OAK TREE RECORDS 対談ページ 7
T:五十嵐 正  A:荒田 光一(敬称略)
第1回:男性シンガー/ソングライターは何故売れない?

第2回:ポール・ブレイディとアイルランドの男性シンガー/ソングライター
第3回:パブ・ロックとは何か〜スクイーズ〜途中ロビン・ヒッチコック〜その他
第4回:ロビン・ヒッチコック
第5回:ロビン・ヒッチコック〜グレン・ティルブルック来日レビュー
第6回:ブー・ヒュワディーン「ハーモノグラフ」
第7回:ロビン・ヒッチコックの来日を振り返る
第8回:ロビン・ヒッチコック&ザ・ヴィーナス・スリー「オーレイ・タランチュラ」
 



第8回:ロビン・ヒッチコック&ザ・ヴィーナス・スリー
「オーレイ・タランチュラ」



T:えっと、まずは何を話そうかな。まずは二人には話したけど、ここを読んでいる人にはまだ情報が伝わっていないから、この話題から話さないと。

実は「オーレイ!タランチュラ」が出来たばっかりなのに、実はもう次のアルバムのレコーディングが終わっているんだよね。ロビンの自宅のリビング・ルームで録ったやつが。

今年の夏にマイナス3改めヴィーナス3を伴なっての短期ツアーがあったわけだけど、フェスティバルを中心にイギリスで数カ所、そしてスウェーデンにも行った。それで、ビルとピーターとスコットがロンドンに来ていたけど、ちょうどツアーの真ん中1週間くらい空いちゃうんで、その間にまたレコーディングをしようと考えたわけよ。ウェスト・ロンドンのロビン宅のリヴィング・ルームでやろう、とね。で、オリジナルにカヴァーも交えて・・・まぁ、言うなればディランとザ・バンドの「ベイスメント・テープス」みたいなもんだな・・・。で、できれば色々ゲストを迎えたいとも言っていて、いつものソフト・ボーイズの面々とか、あとニック・ロウに来て歌ってほしい、と。レコーディング前のロビンはそう言ってたけどね。まぁ、あのへんは仲がいいから。で、あとはご近所さんのジョン・ポール・ジョーンズにもマンドリンを弾いてほしいとか、ね。

MP:あれ、アンディ・パートリッジが、どうとかは?

T:アンディは、そのセッションについてはわからない。

A:引きこもりだから(笑)。ロンドンには出てこないんじゃないか。

MP:このレコーディングは、6月ですよね?

T:そうだね。6月中旬くらいかな。僕が会って話を聞いたのが5月半ばの時点だからさ。

ところで、今ロビンに関係する話題といえば、なんといってもシド・バレットの訃報なわけだけど、「Word」(英雑誌)のポッドキャスト聞いた? バレットが亡くなったと伝えられた翌日に、すぐ編集者がロビン宅に飛んで行ったみたいでさ、ロビンに自宅でシドの話を聞くというポッドキャストをやってるわけだけど、それはiTunesなどで無料ダウンロードできるから、皆さんにも是非聞いてほしい。その最後の方で「今、後ろでスコット・マッコーイが空港に向かう荷作りをしています」とか入ってんだよ(笑)。

MP:なんか楽しそうだよねー。いつだったか電話した時もロビンと話してたら後ろの方でスコットとかが「ロビン、コーヒーいる?」とか騒いでいるのが聞こえてたもの。しかし、シド・バレット死んじゃいましたねぇ。

A:そういや、(ラヴの)アーサー・リーも死んじゃったね。

T:残念だね。この前(6月23日)NYであったアーサーの治療費のためのベネフィット・コンサートに120ドルのチケット買っていったのにねぇ。あれはいろんな人たちが出たんだけど、結局はロバート・プラントのショウになってしまったんだけどさ(笑)。イアン・ハンターとかも出たね。イアン・ハンターとロバート・プラントのデュエットなんて珍しいものを観てしまったよ。二人で歌うエヴァリー・ブラザーズね(笑)

MP:へぇー二人の共通項ってエヴァリー・ブラザーズなんだ? ある意味ちょっとダサいかも!(爆笑)

T:ロバート・プラントの世代は、もう完全に・・・・ほらイギリス人が好きなものってさー、最初の音楽体験って結局あのあたりなんだよ。ビートルズは最初「4人のエヴァリーズ」と呼ばれていたんだから。

A:(プラントのサイド・プロジェクト)ハニー・ドリッパーズもそうだけどねぇ。

MP:あぁ、そっか。

T:で、そのポッドキャストで面白かったのはね、シド・バレットの作品について訊かれて、ロビンが言ったことがよくってね。普通ソングライターが曲を書いても、その中に本人の人格は10〜15%くらいしかない、と。例えばジョン・ボン・ジョヴィが・・これも面白くって、ロビンはジョン・ボン・“ジョヴァイ”とわざと言うんだけどさ(笑)・・例えば彼がそこそこ良い曲を書いたとしても、そこに彼という個性が見つけられない。ポール・マッカートニーですら、そこにソングライティングの優れた技巧や素晴らしいメロディーがあることはわかっても、ポール・マッカートニーその人はあまり感じられない、とまで言うんだ。それに対して、バレットの曲は彼そのものだ、と。僕はディランやジョン・レノンやキャプテン・ビーフハートや、そしてバレットのような「パーソナリティ・ドライヴィング・ソング」、つまり直訳すると「人格に駆り立てられて書かれた曲」という感じだから、「その人間がそのまま表れた曲」とでも言うのかな、それに惹かれるんだ・・と、そんな事を言っているんだよ。

MP:シド・バレットのDVD、今、マイ・ブームなんですよ。あのロビンかっこいいですよねぇ。お庭で「ドミノ」を歌うという・・

T:しかしシド・バレットの追悼記事で、ロビンの名前を見ないものはなかったね。すべての記事にシドが影響を与えたアーティストってので筆頭にロビンの名前が挙がってたね。

MP:ミクシィのシド・バレットのコミュに書き込んでみたけど、思ったより反応ないですねー(笑)

T:シドの曲をよく歌うって言わないとダメだよ。

MP:あ、そっか。「ジゴロ・アント」とか「テラピン」とか・・・・書かないとね。

A:そのポッドキャストでもギター抱えているみたいだったね。ジングル風に演奏していたっけ。

T:どの記事みても、だいたいがジュリアン・コープとロビン・ヒッチコックって書かれてたよね。
A:だいたいさー、この「オーレイ!タランチュラ」のアートワークで・・・今どき、ストーンヘンジをバックに撮影なんてのは、ジュリアン・コープかロビン・ヒッチコックくらいのもんだよね(笑)

T:そっかー。

A:昔はホークウィンドとかさ。

T:なるほどね。

A:たしか「Only The Stones remain」だっけ? ソフト・ボーイズ時代の。あのビデオでもストーンヘンジが出てくるじゃない?

