THE MUSIC PLANT REPORT - April  2004


実はヴェーセンの日本ツアーが始まる前から、おそらく私はこのツアー中に彼等の事が大好きになってしまい、直後に予定されているスウェーデンで行われるツアーを見にスウェーデンに行ってしまうんじゃないかという予感はあった。そしてその予感は適中した。これだけ思い入れがあるバンドが、あんなに素晴しい演奏を聞かせてくれて、そしてツアーが終わって彼等を見送った後、どうしてそのままでいられよう。

お客さんから感動のメールが山のように入る。「また見たい」と。私だって、見たい! 実際自分が作るライブの現場ではゆっくり彼等の演奏を聞くことはなかなかできない。ゆっくり見たかったよー。またこの日本ツアーを楽しみに〜楽しみに〜楽しみに、あまりにも楽しみにしてきたおかげで、心に穴なんてもんじゃない。もう心がどっかに吹き飛ばされてしまったようだ。そしてヴェーセンでできた穴は、ヴェーセンでしか埋まらない。4月13日、空港で3人を見送った時、3人ともちょっと寂しそうにはしていたものの、私は空港ではいつもドライに見送ることにしているので、彼等も男らしくゲイトに消えていった。でもって私は心の中で、すでにスウェーデンに行くことを決めていた。このツアーをのがすと、ツアーはおそらく9月のアメリカまでないし。9月までなんてとても待てない!

実はメンバーからは滞在中、何度も「何ーっ、スウェーデンにはいったことがないのか? しょっちゅうヨーロッパに来ているくせに」「絶対に来なさい」と言われていたし、空港でも「今度ヨーロッパに来るのはいつだ?」なんて言われたりしてた。そんなとき私はわざと「うーん、もしかすると週末にダブリンにいくかも、ルナサのラウンチがあるし。」なんてわざとブッキラボウに答えていたんだけど。ははは。

というわけで、彼等が去ったすぐ後、オフィスに戻ってまずは飛行機を手配する。ウチのエージェントのいつもの担当のY君は不在で、変りのH君が対応してくれる。お二人とも私の急な渡航には慣れっこだ。すぐ手配してくれて請求書がファックスされ、振込みを瞬時に完了させれば、翌日にはチケットが届く。H君とさんざんあれこれ検討したあげく、なんだかんだで今回は大嫌いなエアーフランスで行くことにした。しかたがないが、ヨーロッパに夜便で飛べるのはエアフラだけだし。月曜日は仕事をしてから出発したかったのもあったし、到着した時にメンバーに会って「いつ来たんだ?」と聞かれた時に「今日!」と答えるには、エアフラで飛ぶしかない(笑)。

というわけで飛行機は押さえた。さっそくツアー地の各ホテルを押さえようとしていたら、先日日本にもきていたノースサイドのロブ氏から別件でメールが入る。現在ストックホルム在住のロブは「来週オレはヴェーセンのおかっけだ」なんてメールに書いている。

私もここでロブの存在を思い出し「実は私も行こうと思ってたのよ!」とメールの返事。ロブはかなりびっくりしていたが「秘密は守るよ」といい、ヴェーセン一行の旅程をリークしてツアーの詳細を教えてくれる。彼によると、今回私が訪ねていく2日間はみんな自宅から近い場所なので、コンサートが終わった後、みんな自分の車で会場まで行き、そのままそれぞれの自宅へ帰宅するスケジュールになっている、とのこと。そっか。じゃあ、ローゲルとウーロフの家があるウプサラに泊まることにしようかなと決め、さっそく月曜日の夕方、成田へ向かった。



4月20日(火)

ロブが事前に教えてくれなかったら全然知らなかったであろう、イベントが一つ。実はこの日、ヴェーセンは昼間ストックホルムでランチタイムラジオの収録があったのだ。この情報はヴェーセンのHPに載っていなかったので、私はロブに教えられなければ、この日のコンサートのあるGavleに直接行っていたかもしれない。で、この番組は一般公開されていてだいたい200人くらいのお客の前でライブ演奏する、というもの。

