってた(笑)。だからソフト・ボーイズって全然リアルタイムでは買ってないんだよな。やっと手に入れたのは、ライコで再発されたとき、(ライコの日本の発売元の)ヴィデオアーツのスーパーヴァイザーやってたから、その時に全部もらったんだ。で、僕は82、3年からレコード屋やってたから、そこからロビンはは売りものとして聴いてたけど。しっかり買い出したのは、もう最近よ。だからA&M時代コレクターなの(笑)。 MP:最近ったって、けっこう前じゃないですか。 T:80年代の終わりか。 A:だからロビンもかれこれキャリア長いですよねえ。 T:79年デビューだからな。25年くらい経ってる、って事か。 MP:例のイタリア本にも書いてあったけど、「僕らは何も持ってなかった」って。「ファンもそんなにいたわけじゃないし、400人以上のお客の前で演奏したこともなかった。あれもなかった、これもなかった、マネジメントもなかった、レコード会社もなかった」って。ほんと相当時間がたつまでインディーズですもんね。 T:でも、インディーチャートでは、そこそこあがってたんじゃないの? カレッジチャートができたのが80年代の半ばだしね。 MP:しかし、ロビンってなんで有名なんだろ。内容がいいから?(笑) まぁ、R.E.M.のソフトボーイズ再評価が大きかったんでしょうけど。いいものを出していれば、いつかは認められる、って事ですかね。 T:もちろん、そうだよね。ピーター・バックって、宣伝屋だから、自分の好きな若いバンドとか昔のレコードとか紹介してきたしね。それを宣伝するのが彼の大きな役目だからさ。R.E.Mのギタリストってのが大きな役目ではあるけど、2つ目の役目はそれだからね。彼がこの世に生まれてきた二番目の理由ってのがね!(笑) MP:いい事だなぁ! あ、そうだ、ヨ・ラ・テンゴのファンに言いたい事あります? 来てほしいですよね、ヨラ・テン・ファン。来日、ちょうど私は海外にいたんでいけなかったけど、盛り上がったんでしょ? A:ヨラ・テンこそ、吉本さんだよ。アメリカン・インディーズの第一人者だからね。早いし詳しい。パイド・パイパー〜ビリーヴ・イン・マジックで、いろい教えてもらいました。 MP:それこそ、ロビンの資料、お送りしないと。あ、そうそうレイモンド・ヒッチコック。このヘンのお話も、ぜひ荒田さんに、うかがいたいんですが。 A:ロビンのお父さん。作家で画家、漫画家でもあるってのはロビンと同じだね。著書にテレパシーにすごい興味を持っているエンジニアって書いてあった(笑)。今日持ってくるの忘れちゃったんだけど、「Percy」っていう本があるんだけど、これは当時、フランスでベストセラーになったらしいよ。 MP:読みました? A:読んだよ。 MP:おもしろい? ヘン? A:へん。奇想天外エロチック・コメディーだもん。 全員:(爆笑) T:日本でも出ているの? A:「ミスター・パーシー」って邦題でね。70年代に映画にもなって、レイ・デイヴィス(キンクス)がサントラをやっていたから、そっちで有名かも。 T:あ、あの「パーシー」だよね。たいしたもんだ。 A:僕は古本屋で見つけたんだけど。早川書房から出てたハヤカワノヴェルズのなかの一冊だった。 T:そういや、この前読んだロビンの小説(「Narcissus」:「Carved in Rock」に収録)はおもしろかったよ。途中でね、ぱっと展開が変わるんだよ。それがロビンらしい展開でさ。なるほどね、って思った。 MP:あ、あの本ですね。私も五十嵐さんに教えてもらって、注文した、注文した。五十嵐さんが教えてくれたオムニバスの・・・ロック・アーティストが書いた小説のオムニバスなんだけど、アマゾンとかですぐ買える。 T:ロビンの作品は、結構長いね。中編くらいかな。収録されている中でもけっこう長い方。しかし、最近のロビンはさっき荒田くんも言ってたように、ボブ・ディランなんだけどさ、ソロでやってもいいよね。ライヴは特に。 A:五十嵐さんはSouth by South Westで、見たんですよね? その時も一人で弾き語りですよね。 T:ロビン、けっこうギターうまいもんな。変則チューニングをいっぱい使うんだよ。ギター1本でいろんな音を表現できるように、いろいろ工夫がされてんだ。 去年のSXSWでロン(・セクスミス)ちゃんとシャーロット・マーティンと一緒に出たBMIのソングライター・パネルで、どういう風に曲のインスピレーションを得るかっていう質問に、「僕は変なチューニングをいろいろ試してみる」みたいな事を言ってた。で、ロンに「そんなことない?」って同意を求めたら、ロンは「そんなことしないなぁ」って答えてたけどね(笑)。 A:はははは。 T:ギターのおもしろい響きを出して、ギターだけでもロビンの世界をちゃんと表現できていると思うよ。インタヴューした時に聞いたんだけど、今回(「SPOOKED」で)組んだデイヴィッド(・ロウリングス)とギリアン(・ウェルチ)はアメリカのトラディショナルな音楽の影響が強いんだけど、ロビン自体はイギリスのトラディショナル音楽の影響とかあるのか、って聞いたら、ロビンは御両親がけっきょく世代が世代なんで、アメリカのフォークとかを結構持っていて、最初に聴いたレコードはやっぱりそのへんだって言うんだよ。もちろんディランが好きだ、って以前にね。 MP:ふーん。 T:あと他で読んだんだけど、バート・ヤンシュを最初の頃に聴いたものの一つにあげてた・・・って、どっかで言ってなかった? どっかで見たことあるんだけど。だからおそらくギター弾けるようになった頃って、そのへんを練習したと思うんだよ。たぶんね。それとね、フォーク・クラブには出てたって言ってたよ。 MP:そうなんだ。 T:いわゆるマンデイ・ナイトのオープン・マイクとか、そういうところで書いた新曲を人前で披露するっていう・・流行り廃りはあるけど、やっぱりケンブリッジとかには、そういうシーンもあるからさ。