MP:えっ、えっ、どのビデオ?

A:「Gotta Let This Hen Out!」。ほらストーンヘンジってドルイドの・・いやもっと昔の人たちかな? 古代の宗教的儀式を行なう場所だったとかいろいろ言われてるけどさ。いまもカルトな連中が集まって、夏至とかにスピリチュアルなイベントをやっているんだよね。たしか、それっぽい映像をに挿入してたと思うんだけど。

MP:へぇーーーっ。荒田さん、よく観てるね!

A:よく見ないと分からないよ。ライヴの部分じゃなくてさ。

MP:あ、確かにあったかもしんない! そっかー。私は単なる観光写真かと思ったよ(爆)。これシアトルから来ている人たちがやたら寒そうっていう。

T:これってさー、合成写真じゃない?

A:そう思った。あるいはフェイクか。

T:そうだよ、合成だよー。

MP:そうかなー。

A:あと、ロビンのお父さん、レイモンドの未発表のSF小説に、ストーンヘンジを舞台にしたものがあるんだよ。魔術師マーリンがヒッピーになって現代にやってくるみたいな、ね。そういうさ、世界遺産なのに、なんかこう「いかがわしさ」もプンプンするよね。

MP:あ、そのいかがわしいって言葉いいね! そうそう、いかがわしいんだよね(笑)

A:ある意味ね(笑)

T:まぁ、オーレイって事だね(笑)

MP:発売日も延びちゃって残念ですが、まぁ内容が良いので、まぁそれなりに(売り上げの数字が)行くと思いたいですねぇ。そうそうこの3人と絲山さんの4人がラフ・ミックスを聴いていたわけですがっていうか、ラフ・ミックスの段階で聴き倒しちゃったわけですが、曲順が変わりましたが、良くなりましたよね?

A:確かにこの方がすっきりしているかも。

MP:最後が「N. Y. DOLL」ってのがいいですよね。ま、日本盤はボートラが入っちゃってるけど。

A:ボートラの「Embryo Twirl」もビートルズっぽいっていうか、グレン(・ティルブルック)がバックコーラスで参加していた「Flesh Number One」みたいなポップな曲でいいよね。この曲がラストでも、まぁ違和感はない。

MP:「Adventure Rocket Ship」が1曲目になって分かりやすくなったかも。もともとの1曲目は「Museum of Sex」でしたけどね。あれは格好よかったけど、今どきCDって、1曲目で引かないとダメだから。

T:「Museum of Sex」が1曲めって、すごく格好よかったけどねー。

MP:誰か「Adventure...」の方がポップだから、こっちが1曲目だといいよ、ってロビンに言ったのかもと思った。ロビンの意志としては「Museum..」が1曲目の方がコンセプトとして聴く人に伝わりやすかったかもって感じじゃないですか。

A:たぶんそのアドバイスをしたのは、スコットじゃないかな?

MP:コーラスが良くできている。

T:コーラスは、クリス・バーロウとショーン・ネルソンが頑張っているよね。

MP:えっとクリス・バーロウは何の人だっけ?

T:ザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカだよ。ショーン・ネルソンがハーヴィー・デンジャーのメンバー。

そうそう、ロビンの音楽のヴォーカル・ハーモニーはちょっと変わってるね、って本人に言ったんだよ。そうかなぁ、とか言うんだけどさ(笑)。もちろんロビンの声自体の響きってのもあるけど。で、今回はクリスとショーンとかが頑張っているわけだけど、ショーンの方はスラーする独特の歌いまわしがあって特徴があるよな、って話になって。で、ロビンは自分で重ねる時は、普通主旋律の3度上をつけることが多いんだけど、ロビンの場合は下につけることが多いんだよね。それがハーモニーの組み立てのメインになるという傾向があるって自分で分析してたね。ほらジョンがポールの歌の下にハーモニーつけることも多くって、その響きが好きだったかから、そこから影響を受けたのかもしれんと言ってた。

MP:なーるほど。しかし五十嵐さんよく話してますねぇ。

T:まぁ、あの時2時間以上話し込んだからな! まぁ今日は僕をロビンだと思って何でも聞いてくれや(笑)(*五十嵐さんは5月12日にロンドンで半年ぶりに会っています)
 
MP:ははは。あと「Belltown Ramble」もいいですよね。スコットのおふざけピアノが。あれはロビンのおばあちゃんのピアノかなぁ。

T:いや、スタジオのピアノだろ。

MP:あ、そっか。リヴィング・ルーム・セッションと勘違いしちゃった。そりゃーそうだ。
A:あれ、ちょっとシド・バレットっぽいよね。

MP:あと「Underground Sun」もいいよね。R.E.M.っぽい? ピーター大活躍。

T:それはバーズっぽいって言うんだよ(笑)。

MP:「オーレイ!タランチュラ」もこっちのヴァージョン収録で良かったのかもね。最初もっと地味なヴァージョンだったもんね。

T:ロビンはあのラフミックスのままで出しても良いくらいだけど、まだ参加してほしい人たちがいるから、と言ってた。ちょうど僕が会った日には、ちょうどショーンがヴォーカルをダビングしたヴァージョンが届いたところだったね。で、やっぱりキンバリー(・ルー)とモーリス(・ウィンザー)には必ず参加してもらいたいみたいだったしね。

A:いや、ほんとモーリスのハーモニーも結構いいよ。

T:やっぱり音楽的に気持ちがいいみたいね。長年の友達だし。律儀だよね。

MP:いや、この前(1月)のロンドンの打ち上げの時とか感動しちゃった。モーリスったら、ロビンの僕(しもべ)のよう。しもべって言わないか。丁稚(でっち)?(笑)ロビンが歌うと、さっと脇にいってパーカッション叩く、みたいな。