エアフラの夜便で、朝4時にシャルルドゴール空港に到着。飛行機の中ではあいかわらず爆睡だったので、わりとスッキリ。ターミナルを変更してストックホルムへの便は7:30くらい。ストックホルムについたのは10:00だった。たった2泊の旅なので荷物もないからそのまま外にでたら10:20。ストックホルムの、ロブが教えてくれた会場に到着したのが11:00チョイ前。ロブのインサイダー情報によるとサウンドチェックは10:00からだったから、今、会場をのぞいたらみんないるかもなぁ、と思いつつ、でも、ちょうどその時なぜか私の携帯電話がうまく現地の電波にレジスターできなかったこともあり、やっぱり終わってから会おうと心に決め、はやる心を押さえてしばし街を散策。

北欧の街はかなり可愛い!(でもオスロの方が可愛かったかも)ちなみにスウェーデンの街をみていたんだけど、特にみんな背が高い、とは思いませんでした。ヴェーセンみたいにデカい連中は、スウェーデンでも珍しい! 11:45会場が開場になり、ロブと合流。ロブと奥様は私をみてしげしげと「本当に来たんだねぇ」と感心していた。

会場はうすぐらい感じで200人くらいお客さんがいただろうか。重厚なヨーロッパの建物でなかなか素敵なところだ。キャンドルライトが揺れて、中はうす暗いものの、ラジオの公録ということもあって、なんとなく客席が明るい。でもステージにはライトがあたっているから、絶対にみつからないだろうと思い、ロブと一緒に、それでも後ろの方に席をキープ。きゃーーーウーロフがチューニングにステージにでてきた。あぁ、ドキドキ!

さてそんなこんなで番組スタート。番組のDJのお姉さんがおしゃべりをはじめ(もちろんスウェーデン語なので意味不明)、まずはローゲルがステージに呼ばれて、インタビュー。これが10分くらいあったんだけど、その1/3くらいは日本の事が話題になっていた。日本は、スウェーデン語で「ヤーパン」という。おそらく最初は「日本にいってきたばかりなんですってね」というお姉さんのフリにローゲルが答えたのだが、スウェーデン語がわかるロブの奥様によると日本では自分たちが背が高くってびっくりされた、とか、すごくオーガナイズドで、ファンタスティックだった、とか、しきりに褒めていてくれたのだそう。もちろんローゲルはこの時、私が客席にいるとは夢にも思いもしない。

というわけでラジオ番組はトラフィック・インフォをはさんで(笑)、ウーロフとミッケもステージに登場、いよいよ演奏開始。ウーロフはいつものTシャツ。ミッケは、なんとニューヘアカットに眼鏡をかけてイメチェン!してたのでした。けっこうかわいかったです。曲は下記のとおり。

 Stamlaten/Norwgian Brader
 Vilse i Betlandet
 Kull i Kyrkan/Pedal Polska
 Hasse's 60 ars Polska
 Josephin's waltz
 Kapten Kapsyl

も〜っっ、ほんとに素晴しい演奏でした。ラジオだからって手をぬくことは全然なく、ほんと良かった。あぁ、来てよかった!!と私もしみじみ。も〜っ、ほんとヴェーセンはかっこいいんだから!! それにスウェーデンだとお笑いバンドとされているらしく(笑)ジョークを連発。お客さん、ものすごく笑ってました。私はなんのことだか、さっぱりわからなかったけど、曲紹介を聞いていると、なんていっているか分かるので、まるでスウェーデン語が理解できたような錯覚にもなったりしたのでした。

Kapten Kapsylが終わり、ここでラジオの収録が終了。でも会場にいたお客さんのためにアンコールということで最後にHejsmaspolketterを演奏。いや〜かっこいい!!とノリノリで聞いていたら、私の隣に座ったロブが「あ、今、ローゲルがお前に気づいた!」とのこと。