で、人前で歌って反応を見るのよ。みんなそうなんだよね。エディ(・リーダー)なんかもよく(グラスゴウの)フォーク・クラブで歌ってたって言ってたもんな。それで歌を鍛えたわけだからさ。 あと、あの世代はパンクの少し前からバンドをしているでしょ? あの世代くらいまではみんな、ある程度楽器の技巧ってのはちゃんとしているからさ。 A:カヴァー・バンドもやってたって言ってましたよね。ザ・バンドやザ・フーなんかをレパートリーにしてたみたいだし、それもちゃんと弾き語りとか出来た上でやっているから。 T:クライヴとかグレンとかと同じ世代でしょ? グレンって幾つだっけ? MP:グレンは確か47か8とかそのくらい。クライヴは今年50になった。 A:ロビンは1953年の3月3日が誕生日。誰と同じかわかります? ジーコと一緒なんですよ(笑) T:ジーコとロビン・ヒッチコックと同じ歳! それ面白いねー!!(笑) A:まったく同じ生年月日(笑)。 T:52、3か。そうだね。グレンがちょっと若いんだよね。グレンはデビューしたのが若いからね。クリスと組んだ時とか、すごく若いでしょ。でも、バンドやっていたのは同じくらいの時期だよね、みんな。だから、みんなまだ一生懸命楽器をやる世代ではあったんだよ。 MP:グレンは、ギター、めっちゃうまいですよね。クライヴもすごいけど。 T:楽器がうまく弾けることが大事だった世代だからさ。その後にパンク、ニューウェイヴがきて、楽器がうまいこと以外に発想や姿勢みたいなものが大事っていう事になってきて・・でも、(ロビンの世代は)もともときちんとある程度、そういうね、基礎トレーニングされている世代だからさ。だからいろいろあって一人になってギター弾き語りであってもオッケーみたいな事になるんだよね。 その後の世代だと・・まぁ一概には言えないけど、一人でやらすと下手だぞーって奴がいっぱいいるからさ。弾き語りだとつらいぞ、みたいな。 A:RhinoによるA&M以前のCDリイシューって90年代半ばですよね? T:これはそのシリーズのプロモ用のオムニバスCDだよ。94年かな。このシリーズも今は廃盤になっちゃったよな。
T:そうだよな。ほら、(Rhinoのリイシュー・シリーズで)「Groovy Decay」と「Groovy Decoy」を一つにまとめたりしたよね。 A:本人があまり好きじゃないって言ってるやつね。スティーヴ・ヒレッジがプロデュースしてるけど、確かにぱっとしない。Rhinoのリイシューには、各アルバムに未発表デモやライブ・テイクがけっこう入っているじゃない? あのデモとか聞くと、曲によっては弾き語りっぽくやっている方が良かったりする。聞き直してみると、意外な発見があって面白い。 (ここで五十嵐さんが持って来たCDを広げる) MP:おぉ〜すごい。写真とらせてくださいよー(とデジカメを出す)。しかし今日グレンの営業で吉祥寺とか渋谷まわったんだけど、全然駄目! もうグレンとスザンヌに見せる店頭写真、たったの二枚しかとれなかった。 T:チケットは好調みたいだね。 MP:CDが出てからまたチケットぴあが延びたかなぁ。ウチのホームページで買うのはマニアなお客さんじゃないですか? 普通の人は、こんなわけわからんホームページじゃ買わないですよ。チケットぴあで買う。やっぱりCD出すと違いますね。(CDを見ながら)あぁ〜いいなぁ、ロビンのこの絵とか。ロビンはいいなぁ! A:ちょっと話が戻るけど、キャプテン・センシブルの「I'm A Spider」って7インチのシングル、それにロビンが描いた漫画とか書いてあったの覚えてるよ。 MP:ほんとにー? A:歌詞だけじゃなくって、漫画とかイラストも描くってことでまた印象が違ったね。 T:なるほどね。 A:ピーター・ブレグヴァドとか近いと思うんですよね。立ち位置的にはね。育った環境や画家・作家の両親を持ってるとか、共通点も意外に多い。実際に友人同士みたいだし。でもブレグヴァドは・・・日本では、コアなカンタベリー系とかのファンがついている。 T:じゃあ、ピーター・ブレグヴァドの方が人が来るかね? MP:はははははは。 T:カンタベリー、プログレ系だから、ね。 A:一人でやったらわからないけど、スラップ・ハッピーでまた来ればね。 T:スラップ・ハッピーだったら、人は入るだろー。 A:もちろん、スラップ・ハッピーってものもあるし、ゴールデン・パロミノスとかXTCのアンディー・パートリッジと組んでやっている作品ってのもあるし。 T:そういう意味では、ブレグヴァドの場合は、カンタベリー、プログレ、UKフォークロック・・このヘンは日本の場合は一定のファンがいて、その人たちは熱心に何十年聞き続けているわけだけど、ロビンはつながっていくものがない。R.E.M.の人気とかもあったわけだけど、それでもR.E.M.の人気って欧米に比べれば、日本はずいぶん低いからねえ。 やっぱりアメリカのインディーものの人気がさ、ヨ・ラ・テンゴとか特例をのぞくと、全体的に低いからね。だからロビンとグラント・リー・フィリップスのライヴDVD(「ELIXIRS & REMEDIES」) はすっごい良かったけどさ。僕はグラント・リーが大好きなんだけど、やっぱり日本では知名度ないからさー。 MP:あのDVDは、ほんと楽しそうですよねー。あの二人。 T:来年、グラント・リーと一緒にどうよ!? で、あとはビル・ボンクも自腹で来てもらって(笑)。三人でやったりして。 A:ビル・ボンクと、グラント・リーと、ジョン・ブライオンで呼びたいって話もあるみたいよ。 T:これ先の話だけどさ、グレンやって、ロビンやって成功したら、来年のOak Treeの課題はジョン・ブライオンだよ。僕はもう決めてるんだよ(笑)。こないだジョンがニューヨークでやったの知ってる? ニューヨークのクラブでラルゴのギグを再現したんだから、東京でできる。