T:まぁ、モーリスもね、もう専業としてはミュージシャンやってないわけだからさ。そういう場が楽しいってのがあるんだろうけどね。いや〜、でもね、世間のロビンのイメージだとね、こんなに友達を大事にするとは思われていないだろうなあ。だって、イメージは「孤高のカルト・ヒーロー」だからさ(笑)。

MP:でもこのCDはすごい「お友達アルバム」だよね。

A:やっぱりキンバリーとモーリスの存在は大きい。「Authority Box」のあのギターとか聴くとね。

T:ソフト・ボーイズのときはね、キンバリーと自分のギターの差が出ちゃってバランス的にダメになっちゃったって言ってたけどね。

MP:(キンバリーのソフト・ボーイズへの加入は)ストーンズにジミ・ヘンドリックスが入ったようだったって説明してましたよね。あれはうまい説明だなぁ、と思った。

T:そういう話をしながらも、今でもキンバリーに入ってほしいって事なんだよね。ちょっと意外なくらいだよね。

MP:まぁ、でもホント、ロビンは人もすごく素敵だもんね。

T:まぁ近年は主にソロで、フォーキーにツアーをやっているわけだけど、それでも積極的にいろんな人たちとジャムったりとかやっているものね。

A:「Adventure Rocket Ship」って、KCRWの有名な「Morning Becomes Eclectic」でのゲスト・セッション(試聴可能・最後の曲)ですでに新曲としてやっているよね。(リンクはこちら
あれ最初に聴いた時、独りでアコギでやっててさ、あまりぱっとしない曲だなって思ってたのよ。

MP:えーーーっ。あれって結構前じゃないですか。すでにあの時点でやってたんだ。

A:そうそう。で、途中でわからなくなったんだか、途中でシドロモドロみたいな(笑)

MP:はははははははは。

T:書いたばっかりの時だったんじゃない?

A:あとね、歌詞も違うんだよ。2行分くらいだけど。

MP:すごい、荒田さん、チェック厳しい!!(笑)

T:そうだよねー、今回の歌詞だって、ロビンが書き出してメールで送ってきた歌詞カードとだいぶ違うんだよね。僕は実際に歌っている方を優先で訳したけどさーっ! そうそう、だから僕がブックレットで訳しているのは、歌っている方を訳しているんで、これ、英文歌詞と訳を並べて載せているけど、右と左が違っているのは、そういう事情なんです、皆さん(笑)

MP:あ、それそれ、ここに書いておかないと(笑)

T:あと、インタヴューした時に言ってたんだけど、「Adventure Rocket Ship」って宇宙が舞台なんだけど、ファラオとかミイラとか出てくるじゃない? これは「ゴーストの歌」、ゴーストが人間やロケット、地球に警告している、とか言っていたね。「星に衝突する」って。

A:「Hungry Ghost」についての歌とも言ってたな。つまり「餓鬼(がき)」ってことになるのかな。仏教から来ているはずだけど、輪廻できなくて彷徨っている亡霊というイメージ。なんか最近のライヴのMCで言ってたのを思い出した。

T:まぁ、ロビンの場合、ライヴのMCで言うことはその時の気分で、冗談かシリアスか分からない時があるからなぁ。でも、そのような事、僕にも言ってたね。このアルバムはさ、死と生、生命の象徴としてのセックスのアルバムだからさ。「Underground Sun」は亡くなった友達への歌。これはメモリアルな歌なわけだよ。で、「Museum of Sex」はセックスに関する歌。で、「Ole Tarantula」もセックスの歌、セックスを称える歌なんだよ。

タランチュラってよく毒グモだって思われているけど、本当は致死にいたる毒はないんだよな。で、セックスというものは、保守的な宗教者とかがタブー視する事もあるわけだけど、でもセックスがなければ、生命はないし、それこそ生命の根源である、と。で、タランチュラってのは毒グモとされているけどそうではない、っていう、ひとつはそれを象徴しているんだな。もちろん、ロビンがいつも言うように「そのもののビジュアルをイメージしてくれ」ってのはあるんだけどさ(ロビンは自分の歌詞は何か具体的なものの比喩とか解釈をもとめる物ではない。単にその絵やイメージを想像してくれ、と常日頃発言している)。でも最後に歌詞に「すべての人生は罪に満ちているとカトリック教徒は言う」って出てくるよね。それは、まぁ、もろにその事に触れているんだよね。

「Red Lucust Frenzy」は(妻の)ミニーに対する熱烈なラブソングだからさ。で、「N. Y. Doll」これはもう死んだ人(ニューヨーク・ドールズのアーサー・「キラー」・ケイン)への追悼メッセージ。ボーナストラックはそれこそ「胎児」。だから、やっぱり「死とセックス」のアルバムなんだよ。

荒田くんのライナーは良いよね、この部分「ソフト・ボーイズ時代から現在まで、“セックスと死”はロビン・ヒッチコックの音楽を語る上で、ずっと欠かせない要素だった」。まさに、それだよね。日本盤のライナーノーツ読んで、ここまで内容を理解しているライナーは少ないよ、ほんと(笑)

MP:まとまっちゃいましたね。

A:五十嵐さん、ジャケットのイラストの話とか聞いてませんか?

T:最初聞いたときは、タランチュラのイラストと、トロリー・バスのイラストを使うって言ってたんだよ。

MP:そういや「Adventure Rocket Ship」はアニメーションになるって言ってた。プロモビデオなんだけど、たぶん来日までに間に合わないだろーなー。皆さんに見せたいんだけど。ロビンが元のイラストを書いて、それがアニメーターのところにいって、プロモビデオになるって言ってた。間に合えば、アコースティック・ライヴの日とかに流したいんだけどなぁ。

T:原画があれば、それスライドにしてもらうとか? そういや今回もロビン・カフェは無理かねぇ。(前回もどこかのバーを借りて、公演2週間くらい前から、彼のアートを展示するロビン・カフェをやろうというアイディアがあった)

MP:まぁ、無理っすねぇ。でもFABさんがバーの前がギャラリーになっているので、公演数日前にイラストを展示してくれると言ってた。あ、そうそう、それからトラフィック・コーンは、またやってもらおうと思って。