どうやら収録が終わったので、ローゲルは演奏しながら、室内を見渡していたのでしょう。ローゲルは、まずロブが客席にいるのに気づき、さらにロブの隣に東洋人がいるのを見て、私が来ているのに気づいてしまったようです。みんな真っ白だから東洋人は目立つんだよな。ローゲルは演奏中に何やらウーロフに向かって叫んでいましたが(笑)ローゲルいわくウーロフはニッケルハルパを演奏していると何もしゃべれないのだそうで、ウーロフはアウアウ言ってた、と後で教えてくれて笑ってました。

さてそんなわけで演奏も終わり、後片付けをするメンバーを待っていると、まずはミッケが出て来てくれました。ローゲルも出てきて、ものすごくびっくりして同時にあきれてました。「いつ来たんだ?」「いつまでいるんだ?」「この後にアイルランドに行くのか?」「いつ来ることを決めたんだ!?」など質問ぜめ。「来週ツアーだし忙しくて時間がないからアイルランドにはいかない。ヴェーセンのためだけにヨーロッパ2泊だよ」というと「ほんとうにありがとう」とえらく丁寧にお礼をいわれました。そして最後にウーロフがやってきて、すごくうれしそうな顔をして(いいなぁ、ウーロフは。なんか、こう笑顔にウソがないんだよね)「ひさしぶりだね!」と言ってました。ローゲルは私にいっぱいくわされたのが非常に悔しかったらしく「ま、オレたちが日本を気に入ったのがこれでわかったろう?」とか、「今度くるときは、絶対に前もっていいなさい」と仕切りにいってました。ミッケはこの後、車にのっても「なんでヨーコが車の中にいるんだ」「まだショック状態だ」と言ってました。

ローゲルは東京での私のまねをして「ここから100mくらいのところにあるイタリアンレストランにこれから行く。そして皆でご飯を食べた後、20分車にのってミッケの家によってから、今度は50分運転してウプサラに行くんだ。水がほしかったら途中で買ってあげるぞ。俺たちボスの言うことが分かったか」と、仕切りまくってました(笑)。(ちなみに、私はそんな威張ったいい方はしません!!誤解のないよーに!)しかし、ほんと音楽も素晴しいけど、なんて楽しくていい人たち! あぁ、来てよかった。ほんと、すみません、皆さん。私はただのミーハーなヴェーセンファンです、ハイ。もう彼等と同じ空気をすっているだけで幸せ。

ロブは実は前日にメンバーたちに会ったりしていたらしいんですが、そこでもさんざん日本の事が話題になってたんだって。それなのにロブは翌日には私が来ることが言えず、すごく苦しかったと言ってました(笑)。またロブは今日のGavleでのコンサートに自分の奥さんも行くかもしれない(これはウソで、私のことを考えて言ってくれている)、誰かの車に便乗できないかなど、メンバーに調整したり、確認してくれていたのだそうです。ありがとう、ロブ! もっとも私は、電車移動も考えていたんだけど。

というわけで、イタリアンレストランでご飯をご馳走になり、まずはローゲルの車で、全員でまずはミッケの家へ。ストックホルム郊外在住のミッケはここで自分の車をピックアップ。そこからローゲルの運転でウロフ、ロブ、それに私の4人で、ローゲルの家へ。ローゲルのファミリーにもご挨拶できました。ローゲルは私に自分が日本でとった写真のCDRをくれました。帰国してからこのCDRをみたら、なんだか「ローゲルの視線でみた日本ツアー」って感じがして、おもしろかったです。ローゲル、写真がすごくうまいんだ、これが。反対に写真がヘタなのはミッケです。私のカメラをかして撮影したやつ、ミッケがとったのは、全部ろくでもなかったです。

そうそうウーロフに日本でひいた風邪はどうなったか?と聞いたら、なんと日本から帰ってきたら、今度は家族全員で食中毒までにはいたらなかったものの、食中毒っぽい状態になり、たいへんな目にあったのだって。そして風邪の方は、これまたまだ全然なおってなくて、まだグスグスいってました。昨日あたりは具合も最悪だったそうです。