スターパインズ・カフェで5日間でも埋まると思ってんだけど。業界の人、ミュージシャンは全員来ると思ってんだけど。 A:まぁ、絶対に来ますよ。 MP:今日はなんだか前向きなミーティングっすねー(笑)。 A:あ、でも、あの人確か、日本に来たことありますよね。無名バンド時代に1回来てるって話ですよ。 T:まぁ、Oak Treeでレコード出して、で、サンレコ協賛ね(笑)。で、ヴィンテージの楽器持っている楽器レンタル屋、これも協賛ね。で、ずらっと楽器並べて、まぁスタパ5日間。ま、最初は3日間で売り出して、追加、追加、と(笑) MP:うん、うん(笑) T:で、ジョンは毎日やって、ゲスト、ロビンとグラント・リーね。どうよ? 全員:はははははは。 T:で、フィオナ・アップルとか来るって嘘の噂流して・・それは冗談だけどさ(笑)。 A:いや、それ出来たらすごいよね。でもスケジュール押さえるのは至難の業かもしれない。 T:まぁ、だからロビンと仲良くして日本は楽しいぞ、と(笑)、寿司はうまいし、と(笑)。まぁ、(LAから)ニューヨーク行くのと、日本に来るのとあんまり変らないからな、はっきり言って。 A:ゲストを考えないと。ジョン・ブライオン一人ではつらいですよ。 T:ゲストは日替わりゲスト! とかいって、全員きっと毎日出るんだけどさ(笑) A:グレン・フィリップスとかも。 T:グレン・フィリップスとか、ニッケル・クリークとかさ。 MP:うわ〜すごすぎ! T:っていうか、全部単独公演も平行でできるよねー(と夢は膨らむ)。ま、それは来年以降の課題として(笑)。とにかくニューヨークでやったってのはすごいよね。きっと日本でもやれるだろ・・・・・って、なんでその話になったんだっけ? あ、グラント・リー・フィリップス。 A:グラント・リー、日本盤出ませんからねー。 T:そうそう・・・・そうなんだよ。グラント・リーね、R.E.M.の前座で来たとき。まだグラント・リー・バッファロー時代に。あの時は単独でクアトロやって、そこそこ入ったけどね。 MP:へぇー。 T:まぁ、武道館でチラシまいたり、宣伝すればね。 A:あの時、A&Mでしたっけ? T:日本はポリドールかな。インタヴューしたよ。(DVDを見て)「MOOKINGBIRDS」 とか泣かなかった? いい曲だよね。 MP:そうだ、ニュー・アルバム(「オブリテレイション・パイ」)の事、少し言ってくださいよ。宣伝、宣伝! T:これは素晴しいね!! MP:アートワークとか出来たんですよ、ほら。(と色校を見せる) T:これねぇ、企画盤とか言っちゃいかんよ!! 新作だよ、これは新作! A:そうだよ、新作って言って、かまわないよ、全然。 MP:そっかー、失敗したなぁ。(もう印刷にかかってしまっている) T:そういや映画のために書き下ろした曲。あのDVDの監督の映画なのかな。それに2曲書いているでしょ。 A:そうそう、あれ(ライナーで)つい先走って未発表曲とか書いちゃったけど、未発表ライヴ・トラックだったんだよな。未発表であることに変わりはないんだけど、「I Feel Beautiful」って曲自体は「Jewels For Sophia」に入っているからね。どんな映画なのかちょっと観てみたいね。 T:これ、そういや最初の予定から1曲入れかわったよね?(お二人にはかなり初期の企画段階からこのアルバムについては相談にのってもらっていた) MP:そうそうそう、入れ代わった、入れ代わった。 A:そう。「Beautiful Girl」が入ってたんだよね、最初は。 MP:そうです、そうです。で、(「My Wife and My Dead Wife」の前説の)「フランク・シナトラ」とか、急に入れてるしー。 T:A&M時代のプロモ・ライヴ。これでもね、(「My Wifeand My Dead Wife」は)フランク・シナトラに書いた曲だって言っているんだよ。だから昔から言ってんだ、このジョークは。 MP:え、本当に? T:なんだか決まりのジョークらしいよ。 MP:そうなんだー。 A:あと「Balloon Man」ってあるじゃないですか? あれはバングルスに書いた曲だって。 MP:なんなんだ、それ。 A:スザンナ・ホフスに歌ってほしかったのかな? そういうイメージで書いたらしいよ。 T:なるほどー。(←五十嵐さんはスザンナ・ホフスが大好きなのです) MP:なんでDead Wifeがシナトラなの? シナトラって奥さん亡くなってましたっけ? T:奥さん、何人もいたからなー。これさ、フランク・シナトラ話は、なんだか話しているうちにどんどん膨らんでいったって事だよね。だから、これ入れたのも、自分でもこの日の話がおもしろかった、って思ったんじゃないの? こりゃーうまくまとまった、馬の首の話まで出て(笑) MP:なるほどねー。このMCが気に入っているから、入れたんですよねー(笑)。それってスタレビとかのコンサートで根本さんのジョークがツアー中にどんどん進化していくのみたいなものかも(笑)。 T:A&Mのプロモ・シングルから曲を集めて、2人のためにCDRを焼いてきたから。(ザ・バーズの)「8 Miles High」とか、(ロキシー・ミュージックの)「More Than This」のカヴァーとかも入ってるよ。「So YouThink You Are In Love」は幻のヒット曲だよね・・・これがほんとは大ブレイクするはずだったんだけど(笑)。イギリス盤はGo Discから出たんだよ、ほら。で、これがアメリカ盤のシングルでしょ。これはビートルズ・タイプの曲でで、ほんとはヒットするはずだったんだよ。60年代だったらヒットしたかもしれないけどね。 MP:確かに、ものすごいポップですよね。 T:これのどっかにも「More Than This」入ってたよ。 A:ロキシーの「アヴァロン」は丸ごとカヴァーしたいって言ってたなあ。ラルゴでジョン・ブライオンやグラント・リーとアルバム片面全部やった事あるみたいだし。 