T:そういや去年コーン買った人から連絡ないの? コーン買った人、床の間に飾っているのを写真に撮って送ってきてね! 床の間でなけりゃ、玄関に飾るのかな? そういやロビン、新作に合わせたTシャツとかのマーチャンタイズはないのかね。これで(女性用の)小さいTシャツとか作ったら可愛いだろうけどね。

A:見ようによっては、キモカワかも! ま、個人的にはこっちのトロリー・バスのドローイングをプリントしたTシャツがほしいな。

T:はははは。いやロビンのいくつかある絵をプリントしたらいいだろうけどなぁ。ロビン・ファンは男の子が多いのかなぁ? チビTとか、キャミソール・タイプのやつとか、可愛いよねぇ。

MP:タッド、マーチャンタイズ部長やった方がいいよ。マジで。

T:実際、マーチャンタイズで稼がないとねぇ。ツアーはね。

MP:ありがとうございます。でも、ほんとそうだよね、ボッとしてないで、いろいろ考えろだよ。あ、そうそうスコットはアナログ盤を送ってくれるみたいなことを言ってた。

T:マイナス5やYFFの近作のアナログ盤ってあったっけ? そういや「Spooked」はアナログもあったよな。ギリアン(・ウェルチ)は年末に新譜が出るみたいだけどさー、出してよー。

MP:それまでこのレーベルが存続すれば、ですねぇ。しかし「Museum of Sex」は名曲ですよね。

A:うん、サックスが入ってちょっと印象変わったよね。

MP:あれ、最初は入ってなかったっけ? 

T:そうそう、最初は入ってなかった。そういやリビング・ルーム・セッションにもホーン・セクション入るって言ってたなぁ。リビング・ルームに入りきるの?と訊いて、スプリングスティーンの新作「シーガー・セッション」ではホーン・セクションを廊下で録ったって話をロビンにしたら、「俺の場合、ホーンはバルコニーだな」って言ってたけどなぁ。

A:リヴィング・ルーム・セッションにニック・ロウは入ってほしいよなぁ。

MP:ニック・ロウは人気ありますからね、日本でもね。(後日談:どうやら参加したようです)

A:スコットがやっているニック・ロウのカヴァー・バンドがあるよね。ロウ・ビーツだっけ?

T:そういやクライヴ・グレッグソンのエニィ・トラブル再結成って話があるじゃない? ちょっと延びちゃっているけど。あれさ、例えばパブ・ロック・フェスティバルとか銘打ってやれば日本でも人が集まるんじゃないか? で、Oak Tree主催のパブ・ロック・フェスとなると、クライヴ・グレッグソン & Any Trouble リユニオンにスコット・マッコーイ率いるニック・ロウ・トリビュート・バンド。スコットは、ニック・ロウの曲なら何でもできるそうだから。世界一のニック・ロウ・トリビュート・バンドだって言ってたぞ。うん。僕はほんとに毎年でもスコットが来れるよう、いろいろ企画を考えているから。

MP:ははははは。スコット、毎年来てほしいなぁ。あぁ、イアン・ゴム呼ばなくちゃ。

T:わかった。Clive Gregson with Any Trouble Reunion,  Special guest Ian Gomm。で、イアンはエニィ・トラブルでバックすればいいから! で、クライヴに仕切ってもらえれば大丈夫だろ。

MP:クライヴなら仕切れる、仕切れる。

T:それにスコット・マッコーイ率いる世界一のニック・ロウ・トリビュート・バンドだ。

MP:それ何人でやれるかな。

T:4人だな。3人でもいいかも。それから来年はウェズ(ジョン・ウエズリー・ハーディング)の企画もあるしな。

MP:そういや、それもう本人が有り難いことにレコーディング・スタジオで「日本じゃOak Treeから出るんだ」ってスコットたちに言ってるらしいよ。(五十嵐さんのおかげ)

T:そうだよ。僕はいろいろ考えているんだよ。それはまぁ、あとでゆっくり話すとして。ポージーズのジョン(・オウア)もマイナス5のオリジナル・メンバーだし、何かしてあげないと。

MP:ロビンも呼ばなくちゃ。

T:ロビンとのデュオは・・

T/MP:(声をそろえて)Red Locust Frenzy!

T:スコットを軸にしたら、なんでもあるよ。

MP:いいなぁ、いっぱいバンドがあって(笑)。

T:まずはスコットをもっと有名にしないとな。なにせドーナル・ラニーがあんなに有名になった日本だからな。裏方が有名になるってのはできないことじゃない。

A:そういや「ローズ・イン・タイドランド」って観た?

T:テリー・ギリアムの? まだ観てないや。

A:すごくいいですよ。ジェフ・ブリッジズが、元ロック・スターでジャンキーの役で。

T:あれって、不思議の国のアリスのテリー・ギリアム版って事でしょ?

A:主人公のイメージがアリスとだぶることはあるけど、ストーリー自体はあまり関係ない。いや、ほんと、それこそロビン・ヒッチコックですよ。セックスと死、クモ、アリ、ハチ、魚も出てくるし、幽霊女、マミー(ミイラ)も出てくるし、ロビン・ヒッチコック的なヴィジョンがいろいろ出てくる。

T:おぉ、じゃあロビンにどう思うか聞かないと。

A:ちょうど来週からロンドンで公開になる。

T:日本先行なんだ? そういやテリー・ギリアム、主役の子供つれて、プロモーションで来てたでしょ?

A/MP:えっ、来てたの!?

T:テレビに出てたもん。

A:アメリカもこれから公開だったはず。

T:へぇ。日本の配給元によほどのテリー・ギリアム・ファンがいるんだな。あれって、音楽誰だったっけ?