ローゲルの家をあとにしたのですが、ローゲルは親切にも最初におまえのホテルによろうか?と言ってくれました。私は18時間のフライトの後で、ライブの前にひとシャワーあびたかったけど、ヴェーセンのみんなにわざわざ遠回りさせるのはいやなので、そのまま会場にいこうよ、と言いました。途中のガソリンスタンドでミッケと合流。売店でチョコレートとか買いだめした後、ローゲルの車に私とウーロフ。ミッケの車にロブが乗って二台で移動していきました。

そして会場に到着すると、今日の会場はもともとスウィミングプールだったところを改装してできたコンサートホールで、お客さんはだいたい100人くらいだったかなぁ。とにかくこんな小さな街で、東京と同じくらい集められる彼等はすごい。しかもこんなに小さなエリアで5本もコンサートできる彼等の人気にも感心。今回のツアーはスウェーデン全土というわけではなく、Gavleborgs countyという小さなエリアでのミニツアー。普通のバンドだと、このエリアだけだと2本くらいが普通らしい。

で、下はサウンドチェックの様子と、サウンドチェック直後のニュールックのミッケ。

セットリストは下記のとおり。

 Kull i Kyrkan/Pedal Polska
 Stamlaten
 Norska brader
 Vilse i Betlandet
 Hasses 60 ars polska
 Slunken
 Nitti Pomfritti
 Spelmansfallan
 Byss Calle Slung polska
 Byggnan
 Josefin's Dopvals
 Kapten Kapsyl

 Encore
 Hejsmanspolketter


この日は珍しく休憩なしの1本勝負でした。それに、なんとStamlaten(Tuning tune)の途中でローゲルが弦を切る、というハプニングもあり。だからいつもはNorska Braderと続けて演奏するのが、二曲に別れて演奏しました。でもってこの日一日ローゲルのギターはずっとチューニングが安定しなくて大変そうでしたが、それでも後半になるとなんのその。特にNitti Pomfrittiは圧巻でした。ジョセフィンは聞いてて、また涙が出そうになりました。なんか不思議な雰囲気だった。会場は天井から自然光が入ってくるんですが、さすが北欧は緯度が高いせいか、コンサートが終わる9:00くらいまでずっと外は明るいし。(そうそう、今回のツアーのコンサートってけっこう早くて、7時スタートなんですよ。ちょっと日本みたいかも)

ライブが終わると、ストックホルム組(ミッケ&ロブ)はミッケの車で、私はローゲルとウーロフの車にのせてもらいウプサラヘ。このへんになると、さすがの私も力つき、ローゲルが「寝てていいよ」というのに甘えて爆睡しちゃいました。気が着いた時にはローゲルの家で、ローゲルの家の前に駐車していたウーロフの車にのってウーロフが街のホテルで私を落としてくれました。翌朝はどうするのか、とウーロフが聞いてくれたので、レコード店がみたいな、という私にウーロフは親切にも詳しいメモを書いてくれました。というわけでホテルに戻ると、もうほんとにバタンキュー。死んだように寝てしまいました。



4月21日(水)

さて翌朝。8:00まで一回も起きず、ほんとに爆睡。朝ご飯を食べて、また寝て・・というかBBCのワールドニュースをしばらくボンヤリ見たあと、昼すぎにウーロフご推薦のレコード店へ。レコード店は意外に小さく最初「なんだぁ」とナメていたのですが、実際そこは日本で作られたザッパの紙ジャケが置いてあるような、ものすごく濃い店で、おもわずショッピング2時間半。さんざん散財してしまった。あ、ここでヴェーセンのバイオにでてくるNordmanのCDをやっと全部そろえました! それをウーロフに話したら、スウェーデンではすごい人気らしいんだけど、私が好きになるような音楽じゃないぞ、と言ってました。他にもドイツのハンガリアンバンドとか、いろいろ買いました。特にコンチネンタルものは、こっちにこないと手にはいらない。下記の写真は印象的なウプサラの街。

ウーロフとの待ち合わせ時間3:30にホテルで待っていると、ウーロフ到着。なぜウーロフかというと、今日はミッケとローゲルは夜のコンサートがあるSandvikenの近くの街で昼ごろからワークショップをやっているからです。だからミッケとローゲルは朝早く、その街へでかけていったそうです。