T:おぉ! リクエストしよう、日本に来たら。 MP:わたしもリクエスト絶対にしたい〜! T:よっぽどロキシー、好きみたいだね。 A:けっこう好きみたいですねー。South by South Westの公開インタヴュー&ライヴみたいなやつがあって、オランダのサイトだっけ? 7曲くらいやっているんだけど、その中でも例のデヴィッド・ローリングスとロビンの最初の出会いについて説明してましたね・・・・いろんな所でロビンはしゃべっているんだろうけど、1989年だったか、ボストンのバークレー音楽院に通っていたデヴィッドがたまたま通りかかったタワーレコードでサイン会をしていたロビンを発見した、で、わざわざ大学寮までギターを取りにもどってそれにロビンのサインをもらったという微笑ましいエピソードに続きがあって・・・どうやら店内に大きなブライアン・フェリーのポスターが貼ってあったらしいんだ。ロビンはそこに思わず自分のサインを書いちゃったら、タワーレコードのマネージャーに怒られて(笑)、こんなのはもう使い物にならんだろって投げつけられたって話。 全員:はははははは。 A:それくらいブライアン・フェリー、すっごい好きなんだって(笑)。 MP:おかしすぎ! A:実際、ロビンの曲の中でもね、あきらかにブライアン・フェリーっぽい感じの曲とかあるんだ。 MP:そうなんだ! A:ちょっとロキシーの「Mother of Pearl」みたいなメロディの曲とかあったりして、おもしろい。 T:やっぱり70年代に好きだったのかね。最初の頃のロキシーにやっぱり影響受けたって事かね。でも「アヴァロン」が好きって、そこに突出してるしなぁ。 A:そう、とにかく「アヴァロン」が好きらしい。 T:このプロモ・ライヴ盤ね、ピアノとやっているんだけど・・ A:ピアニストは誰ですか? T:中で名前を言ってたと思うんだけど・・・。このピアノとやっているのが、結構いいんだよ。ピアノと二人って、ライヴとしてはいいかもよ。ピアニストと呼ぶってのもありかな、と思って。 MP:そういや、今回の来日の時、ピアノ使うって言ってた、ロビン。 T:あ、ほんとに? MP:ほら、曼陀羅はピアノがいいから。で、ピアノあるよ、っていたら、「いいなぁ、使う!」だって。 T:で、このプロモ盤のライヴは、リチャード(・トンプスン)の「Withered & Died」とビートルズの「A Day in the Life」。この強力な2大カバーが入っているのが目玉なんだよ。
MP:うわ〜、これお客さん手に入らないだろうから申し訳ないなぁ。 T:(テレコに向かって)ごめんね! お客さん。まぁ、E-bayとかで買えるかも。でも、僕が持っているプロモ盤でも、 iTunesに入れると、全部曲目出てくるんだよ。だから熱心なロビン・ヒッチコック・ファンが、全部曲目アップしているって事だな。 MP:ロビンのサイトはすごいですよねー。「ロビン・ヒッチコックは神だ」ってサイト見つけましたよ、この前。 T:だ〜か〜ら〜(笑)腎臓を売るって言ってんじゃん!(笑)ところで新譜の話ですけど、僕はもうこの「A MAN'S GOTTA KNOW HIS LIMITATIONS, BRIGGS」、これが好きでね。 A:シアトルで録ったやつですよね。 T:もう50回くらい聞いてるよ、たぶん。 A:いいですよねー。 T:これは、すっごくディランだよね。 A:あぁー(納得)。 MP:わたしは「LET THE SUN BEGIN」が好き。あと「QUEEN ELVIS」すっごくいいーー ーっ! T:あのハーモニカの変なアレンジは、最近ずっとあのアレンジでやってんだよね。 MP:そう、あのアレンジを一度記録に収めておきたかったんじゃないかな。 A:「Storefront〜」でもティム・キーガンと一緒にやっているけど、今回ティムと二人でやっているのは、これを含めて3曲だけど、みんないいよね。一番新しいレコーディングだけに、すごく今のロビンのパフォーマンスをヴィヴィッドに感じられる。 MP:でもなんで「Funky Town」やることにしたのかなぁ。 T:ねぇ、これってソフト・ボーイズのメンバーでやってるじゃん? A:解散した後ですよね? 再結成して、また解散した後ですよね、おそらく? T:じゃあセッションの日時は違う? MP:そこまでは書いてないですねー。 A:月日までは書いてないから、いつのかは分らないですけどね。 T:ソフトボーイズの再編は2003年じゃなかったっけ? 違う? A:いや、2001年ですよ。それで解散したのが、2003年の2月ですよ。2003年の2月に解散したはず。 MP:なんだっけ、例のホワイト・アルバムのカバーやったってのは、このバンド? A:ロビン・ヒッチコック&ヘヴィー・フレンズっていう、まぁ、お楽しみバンドみたいなものかな(笑)。チャリティ・イベントでしか演奏しないみたいだし。 MP:このバンド楽しそうですよねぇ! T:話は戻って、とにかく僕はこの「〜BRIGGS」が好きで、すごくディランっぽいんだけど、ディランということで、去年のソングライター・パネルに戻るんだけど、誰に影響を受けたたかの質問に対して、ロビンは「僕の作品は全部ディランの「Visions of Johanna」のサブディヴィジョン(下位区分)に属する」と。シャレなんだけどさ。「Subdivision of Visions of Johanna」っていうね。ところで「ブロンド・オン・ブロンド」買った? MP:いや〜、わたしってディランって、あの女の人と歩いているやつ(「フリー・ホイーリン」)とベスト盤しか持ってなくって、全然知らないんですよ。(←このバカもの!) T:「ブロンド・オン・ブロンド」を聴かないと。あれがロビンの世界の原点だから。 MP:すぐ買います。買って勉強します。 