A:音楽はカナダ人。たしかエゴヤンの『スウィートヒアアフター』とかやってた人(マイケル・ダナ&ジェフ・ダナ)。

T:なんか挿入歌っぽいのが使われていたような・・

A:サントラはライコからなんだけど、日本盤は出てないし、イギリス盤だけかな。しかもまだそれも出てない。イギリスの公開はこれからだから。

MP:そうなんだ。なんかよくプロモーションされてたっていうか、雑誌で記事はよく見ましたよね。

T:テリー・ギリアムとロビンは知り合いじゃないよね? モンティ・パイソンには影響を受けたってロビン言ってたけどね。(俳優の)アラン・リックマンはロビンのファンで友達らしいからさ。

MP:まぁ、でもロック・セレブのおつき合いでどっかで会ってそうですけどね。

T:「N. Y. Doll」は、映画の日本公開前にいろいろ出来なくて、おしかったよねぇ。

MP:ラフ・ミックスの段階で外に音を出せなかったんで、二の足ふんで配給会社に連絡しないでいたら、東京での公開が終わっちゃってた。でもアコースティック・ライヴの日に、抽選会用に配給会社さんがノベルティを提供してくれるかもしれない。アコースティック・ライヴの日はスクリーンも使えるから予告編流せるかも。

T:ロビンはあの曲はドキュメンタリー映画に感動して次の日にあの曲を書いたって言ってたからね。

A:僕が観に行った日には、30〜40人くらいしか入ってなかったからなー。もっともレイトショーでの公開だったし。

MP:良かったですか?

T:いや、なかなかね、人間はね・・哀しい生き物だね・・やっぱりねぇ・・

MP:おぉ、すごい感想ですね(ちゃちゃを入れる)

T:・・人間はね、やっぱりね・・つまりニューヨーク・ドールズってさ、今でこそパンクに影響を与えた重要なバンドとか言われているけど、当時はほんとにさ、地域的な人気しかなかったわけよ。ニュー・ヨークとその周辺と、それからロンドン。別に全米的に人気があったわけではないんだよね。一部のメディアで騒がれたのはあったけどさ。でも別に超スーパー・スターとかじゃなかったわけよ。それでもやっぱり彼らは一瞬のスター気分を味わったわけ。その頃の話をすると、もうホテルに若い女の子がゴロゴロ寝てたとか本人も語っているんだけど。

で、解散後、デイヴィッド・ヨハンセンは、別の名前バスター・ポインバクスターでやったりとか、映画やTVにちょこっと出たり、彼はいろんなことをして芸能界に生き残っている。アーサー・ケインは、その後いろいろバンドやったけど、どれも売れなくってさ、有名にはなれなかったんだよね。で、ドラッグ、アルコールに溺れて3階から飛び下りて怪我したりとかさ。

結局モルモン教に目覚めて、映画に出てくるんだけどモルモン教のセンターの図書館みたいなところで地味に働いていた。一緒に働いているのはおばあちゃんとかだよ。本人も頭が薄くなっておっちゃんなんだけど、それでもやっぱり・・・忘れられないんだな。金もないからベースも質屋に入れてしまったのに、心の片隅ではもう一回スポットライトを浴びたい、と。そういう気持ちを捨て切れなかったんだよな。

A:質屋に入れたままだったベースを買い戻しにいくシーンがあるんだけど・・

T:そのお金もそのドキュメンタリーを撮っている彼が出してあげてんだよね。モリッシーが声かけてくれたおかげで、ニューヨーク・ドールズを再結成してメルトダウン・フェスティヴァルに出演することになった。でも楽器がないってんで、質屋にベースを取りに行くんだよ。

A:あの映画を撮り始めた時点では、まだメルトダウンに出ること自体も決まってなかったんだよね。

T:もともと彼が元ニューヨーク・ドールズで、今こんな境遇にあるってことで興味があって、その彼は撮りだしたわけ。そこにモリッシーの話が来て。

A:それが2年前。

T:ヨハンセンが映画とかテレビに出ているのを見かけたりするわけさ。それで、それに対してすごく嫉妬を感じていたって、告白するんだよ。

MP:そんなもんですかねー。

T:うーん、だからさぁ。ほんの一種のフェイムを味わったことが・・・・生涯忘れられないんだよね。最後は一瞬のスポットライトを浴びれたわけだけどさ。メルトダウンでロンドンに行ってさ、そこそこ良いホテルに泊めてもらうんだけど・・・・で、部屋の装飾とかさ、そういうのに対して「おぉー」とか言ってるわけよ。

A:そう、でも、そんな豪奢なホテルってわけじゃないんだよ。シティ・ホテルに毛が生えたようなもんだよ。

MP:へぇー。

T:それでもそういうホテルに泊めてもらってさ、感動しているわけよ。で、遂にステージに立つ、と。そして、その直後に急死するわけだけど。人間ってさ・・・ダニエル・ジョンストンの映画「悪魔とダニエル・ジョンストン」の方は観た? 

秋に公開が決まって試写をやっているらしいよ。これもシンガー・ソングライターのドキュメンタリーで、ロンドンでは5月に公開されてて僕は向こうで見たんだけど、重いそううつ病で精神病院に何度も入ってる人でね。音楽自体は素人がカセットで録っているようなそういう感じなんだけど、素晴らしくってね、非常にカルトな人気があるんだ。彼も・・・病気をかかえているから両親と一緒に住んでいたりするわけだけど・・・彼も人気もあるんだけど、「大人になれない子供」みたいな感じで日本のファンはみているところが大きい。でも、実際はものすごい状況でさ、場合によっては周りに危害を加えたりとかもするんだよ。

そんな彼も自分の才能を子供のときからわかっていて、それを人に認められたいという、すっごい強い気持ちがあるんだよね。でもなかなか認められない。そこがすごいフラストレーションで・・・人間のね、なんというか人に認められたい、というかさ、日のあたるところで何かしたい、ってのはさ、こういう欲望ってのは恐ろしいもんだな、と。まぁ、そういう気持ちがアーティストの創造活動の糧でもあるんだけどね。

A:いい詞だよね。次の日に書き上げたとは思えないね。

T:次に日にさっと書けたって言ってたね。ロビン、よっぽど心が動かされたんだろうね。ドールズの音楽自体はほとんど興味が無かったらしいけど。

MP:お客さんでこの曲をロビンがやっていることについて共感している人がいたなぁ。「映画大好きなんで、早くこの曲が聞きたい」ってメールくれた人いたなぁ。

A:あの映画は、ほんとバンドやっている人は観た方がいいよね。しかし今回のロビンのアルバム、詞を書いたのはロンドンの自宅じゃないですか。でも、出てくる地名は、アメリカばかりっていうか、サンフランシスコだったりシアトルだったりしますよね。

T:あ、それ言ってたね。今回はアメリカの西側半分が多いな、って。「オーレイ!タランチュラ」はアリゾナでしょ。「ブリッグス」はサンフランシスコ。あとは「Belltown」のシアトルとかね。このアルバムはアメリカの西側半分が多いって言ってた。サンフランシスコには昔ガールフレンドがいて、しょっちゅう行ってた時期ってあったみたいね。シアトルはもちろんしょっちゅう行くし、アリゾナはミニーがギャラリーで個展ををやったり、ハウ・ゲルブが住んでたりとか、そいうのが背景にあるわけだけど。

MP:しかしほんとライブ楽しみだなぁ。2回しかちゃんとしたライブがないのが残念ですよね。まぁ、仕方ないんだけど。

T:アコースティック・ライヴはどういう風に考えてんの?