まずウーロフはストックホルムから電車で来たロブを駅でピックアップ、その後私を載せて3人で今日のコンサートの地、Sandvikenへと向かう。ウーロフは「こっちの道の方が好きなんだ」といって、わざと小さい道をとおってくれたんだけど、これが、もう、なんというか〜ものすごーーーーーーーく、素敵な道で、周りの木がすごく綺麗で、妖精でも出て来そうな感じだった。雨がチラホラふっていて(そういや昨日ローゲルが、天気が悪くて申し訳ないが、お前が前もって言ってくれないから天気をフィックスする時間がなかったんだよ、と文句を言ってたなぁ!)そのせいかとっても緑がきれい。

車の中から撮影したのでハッキリしませんが、すっごく綺麗でした。

途中、すごく大きな川を渡るんだけど、これまた圧巻。そういう所でウーロフは夏になるとここでカヌー遊びをするんだよ、と言ってました。ウーロフはわざわざ車を川べりで止めてくれたので、私はパチパチと写真をとりました。さらにウーロフったら「今日は天気が悪いけど、晴れると、この花がたくさん咲いてきれいなんだよ」と、小さな白い花を積んで私にくれました。きゃーーーっ(笑)こういうキザな事を自然にできるのは、ヴェーセンではウーロフだけだな。ローゲルなんか絶対にしないもんなぁ。ミッケもしない。なんて素敵なウーロフ。もちろん、この花はしっかり押し花にして持ち帰ってきました。

ミッケによるとウーロフはすごくスポーツ好きで、スキーやったりカヌーやったりしょっちゅうしているんだって。アンビョルグのスノーボード好きやポール・ブレイディのスキューバダイビング好きを聞いたときもドキドキしたけど、大事なミュージシャンの人に危険なスポーツはひかえてほしいもんです。ホント。でもスポーツして身体をきたえないとニッケルハルパってすごく肩がこるらしい。

そんな景色のよいところを通りつつ、ウーロフは何か食べてからいきたい、といって、途中、これまたすごく素敵な雰囲気のレストランに止りました。19世紀の建物がたくさんたっているエリアで、そのうちの一つは1866年。僕らが産まれたのよりちょうど100年前だね!とウーロフは言ってました。(なんと私とウーロフの誕生日は1日違い。ウーロフの方が1日お兄さん)私はウプサラを出る前にホテルの近くのカフェで、パスタを食べてきてしまったので、「アイスクリーム!」とか最初言ってたんですが、ウーロフが「これにしようよ、これ食べてよ、スターターだしサイズも小さいから。それにすごくスウェーデンっぽいから」と仕切りに私に魚のマリネをすすめるので、それを食べることにしました。こういう所が、またいいんだよなぁ、ウーロフは。でも、わかる、自分たちの国を知ってほしいんだよね。で、私が「例の臭い魚はないの?」ときいたら、今はシーズンじゃないんだって。ちょっと残念。ちなみにウーロフが頼んでくれたそのお魚は、東京のカフェデイジーで食べるそれとまったく同じ味でしたが(笑)、私がおいしい、と言うとウーロフは「ね、ちょっとお刺身みたいでしょ!」とすごくうれしそうにしてました。いいなぁ、ウーロフは。

ウーロフが言ってましたが、すごく日本は楽しかったって。ウーロフはニッケルハルパ奏者として何カ国もいったことがあるんだけど、国の印象がいいのは、タイとアイルランドと日本なんだそうです。でも、ほんとたとえば自分の印象は自分で一生懸命努力すればいいんだけど、たとえば街の印象とか、ホテルの人の親切さ、カフェの人の親切さ、タクシーの運ちゃんの親切さ、なんていうのは、もう自分ではどうにもならないから、だからやっぱり日本は人が親切だから、良いよな、と思います。