T:でね、今年のインタヴューでね、「去年のパネルでこんな事言ってたけど」って言ったらね、ロビンは「それだけディランが好きだってことは、もともと自分の持って生まれた感性がディランの感性と親和性がある、ってことだと思うよ」って言ってた。 A:ディランを聴いてなかったら、ミュージシャンやってない、って言ってたもんね。 T:もちろん影響は受けているけど、ただ影響を受けているってことじゃなくって、自分の感性と響きあうものがある、って事だよね。というわけなんで、ファンの皆さんもアメリカのファンとおなじように、ディラン関係の貢ぎものをね(笑)。 A:「〜BRIGGS」もいいけど、「LET THE SUN BEGIN」が特に好き。これを聴いているとね、デヴィッド・ボウイを思い出すんですよ。 MP:へぇー、ボウイね。 A:「ハンキー・ドリー」以前のね。 T:僕は「メイジャー・トム」だな、と思ったけどね(笑)。メドレーにしてもいいかも。 A:曲にもよるけど、ロビンの弾き語りはけっこうボウイっぽかったりしますよ。ボウイがディランに影響された時期というか。 T:そうそう! そうなんだよ。ボウイもお化粧してジギー・スターダストになる前は・・・アイドル時代と「ジギー・スターダスト」の間はディランだからな。 MP:なるほどー。そうなんだ。 A:「スペース・オディティ」の中の「Unwashed And Somewhat Slightly Dazed(幻惑された魂)」は、もろエレクトリック・ディラン。 T:確かにもろディラン(笑) MP:大変な影響力なんですね。 T:だから「ブロンド・オン・ブロンド」くらい買って帰りなさい(笑)。 MP:はい。 A:しかし今回未発表曲がけっこう入っているけど、ロビンは、ライヴでもめちゃくちゃ録音してない曲って多いですね。South by SouthWestでやった曲にしても、聴いたことない曲とか、わからない曲とかあるでしょ。ディランのカヴァーもやってるけど。 T:すごいよねー。すごい多作家だよ。それに、けっこうそれを歌ってるよなぁ。 A:確かに、歌ってますよね。 T:多作家でも、ほら、沢山書くけど、結局どんどん興味が変っていって、この時期はこれしか歌わないとかあるけど、ロビンは立ち戻ったりして、けっこう歌っているよね。しかも全部覚えているしね。覚えているのが、えらいよね(笑)。 A:いや、ほんとに。 T:ルシンダ・ウィリアムズみたいに、自分の書いた歌詞なのに必ず本番は分厚い歌詞カード集持って・・・で、しょっちゅう歌詞忘れる(笑)、で、野外で風でページが飛んだりするとさ、ローディが出てきてめくる、っていうさー(笑)。結局本人がわかんなくって、キレル(笑)。そういう人が多い中。 あのグランド・リーとのライヴDVDでも、ツアーの最終日だっていうのもあるのかもしれないけど、二人してお互いの曲交互にやるのに、どちらも歌詞も楽譜も見ずによくやってんなーって感心した。 MP:あ、そういえば、確かに! しかしロビンも歌詞は時々変えたりもしてますよね。ファンの人のデータベースによると、このライブでは、こう歌ってた、とかデータがすごい。 T:今回収録されている「〜Dead Wife」もさ、(シナトラ話にひっかけて)「フランキー」って言っているのはわかるんだけどさ、あれ、頭が確か3番くらいから歌ってないか?(笑) MP:そうそうそう! 一応歌詞はオリジナルを掲載してます、ってブックレットに入れておいたんだけど。じゃないと、収拾つかないんだもの(笑) T:いや、歌っているとおりに訳そうかな、とも思ったけど、そうすると同じこと2回訳すことになるからさ(笑) だからやっぱりオリジナルを訳しました。 MP:「〜Wife」はめちゃくちゃいい曲ですよねー。 T:ほんといいよね。 A:あれもけっこうブライアン・フェリーっぽいんだけどなー。歌詞も倒錯してるっていうか。 T:そうだね。 MP:それでね、ロビンを盛り上げるためにホームページに新コーナーを作ろうと思ってて、それが「SONG BY SONG」っていうの! わたしが1曲ずつ好きな曲をとりあげて紹介するコーナー(笑)。1週間に一度アップが目標。3曲くらいで挫折するかもしれないけど、一応、来日までがんばろう、と。で、1曲目が「〜Dead Wife」なの。お二人もぜひ書いてくださいよ。 A:五十嵐さん、アルバム単位でこれが好きってあります? T:それは難しい質問だなぁ。 A:僕はアルバム1枚って言われると「EYE」が一番好きなんだよな。まぁ、もちろん最近ずっと聴いてたのは「オブリテレイション〜」で、これにもかなり入っているんだけど。「EYE」は、聴けばきくほどいい。 MP:ロビンも「ストレンジ・デイズ」の2002年のインタヴューの時点では「EYE」が一番好きだって答えてましたよ。 A:この中の「Sweet Ghost of Light」って、ロビンが裏声で歌っている、彼にしてはレアなトラックなんだよ。ほら、ロビンって、インタヴューでも答えているけど、いまだにどれが自分の声なのか探しているっていう、ね。ライブやインタヴューでも声帯模写みたいなこと冗談でやるでしょ。 T:なるほどね。 A:昔のから順を追って聴いていくと、けっこうそういう変化、わかるよね? MP:探っている、って感じ? A:うん。なんだかそういう感じ。まだソロの最初の頃って、これがロビン・ヒッチコックっぽい、って感じじゃない気がする。 MP:なるほどねー。これって歌詞カード入ってないですよね? A:Rhinoのリイシュー盤、持ってる? 歌詞カードはついてる? MP:いや〜どうかなぁ。わたしが持っているのもこれと同じような気がする。 A:これはTwin Toneから出た最初のアメリカ盤で、イギリス盤はまた別のところから出ているんだよね。 A:Rhino盤はもう廃盤だから意外に高かったりするんだ。 MP:高いですよねー、わたしも5,000円くらいで買ったのがありますよ。 