MP:今、思っているのは、ゲストを呼んで・・今、決まっているのは絲山さん和久井さんと・・・・で、ほんとはビルとピーターとかにSlow Musicのさわりとか聞かせてほしいなぁ、とか思っているんだけど・・

T:あれはロバート・フリップがいないとね。

MP:ロバート・フリップの役をスコットが代わりにできるのか。インプロのバンドらしいんですけどね。

T:そりゃー、フリップの代役なら、アイオナのデイヴを呼べばいいだろう。はははは。

MP:今の時点では・・・もういっそのこと半分くらいは、普通のライヴでもいいかもね。

A:あとは●●(某、同時期に来日するみんなと仲のよいアーティスト)。

全員:はははははは

MP:一応、その●●を呼んでいるところには、メールを送った。「みんな仲良しみたいなんで、こちらは楽しみにしてますから」とか、「ウチは受け入れ体制できてますから都内にいらっしゃったら遊びにきてください」「当日携帯に連絡でも結構ですし、いきなり来てもらってもいいですから」みたいな感じで。あとはもうアーティスト同志に連絡とらせて適当!って感じ。でも本当に来たら、すごいよね。まぁ、あとはロビンにアコースティックで40分くらいとか・・もうなんか3時間くらいやっちゃおうかなーと勝手に思っている(笑)

T:やっぱりロビンは、まずソロ。そしてレッド・ロカスト・フレンジー(スコットとのユニット名)・・

MP:いや、だから聞いたんですよ。レッド・ロカスト・フレンジーって、レパートリーは何やってんのって。そしたら返事が来ないんだもの(笑)。あとは、もう例えば、レッド・ロカスト・フレンジー、スロー・ミュージック・アコースティック、マイナス3アコースティック、マイナス5アコースティック、マイナス5エレクトリック、ロビン・アコースティック、ロビン+ヴィーナス3アコーティック、で、最後はロビン+ヴィーナス3エレクトリック・・とかね!

T:あとは有名日本人ミュージシャンにも招待を送るだね。「客として来てください」って。

MP:ははははは。ギャラ払ったら、大変だもんなぁ。

A:カバー曲もたくさんやってほしいよなぁ。

MP:たぶんね、7、8日はカバーなんてやる時間ないよ、きっと。だからシド・バレットとかは、もう6日に歌ってもらっちゃいたいですね。しかしスロー・ミュージックって何やってんでしょうね。インプロだから、インプロなんでしょうけど。

T:ビルはたしかスロー・ミュージックでは、キーボード弾いているみたいよ。ビルが仕切ってんだよね、あのバンドは。

MP:そうそう。ビルのバンドみたい。

T:ミニストリーだからなぁぁ。

MP:ヘヴィ・メタですよね?

T:あぁいうのは、インダストリアル・ロックっつーの。あ、そうそう、ロビンがビルと最初に会ったのはね、娘がミニストリーのファンだったらしいよ。で、一緒に観にいって楽屋で会ったのが最初だったって言ってた。

MP:タッド、さすがいろいろ話しているだけあって、ネタもってますねー!!

T:ピーターと最初に会ったのは、どっかで軽く会ったりもしたんだけど、親しくなったのはR.E.Mがジョン・ボイドのプロデュースで・・タイトルなんだっけな・・

A:あぁ、ロンドンで録ったやつ。

T:「Fables of the Reconstruction」(邦題「玉手箱」)か。その時に、スタジオが当時ロビンが住んでいた場所と比較的近いってんで遊びに行って、そのあたりから親しくなったらしいよ。その後、ロビンはR.E.M.のツアーで前座とかもしたことあるけどね。

MP:スコットとロビンっていつ出会ったのかなぁ。

A:エジプシャンズの前座をYoung Fresh Fellowsがやった時と言ってたような気がするなぁ。

T:で、スコットがシアトルに住んでたから、ピーターもシアトルに住むようになり・・・みんなスコットがいるから集まってきちゃうんだよな。

MP:他のR.E.M.のメンバーはみんなアセンズなんですか? 

T:金持ちだから、幾つも家を持っているだろうけど、マイケル・スタイプはたぶんニューヨークで過ごす時間が多いんじゃないかなぁ。

MP:マイケル・スタイプって、ナタリー・マーチャントとつきあってたことあるんですよね?

T:当時本人たちは男女関係はないと否定してたけど、その後に認めてた。ほら、マイケル・スタイプはバイだからさ。ナタリーとは男女関係を超えた親友だって言ってたわけだけど・・

MP:あの二人だったら、スピリチュアルなところで共感しそうですよねぇ。

T:で、今はスコットはポートランドだから、ピーターもしょっちゅうシアトルからポートランドに行っているらしいよ。

MP:まぁ、近いですもんね。

T:車で飛ばせば3時間くらいのはず。

MP:ピーターとビルはシアトル発ですね、飛行機は。

T:あ、そう。そうそうポートランドって直行便あるんだよな。

MP:そうそう、ノースウェスト。スコットはノースウェストで来る。

T:うん。ニューヨークからポートランド乗り換えで戻ってきたことがある。ポートランドといえば、コリン・メロイ来てほしいよなぁ。

MP:マイナス5のアルバムで、彼が歌っているトラック、いいですよね。いい声してる。

T:ディセンバリスツって日本はどこが出してたっけ?

A:日本盤って出てないんじゃない? メジャー契約したから新作はキャピトルからだよ、たしか。

T:あっちの方が売れるぞ、おい。今のインディーロックみたいなのって、もっと若い人も買うからさ。

MP:親父ロックじゃダメか。

T:コリンのソロ・ツアーだけで売っているEPとかほしいんだけどなぁ。

A:あのイラストレーターいいんだよなぁ、ディセンバリスツの。ジャケット描いている人。

T:有名なの?