というわけで、食事中にゆっくりウーロフとも話ができたので、すごく私は楽しかったです。ウーロフによると、またバンドはすごく今、トリオとしてノリにのっている、って言ってました。前にもこういう音楽的にノッている時期は「ヴァルデンス〜」を出した直後もそういう感じだったんだって。またその当時についたブッキングエージェントの人が、ものすごい勢力的な人で、バンドのことがすごく好きで、いろんな問題はあったけど、なんでも恐れずバンドのことをプッシュしまくる人だったんだって、話してくれました。その後、バンドは、ローゲルやウーロフに子供が産まれたりして、多少スローダウンしたのだそうです。そして、またトリオで、ノリまくってきたところなんだ、と言ってました。音楽的にいい時期かそうでないかはヴェーセンにとって大事な事で、「ほら、僕らってステージ上で、ほんとにウソがつけないからさ」とウーロフはいってました。わかりますよ、その感じ!!

それからヴェーセンはなんとジャズのビックバンドとレコーディングをしたって言ってました。このプロジェクトにはアンドレも一緒で、カルテットとしての演奏だそうです。ラフミックスを車の中できかせてもらいましたが、私にとっては、ちょっと違和感ありありでした。ビックバンドの人たちが、ヴェーセンの大ファンで、この企画がスタートしたんだって。もっともミックス前だったので、最終的にどうなるかはわかりません。ミックスがきまれば、かっこよくなるかも。

そんな感じで、楽しく、あっという間にSandvikenに到着。他の二人はすでに到着していて、さっそくサウンドチェック。そうそう、サウンドチェック中に、昨日のライブのレビューが載った新聞をメンバーが見せてくれましたが、文章がなぜかヨーコでスタートしている。それはもちろんスウェーデン語が読めない私にもわかりました。それを訳してくれたミッケによると「日本からヨーコがオーディエンスの中にいた。ヴェーセンはスウェーデンの伝統を推進させるだけでなくスシランドもノックアウトした」とか書いてあったんだって。なんだ、それじゃ私、グルーピーみたいじゃん! ま、実際、そうだけど(笑)でも宣伝に一役かえたのであれば、来たかいがあったかな?

で、今日の会場は、知的障害者の人のDay Careセンターみたいな場所なんだって。一般の人もたくさん入ってましたが、知的障害者の人たちがスタッフとして忙しく働いている様子が印象的でした。さすが福祉大国スウェーデン。(そうそう彼等との話題の中に“税金が高いんだ”っていう話がでたので、“でもあなたのところのガヴァメントはAll rightでしょ?”って言ったら“YES”だって。年金問題うんぬんとか低レベルの国からすると、実にうらやましい!)

さらに最後にスプーンがすごくうまい人がヴェーセンにゲストで入って、ものすごい演奏を聞かせてくれました。ちょっとあれはスゴかったです。この日の会場は昨日より大きく、200人以上はいたと思います。なんでこんな小さな街でこんなに集るんだ!? すごい。この日、私はかなり前の方で聞いてましたが、演奏もすごくよかった。あぁ、明日も見たいよーっ! 帰りたくないよーっ! 

というわけで、この日のセットリストは下記の通り。

 Kull i Kyrkan/Pedal Polska
 Stamlaten/Norska Brader
 Dragonship
 Sugar beat field
 Hasse's 60 ars polska
 Slunken
 Nitti Pomfritti

 Tradfallarns
 Middle of life
 Wesslen's
 Slungpolska
 Byggnan
 Josefins Dopvals
 Kapten Kapsyl

 Encore
 Hejsmanpolketter

いや〜、ほんとヴェーセンのライブは何度みてもあきないですね。この日は、なんの曲だったか忘れちゃったけど(スラングポルスカだったかな)、ミッケが(たぶん)一拍遅れるかしたら、ローゲルが足をすごい音でバン!!なんてミッケに向かってならしたりして。で、その後、3人で大爆笑しながらすごい勢いで演奏する様子とかが、もう、ものすごく雰囲気よくって、いや〜、ほんとバンドならでは、というか、音楽をやる楽しさが溢れてて、いいステージでした。ほんと、もう何度みても、全然あきない。あと20回くらい見たいよーーーー

なんて思っていたら・・あーーーーーーーっ、終わっちゃったよー、ほんとに終わっちゃった! と、私は、すっかりがっくし。終わった後はちょっとボーゼンって感じだったけど、まぁ、平静を装いつつメンバーと話すものの、あぁ、明日は帰らねばいけないかと思うと辛い。もう東京の仕事ほおっておいて、このままスウェーデンで、引退したいよーーーー。でも、そうもいかず、私はウーロフ号、ローゲル号にミッケとロブが乗って、それぞれバイバイ。ローゲルはまたもや「今度来る時は、前もって言うように!」と念を押してました(笑)。うわーん、ミッケ、ローゲル、今度はいつ会えるんだろーーーなぁーーーっ!