A:またちゃんと出し直してほしいよな。 MP:なんか来年やるって言ってましたよ。来年は新譜出るの?って聴いたら「来年はリイシューかなぁ」だって。いいよなぁ、ロビンはマイペースで!(笑) A:だから、ほんと惜しいんだよなぁ! これもそうだけど、いいアルバムが沢山あるのに日本で全然手に入らないし。 MP:まぁ、でもリイシューするとしても1タイトルずつ全部ってのは・・。ウチでやるとしても輸入形態かなぁ。「Beautiful Girl」も、このアルバムなんだよな。「Queen Elvis」とかもそうだし。 T:「Queen Elvis」っていくつか意味があって、ひとつはQueenってゲイの男の意味。実際歌詞の中に女装する話とかでてくるわけだけど。もう一つは本人がどっかで話してたけど「Queen」といういかにもイギリスのイメージと「Elvis」っていういかにもアメリカのイメージを組み合わせたんだよ。 MP:へぇーーーっ。 T:・・・・と、自慢げに語ってたけどよ(笑)。今回「Chinese Bones」について質問したら「どちらでも取れるな」って返事が来たからさ。いろんな人がいろんなイメージでとらえるっていうのを限定したくないんだね。 A:そうですね。 T:「Chinese Bone」ってね、そのままだったら、中国人の骨、場合によっては中国人みたいな骨格とか。でも、骨や象牙で作った中国製の工芸品、彫像とかn、そういうものを指して“Chinese bone”て言うんだね。ネットで検索していると出てくるんだよ。 で、ピーター(・バラカン)に訊いたらさ、“Chinese bone”なんて、今までの人生でそんな言葉は・・・そりゃ、そのまま中国人の骨っていう以外にね・・・そんな言葉は聞いたことがないなぁって言って(笑)「なんか特別な意味があるんじゃない?」って言うわけよ。同年代のイギリス人でもそうなんだよ。 MP:でも、いいですよね、shines through the chinese bone・・ってすっごく綺麗な歌詞。 A:本当に訳詞があっていいよね。 T:これ、(奥さんの)ミシェルに捧げるとか言ってたよね? MP:頭でしゃべっているよね。 T:たしかトゥーソンにいるミシェルに捧げるって言っているよね。だから、あれでしょ、きっとギャラリーかなんかの仕事でミシェルが行ってたんじゃないの? (注:ロビンの奥さんのミシェルはイラストレーターで、よく個展をひらく) A:トゥーソンって最初はなんでトゥーソンって思ったけどね。 T:キャレキシコとかね。 A:そうそう。 MP:トゥーソンってどこにあるの?(←全然無知) T:アリゾナ州ですよ。一回行ってみたいよね。 A:たしかナイトクラブがあるトゥーソンでは有名なホテル、ありますよね。ミシェル個展もそのホテルのロビーでやったんじゃなかったっけ。ハウ・ゲルブやあの周辺のアーティストがいつもレギュラーで。 T:あ、出演しているの? へぇー。 A:なんだっけなー、忘れちゃった(注:Hotel Congressでした)。 MP:あ、これ、ミシェルの作品です。(彼女のポストカード類をみせる) ロビンのジャケットの「Jewels for Sophia」は彼女の作品。彼女の作品は、いわゆるポップアートなんですよね。 A:ミシェルは、オーストラリア生まれだよね、確か。で、アメリカにかなり長く住んでたみたいだけど。 MP:二人がどう出会ったのか、聞きたいなぁ! 来日したらお酒飲んでみんなで聞こう! A:トゥーソンでのスタジオはキャレキシコが使っている、あのWAVELABスタジオですよ。そこのスタジオってクレイグ・シューマッハっていうプロデューサー/エンジニアと、もう一人のエンジニアでやってて。そいつがニック・ルカっていうエンジニアでミュージシャンもやってる。こんなCD出しているんですけど、だからハウ・ゲルブやキャレキシコのメンバーとか入ってますよ。 T:おぉー、荒田くん、なんでこんなCD持ってんの?(笑) A:キャレキシコ・ファンですから(笑)。いちおう買っとかないとね。 MP:このイラスト素敵ですねー。 T:本人が書いたのかなー。 MP:その「PASTE」誌に載っている、ミュージシャンの描く絵の特集、いいでしょ? なんかこういうイベントを日本でもやってみたいんだけどなー。 A:ジョン・ラングフォードも絵を描くじゃないですか? あの人の絵もいいですよね。 T:ジョンに関しては、日本に呼んでライヴと絵の展覧会という企画があるみたいよ。彼の絵はすごく人気あるからね。 A:ウェブにも一時期たくさん作品が載ってたな。確か売ってたと思うんだけど。 T:このイラストとは違うけど、似た様なイラストのシャツ持っているもん。 MP:このブラック・クロウズの人の作品も、すっごいですよねー。 T:おぉ、リッチ・ロビンソンはこんなの描くんだ。すごいね。(Pasteを見ながら、広告を見て)このサラ・リー・ガスリー&ジョニー・アイリオンはいいよ。サラはウディー・ガスリーの孫。僕は彼らをよく知っているんだ。ここに載っているアルバムはNew Westってレーベルからで、あとは自分たちで6曲くらいのライヴとか出しているから。2人はそれぞれソロ・アルバムも出しているし、それをくっつけて編集盤を出して紹介するのもいいかもね。 MP:この雑誌いいですよね。実は、ロビンに自分が載っている、っていうのを聞いて、すごく手にいれたかったんだけど、セキュリティのかかってないサイトで、買う時、ちょっちドキドキした(笑)。AMAZONとかでも売ってなくって・・・というか年間購読しか扱ってなくって。 T:タワーとかで普通に売ってんじゃないの? A:いや、どうだろう。 MP:この前の号は、ブライト・アイズが表紙でしたけどねー。日本の渋谷のタワーの上でも見つけられませんでしたけどね。 T:まぁ、もっともこの雑誌は太っ腹で、最新号の記事もウェブで読めるんだよ。 