A:そんな有名じゃないんだけど、本人のウェブサイトがあってそこで作品が見られるはず。なかなか良いと思った。

T:そういや、この前ロビンが出たっていう、昆虫フェスティバルどうだったのかなぁ。「Madonna of WAPS」にはじまって、昆虫ヒットばかりを歌うって言ってたからなぁ。

MP:日本でもほんとフェスティバルにブッキングしたいですよねー。フジは今年プレゼンしてダメだったけど。で、結果、ロビンの公演は、朝霧と、もろ重なっちゃいましたけどね。

A:マッドネス見たかったなぁ。

T:盛り上がったらしいよね。ホンダ、ホンダ、ホンダ、ホンダやって(笑) まぁ、マッドネスは人気あるよね。

A :すごいよね。毎年でかいフェスティバル一杯でてるよねぇ。

MP:そうなんだ。一時代を築いたんですかねぇ、やっぱ。

A:ヒット曲があると強いよなぁ。

T:ディーコン・ブルーも秋にまたツアーするみたいよ。ハコはハマースミス・アポロとか相変わらずでかいよ。

MP:かーーーっ、リッキー(・ロス)やりたい!

T:そういや昨日スクリッティ・ポリッティ行った?

(ここでスクリッティ・ポリッティ話で盛り上がる)

MP:スクリッティ・ポリッティ、ツアーちらしの折り込み頼もうか迷ったんだよなぁ。

A:うーん、でもロビンとは客層が違うだろう。

MP:ロディ・フレイムとかどうかなぁ。クリマンって付き合いないけど。

A:そっちの方が近いかもしれないね。

T:エミリー(・スミス)もプロモーションしてる?

MP:いや〜、なかなか時間がなくて。でも折り込みたくさんやりますよ。プランクトンのチャボロの時とか、ラーナリムの時とか。

T:いいね。ロン(・セクスミス)の時は、グレンからロビンから全部入れてもらった方がいいんじゃない? そういや「ディフォード&ティルブルック」がアメリカで再発になったね! アメリカではずいぶん長い間、廃盤だったみたいで。ま、ボーナスとか何もなかったけどね。でも一応リマスター。

MP:あのアルバムは音が良いからリマスターしたら映えるんじゃない?

T:iTunesでもダウンロードできる。

MP:「オーレイ!タランチュラ」はiTunes他、ダウンロードサイトにも出そうと思ってますよ。

(ここでダウンロードの話題で盛り上がる)

MP:そういや、イギリスからロビンとスコットのおっかけさんたちが3人も来ますよ。(結局、総勢5人になった)

T:熱心だよねぇ。最後の東京湾クルーズまで来るわけ? そういや最近向こうでは音楽のボート・クルーズ流行っているよなぁ。カリブ海のクルーズとかで、ブルーグラスからブルーズ、アイリッシュまで、いろんなジャンルでやっているね。結構いい値段だけど流行っている。

MP:何が似合うって、グレンとグレンのバンドでボートやったらいいだろーなー。キマるよ、きっと。

T:そうそう、スクイーズのリイシュー情報なんだけど、遂にユニヴァーサルがデラックス・エディションのシリーズを出すみたいよ。日本盤はどうなるかわからないけど。年末に「EAST SIDE STORY」のデラックス・エディションを出すのが最初みたい。

「EAST SIDE STORY」って、最初はLP2枚組の企画で、プロデューサーを4人たてるってのが元々の企画だったわけ。ポール・マッカトニー、デイヴ・エドモンズ、ニック・ロウ、エルビス・コステロと、それぞれ片面ずつね。それがポールはいったんオッケーしたものの「Tag of War」のレコーディングが延びてダメになった。

で、最終的にコステロのプロデュース作になったわけだけど、ニック・ロウとも何曲かやってんだよな。かつデイヴ・エドモンズとのセッションも1曲あるのかな。で、今回は2枚組でDISC1はオリジナルなんだけど、DISC2にはコステロ・セッションのアウトテイクとか、いろいろ入っているらしい。だから「Tempted」のグレンがリード・ヴォーカルのテイクのやつも入る。これから、次々と過去の作品が出ると思うよ。去年の来日時にグレンが発売を考えていると言っていたデモ集の音源は結局そっちに収録されることになったんじゃないか。

MP:グレンは新譜も出るんだかって感じ。最後の情報では来年2月って言われているけど、これはすでにもう無理。当初2月新譜の2007年GW中にバンドで来日とかいいなと思ってたけど。なんか、今度の東京のライヴもレコーディングするだのしないだの言ってて、グレンはほんと予定がたたない(笑)

T:同じところで5日やるんだから、ライヴ・レコーディングは、いいよねぇ。

A:きっと、いいものが録れると思うけどね。

T:けっこうレアな曲も録れるんじゃないか? ・・・そういいやさ、1日目とか最初の方、リクエスト箱とか作ったら、どう? 

MP:あ、それナイス! タッド、めっちゃナイスなアイディア。それ、即採用!

T:1日目と2日目にリクエストを紙に書いてもらって、それを見ながら3日目以降はやるってどう?

MP:いいねぇ。お客さんも本人も喜びそう。

A:チケット一番売れているのはいつ?

MP:土曜日ですね。

A:土曜日って何日目?

MP:4日目。たぶん土日は売り切れると思う。

T:話題をロビンに戻してさ、1曲提供しているハリケーン・カトリオーナのベネフィット・アルバム「Graciously」聞いた? ジョン・ブライオンが参加しているから、「Jewels for Sohpia」のアウトテイクだろうね。アルバムには他にハウ・ゲルブとか、キャレキシコとかが入っている。

MP:へぇ。そういやロビンのBBCのやつ(「This Is The BBC」。95〜99年のBBCセッションを集めたアルバム)、少し即売用に入れるか。MSI経由でいれられると思う。(けっきょくMSIさんの協力で少しですが入荷することができましたので、みなさん会場で買ってね!)