A:CDとかがついているから、それで本を買う層ってのもかなりいるんじゃないですかね。 T:そういや、始めて知ったんだけど、アマゾン・ジャパンで(シンコー・ミュージックの)「THE DIG」が買えるんだよ。 A:ギター・マガジンが買えるのは知ってましたけどね(笑)。 T:で、レコード・コレクターズも買えるんだよ。ミュージック・マガジンはどうかな、って検索してみたら、これが出てこないんだよ(笑)。 MP:さて、そろそろテープもなくなるんで、何かあれば。 A:ロビンのフォロワーっていうか影響を受けている連中、アメリカだとザ・ディセンバリスツのコリン・メロイとか、インディーズではあるけど、いることはいますよね。 T:あぁ、今度トリビュートアルバムを作るって言ってる連中だろ。 A:ザ・ディセンバリスツは、日本でもちょこちょこ人気が出始めてるんですよ。 T:どこから人気が出てるんだろ。 A:いるんですよ、インディーズ好きの連中の耳に入ってきて口コミで少しずつ。 T:いや〜、そういう情報の広がり方を知りたいんだよね。 MP:そう、そう(笑) A:やっぱりエレファント6とか、あのヘンが好きな連中とは接点があるし、マグネティック・フィールズもそうだけど、ポップでありながら、ちょっと屈折したサイケでカラフル音楽が好きな人たち? ジャケットも含めてアートもけっこう重要な要素になっている。 T:そういう人たちの媒体って、雑誌じゃないの? A:うーん、かろうじて、COOKIE SCENEかなぁ。 T:伊藤くんはロビン・ヒッチコック好きじゃないのかな。 MP:うわ〜、伊藤さん。ご無沙汰してるなぁ。連絡とらなくっちゃ! 資料送ろう。 A:あとレット・ミラーが意外だったけど、好きらしいもんね。 T:あぁ、レットがロビンを好きってのね。レットとロビンはラルゴ仲間だろ。 A:それ以前からレッドがロビンのファンってのは、あったみたいですよ。そういやセイディーズの新作って聴きました? T:1曲ロビンが歌ってるね。 MP:あ、それロビンのホームページで見た。 A:カナダのバンド。ニコ・ケイスのバックもやっている。 T:ジョン・ラングフォードともアルバム作ってるね。あのブラッドショット・レーベル近辺もロビンのファンが多いよね。だからアメリカのカレッジチャートからインディ・シーンが広がっていった時に、大先輩の一人ってことでロビンの存在があったって事なんだろうね。ある種、特殊な存在ではあったよね。 MP:なかなか、売れないですけどね!(笑) T:そういや、このCD、スペインでも出るの? MP:そうらしいですよ。 T:あなたから持っていくわけ? MP:いやいや。でも、ウチらで使ったアートワークは回してあげようかな、と思ってますけど。でもロビンたぶん曲目は変えるって、言ってましたよ。2、3曲だけど。まぁ、とはいえ、まだ当分先だとは思うんですけどね。 T:それってスペインでずっとロビンをやっている人がいるの? MP:いや、よく分らないんですけどね、最近じゃないですかね。ちょっと前にスペインに行ってたでしょ、ロビン。で、帰ってきたらその話してた、ってくらいで。 T:あぁ、じゃあそこで熱心な人に会ったのかなぁ。30年聴いてます、ぜひあなたのCD出させてください、みたいな(笑) アメリカはこの日本盤を持っていくって言ってんだよね? MP:そうそう。だからナイスなアイディアですよねー。 T:でもそのアイディアって、たしかバッファローのアーティストもやってたよな。日本で作った企画盤をアドヴァンスとかロイヤリティの一部としてアメリカに持って帰ってツアーで売る、みたいな。インディーの世界では大事だよね。あっちの人たちは日本盤の品質はいいってイメージもあるしね。そういうやり方はあるよね。 MP:相手が海外でもコミュニケーションがとれれば、いい形でいろいろできますよね。グレンも今、ウチでプレスしたCDをホームページで売っているし。 T:ファンは、即売でいろいろあった方が楽しいしね。 A:そういえばロビンの詩は、あんまりメッセージ性がないじゃないですか? ディランみたいに政治色や社会性を匂わせたものは、あんまりないですよね。 T:そう。「SPOOKED」で数曲でてきたのが珍しいっていうくらいで。 A:そのへん、NO DEPRESSIONのインタビューだったか、「我々にはgood political songsが必要なんだ」って言ってましたね。「でも自分は書かないよ」と。だから「SPOOKED」を聴くと、そのあたりのジレンマじゃないけど、本当はそういうことをもっと表現したり伝えたりする必要性を感じているような気がする。自分の美意識とはそぐわないところもあるんだろうけど。そういう意味でも「SPOOKED」はすごく面白かった。以前はロビンっていうと、エキセントリックなイメージが先行して言われてたじゃない? それが「SPOOKED」では、サウンドもギリアンとデイヴィッドが全面的に関わってるってのもあるけど、印象が変わってきた。 T:ロビン・ヒッチコックの詩は歌詞カードもあんまりないから。本当にもっとなんか知りたいな、ってのがあるよね。本人に会ったら訊いてみたいんだよね。 本人は、ほら、ワーナーのベスト盤の1曲1曲に・・ SONG BY SONGじゃないけど、その曲の背景とか、どうやって出来たかって解説しているけど、けっきょく歌の内容に関しては、何も言わないんだよね! MP:確かに! インタビューとかでも、その曲がどうして出来たか、とか、そういうのは言うけど、内容については絶対に説明しないですもんね。だから、やっぱりこっちで想像するしかないんだわ。 T:イメージが出てきて、どんどんそれが膨らんで・・ある意味、夢みたいなもの? そういうのが多いんだと思うんだよね。歌の構成とか考えて、どうこうじゃなくって。 A:そう、整理してない、っていうか。だから自分が見た夢をそのまま詩にして書いているようなフシがある。 T:たださ、「Madonna of the Wasps」はさ、あるインタビューで説明してたよ。その背景になる物語を。その絵があるんだ。ホラ、これもそうだ(とCDシングルのイラストを見せる)。いわゆる人魚のような・・・。下半身が蜂で、上半身が女性という。このイメージっていうのは、言ってたね。 MP:ほんと歌詞が綺麗ですよね。Dying in the frost・・とか、なんだか絵が浮かぶようだわ。 T:ヴィジュアルだよなぁ! A:ピーター・ブレグヴァドも、歌詞が難解で神秘主義的だったりスノッブな感じなんだけど、ロビンは違う。やっぱり絵描きっぽい。イリュージョンの世界。 MP:うん、うん、見えるよね! A:そう、彼自身に見えるものを何の造作もなく書いているような気がする。彼に見えて僕らが見えないものを(笑) T:そういや、「Storefront Hitchcock」の最初のロビンのひと言ってわかる? MP:えー、わかんない。 T:「Is my halo all right?」って言っているんだよ。 MP:Haloって、なんでしたっけ? T:頭の上の・・・・ MP:あ、天使の輪? いやーーん、恐ーーい(笑) A:へぇ〜、知らなかった。 MP:ロビン、かっこいいーーーっ! かっこよすぎ! あー、ロビン大好き、早く来ないかなぁ! T:そうね。あとインタヴューで言ってたけど、カルト・ヒーローとして扱われることには満足しているみたいよ。僕の好きなアーティストは・・、シド・バレットも、インクレディブル・ストリング・バンドも・・・そうそう、インクレディブル・ストリング・バンドが好きだっていうんだよな・・・で、みんなカルト・ヒーローだったから、自分もカルト・ヒーローで嬉しいって言ってたな。 A:60年代最後のカルト・スター、ロビン・ヒッチコックでしたっけ。Retrodelicなんていうロビンの造語もいかにもそれっぽいですよね。 MP:しかし、ロビンみたいなアーティストがまだいる、ってのがすごいな、と思って。しかも和久井さんも言ってたけど、若いバンドみたいに、まだまだいけるっていうか・・。 A:まだまだ、全然オッケーでしょう! T: SOUTH BY SOUTH WESTでも、こっちに呼ばれ、あっちに呼ばれしてたもんな。どんどんみんなに頼まれるから・・・・まぁ業界内と言うかミュージシャン仲間の間でほんとに人気がある。で、また近年はアコースティックで、フットワークも軽いしね。 A:いまや自分がマネジャーだしね。どうやらソフト・ボーイズの再結成時もマネージャーがいなくて彼がやってたみたいだし。だから大変だったってインタヴューでも言ってたな。 MP:この前、3x3の古いメールを読み返してみたら、けっこう私、ロビンに到達するまで時間かかってんの。本人と直接話せるまでにすごく時間がかかった。最初クライヴのマネージャーのアンディーがキンバリーに連絡してくれて、キンバリーがロビンのエージェントの・・・・もちろんキンバリーはロビンの自宅の連絡先とか知ってたんだろうけど、ほら、やっぱり段取りもあるから。たしかそのエージェントは女だったと思うんだけど、紹介してくれて・・・・ T:まぁ、エージェントだけはちゃんとした人がいるだろうな。 MP:でも本人と話しはじめたら、頭もいいから、早い、早い(笑)。しかもこんな企画もの!・・・じゃない新譜!(笑)こういうのも用意しれくれて、すごいよね、ロビンは。 T:これさ、実際、どっちが言い出したの? 日本呼ぶならアルバムがほしい、っていうことだったんだろうけど。 MP:うーん、もうよく覚えてないんだけど・・・ A:もともとは、野崎さんじゃない? MP:いや〜、でもなんだか寿司屋(2月)の時点で、その話になってたような気がする。ただ来日するなら、新譜は必要だ、ってのは、確かに私が言った。ウチはプロモーターじゃなくって、レーベルだから。自分のレーベルのアーティストじゃないと呼べないし。 T:で、なんならアルバム1枚作れるよ、と。 MP:うん。で、とんとんと話しが進んだ(笑)。 T:(オースティンでの)インタヴューの最後にさ「ロビン、ちょっとくだらない質問をしてもいいですか?」って訊いたんだ。ロビンは「なんだ?」って。それで、その日も着ていた「そのポルカドット(水玉模様)のシャツは、いったい何枚持っているんですか?」と。そしたら「それはいい質問だ」と。で、ミシェルと顔をみあわせて、何枚かなーって「3枚じゃないかしら」「4枚じゃない?」「いや、あれと、あれと、あれ」なて言うから、「えっ、3枚しか持ってないんですか? 100枚は持っていると思ってましたよ」(笑)って言ったらさ。「いやシャツはたくさん持っているけど、ポルカドットは3枚だ」。「いや、いつもポルカドットを着ている、という印象があったから」と言ったら、「よし分かった」と(笑)。「日本に行く時は、必ずポルカドットを持っていくよ、ロビン・ヒッチコックってわかるように」って。 MP:か、かっこいいーーー! T:ポルカ・ドットの浴衣でもないかね? MP:あ、わたし、友達に着物屋がいるんですよ。それ絶対にナイス! 作ってもらおうかなー。もうロビンみたいなアーティストをプロモーションしていると、いろんなイマジネーションがわいちゃってー。最近のヒットは、これ。蟹型の穴空け機。これがいいのは、穴をあけたあと、切り取られた紙の形も蟹なの。だから今度ロビンに何か送るときは、いろんな色紙で蟹の形を作って、たくさん封筒にいれて、ロビンが封筒を開けたとたん、蟹がたくんさん散らばるっていう(笑) そういういたずらを計画してんだ。 T:いいねー! それだけでロビンはいいレーベルと契約したって思うんじゃないか?
●SOUTH BY SOUTH WESTでのロビンのインタビューとスタジオライヴ
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