T:もう一つはグランド・リー・フィリップスの新譜「Nineteeneighties」が80年代ヒット曲のカバー集でさ、「I Often Dream of Trains」のカバーをやっている。あとはあなたみたいなTop40研究会にはたまらない、キュアーとかさ、そのへんをやってんのよ。R.E.Mもやってたね(「So Central Rain」)。あんなの日本盤でないだろーなぁ。ロビン&グランド・リーで一度呼びたいけどねぇ。

A:あのライヴのDVD(「ELIXIRS & REMEDIES」Robyn Hitchcock and Grant Lee Phillips)もいいもんねぇ。あれ製品自体はDVD-Rなんだよね。やけに手作りっぽい。

MP:そうなんだ。気付かなかった。そうそう、あと年内のリリースとしてはロリーナの新譜を出しますけど、Oak Treeでやろうと思って。楽しみにしててください。DDCJ5008になります。さーて、対談はこんなところかなぁ。ご飯、何食べにいきます?(と、すでにお腹がペコペコ)

A:これYep Rocで出している新作のプレス・リリースなんだけど、本人のコメントがいいよね。「スマートなガレージ・バンドみたい」ってところ。

T:あぁ、ロビン、僕にも言ってってたなぁ。スコットやピーターは、ロビンよりちょっと若いから、パンクの影響を受けているって。で、彼等はアメリカ人なんで、ガレージ・ロック的な要素があると。だから、僕らはスマートなガレージバンドだなって言ってたな。

A:アンディ・パートリッジとは結局「共作」ってことになっている。

T:うん。どうやらロビンの書いた曲を編集するような感じ? ここはいらないとか、ここはこうしたら、みたいな感じだったらしい。最初からべったり一緒に共作ってわけじゃないみたいよ。でも、今は別プロジェクトで共作しているから、それはアンディと一緒の部屋で実際で作っているみたい。

A:XTCのホームページには共作している、って書いてありましたね。

MP:あ、もうオフィシャルに言っているんだ?

A:でも、そこに書いてある「LOVE」って曲が僕は「'Cause it's love」になんじゃないかと思ったんだけど違うのかな・・

MP:うわ〜、するどい。

A:曲がというよりアレンジが、アンディっぽいと思うな。

T:アンディとは年令が一緒なのかな。で、ビートルズをはじめとして影響を受けた音楽がほぼ一緒だと。

A:アンディはシドがいた頃の初期ピンク・フロイドが大好きだしね。

T:いろんなミュージシャン仲間がいるけど、その中で一番年令的にも音楽の趣味も近いと言ってた。で、最近XTCはデモ集を出しているじゃない? で、ロビンが「あれ聞いたことあるか」って言う話になって。「聞いたことがあるよ」と言ったら、ロビンは「俺はあのままでいいんじゃないかと思う」って(笑)。

A:いや、実際、XTCはデモの方がいい時があるよね。全部が全部じゃないけどさ。デモの方がいいって声は絶対にあるよね。アンディの場合、編集やミックスでいじくりまわす癖があるでしょ。それで、ダメにしちゃっている傾向がある。ひとりよがり的な方向にいっちゃっていることがあると思うんだよね。

T:そうそう、それで思い出したけど、この「オーレイ〜」はほとんどテイク1、2、3で録られたみたいよ。ライナーを荒田くんが書く時にロビンに聞いた話を伝えたけど、これ言ったかどうか忘れちゃった(笑)、ほとんどがテイク1って言ってた。テイク1じゃなくても、せいぜい2、3テイクくらい。・・・あれ、どの曲がテイク1って言ってたかなぁ。

A:「Museum Of Sex」でしょう。最初に聴いてたラフ・ミックスのCDRの1〜5曲目はそのままスタジオで録音した順番だっていう話だった。

MP:へーっっ! 

T:そうそう、スタジオで3人に曲を聞かせて、で10分くらいで「せーの!」でとったって言ってたよ。で、何かの曲の時は、疲れているスコットがソファで寝てて、それを「スコット、やるぞ」って起こして、スコットは「あぁ〜?」って言って起きて、で、ぱっとやって録ったって。つまりそのくらいのノリで録ったと。でも、それこそそういうフレッシュな感じを押さえたかったみたいね。さっきのアンディの話と逆でさ、バンドも曲を聞いた感じだけで、ぱっとやると。

曲については、さっき荒田くんが言ったみたいに、ちょっと歌詞をいじったり、曲自体はいじることはよくやるよね。ライヴでやってみて、その後シェイプアップしたり、とか。レコーディングに関しては早いんだろうけどね。曲に関してはそういういじったりするのは好きだけど、レコーディングに関してはそういうスポンテニアスなものを大事にしたいんだろうね。

A:一方のアンディ・パートリッジは、スタジオに入ってからが長い人。で、プロデューサーと音づくりで揉めたりするんだよな。ロビンはほとんど自分と一緒にプレイしたミュージシャンでしょ。サウンド・プロデューサーってのは立てない。ロビンは細かい音響的なことにはそれほどこだわってはいないんじゃないかな。あ、プロデューサーといえば、ポール・フォックスの使っていた「skosh」という単語、ロビンから聞いたんですよね?

T:そうそう。僕が対訳をやってて、「skosh」というわからない言葉があったから、ロビンに「これって新しいスラングかなんか? 辞書ひいても見つけられないんだけど」といったら、それは「ポール・フォックスから習った言葉だ」って言ってたわけ。で、意味は?っていったら「little, tinyだ」って言うからさ。日本語の「少し」じゃないか、それって(笑)。で、「それ日本語だよー、ロビン」って言ったら、ロビンは「そっか、日本語なのか」っておもしろがってたけどね。

A:ポール・フォックスとやったのは・・

T:A&M時代にね。

A: XTCの「オレンジズ&レモンズ」ってポール・フォックスが手掛けたじゃないですか? その1年後か2年後だっけ、ロビンが彼と「Perspex Island」やったのは。

T:「オレンジズ&レモンズ」の後だっけ?

A:そのはず。ロビンのA&M最後のアルバム「Respect」はジョン・レッキーがやっているけど、XTCは3作目までがジョン・レッキーだったね。

T:ポール・フォックスって日本のアーティストやったことある? 

その後、一行の話題は、年末のケルティック・クリスマスへと移っていくのであった。

2006年8月11日 新宿ルノアールにて

では、みなさん、会場でお会いしましょう!
コンサートの詳細はこちら。「オーレイ!タランチュラ」の詳細はこちら

 


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