さてSandvikenを出たのは9:30くらいだったんですが「実はこの近くの両親の家でピックアップしたいものがあるので、途中、両親の家によっていい?」とウーロフ。「もちろん!」というわけで、ウプサラに戻る途中、ウーロフのご両親の家に寄りました。すごく素敵なお家でした。きゃーーっ。ちょっとうれしい。そこはウップランドのタンクァという街・・・・村だな、村で、お父さんは木工職人をしていらっしゃるのだそうです。もっとももう引退していらっしゃるんだけど。ウーロフは車を運転しながら「あれが学校、あれが眼鏡屋さん、あれがコーナーショップ」とすごく丁寧に説明してくれました。

ご両親は英語はまったく話さないので、私はもうニコニコしているしかなかったのですが、お父さんはご自分の作品のとっても素敵なカゴを私にくれました。うわーい、大事にするよーん。お母さんは、家の奥からそれをいれる袋をわざわざ出してきてくれました。ウーロフは自分の実家に私がいるので「ぜんぜん違う世界だ」としきりに言ってました。ちょっとフォー・メンのジェリーのお父さんの家を訪ねた時の事を思い出しちゃった。ウチの両親もときどき私が制作するライヴを見にくるけど、そういうのは、たしかに家族が仕事場に来られるのは、すごく違和感があるんですよ、これが。ウーロフは以前、大きなフェスティバルのときに両親を呼んだら、両親はサウンドチェックの様子やら舞台裏にすっかり感激してたんだって話してくれました。うーん、あんなに素敵な息子さんを持って、ご両親はさぞ自慢でしょうね。あ、そうそう、ウーロフが背が高いから御両親も大きいのかな、と思ったんだけどぜんぜん普通サイズのご両親でした。

そしてウーロフは何やらおじさんが使っていたんだ、という木工仕事用の大きな機械をお父さんの家でゲットし自分の車に積んでました。これが欲しかったのだそうです。「あなたの新しいおもちゃね!」というとうれしそうにしてました。でも、あんな大きな機械で、大事な指でも切ったら大変だよなぁ。ちょっと心配。

そんなわけでそんな大きな機械をつみこみ、ご両親の家には20分くらいはいたでしょうか。さらに少しドライヴして、あっという間にウプサラに到着。ウーロフがホテルまで送ってくれましたが、ここでのサヨナラはかなり辛かった。マジで泣けてきそうでした。でも平気にしてないとね。あぁ、仕事って辛いわ、ホント。単なる恋人や、いや、せめて普通の友人だったら、心おきなく、わんわん泣くこともできたでしょう。でも、仕事じゃ、そうはいかない。仕事ですもの。これでほんとにツアーが終わっちゃいました。というか、終わらせなくちゃいけません。次の仕事がたくさん待っているんだから。

で、この日は部屋に戻ると、異様にホテルの部屋が寂しく感じられましたが、やっぱり相当つかれてたので、そのままバタンキューで寝ちゃいました。



4月22日(木)

翌日はなんだかんだでゆっくりのフライト。16:00ストックホルムということで、昼までホテルで寝た後、午後イチくらいにウプサラからバスで30分くらいでストックホルムの空港へ。(空港はちょうどストックホルムとスプサラの間くらいにある)そこでやっと、この出張初のメールチェック。ジャンクメールを削除しても、200通以上・・。トホホ。あぁ、仕事がたまりまくっている。2時間ほどメールをしたあと、やっとカウンターが空いたのでチェックインして、パリへ。

シャルルドゴールで、23時のフライトまで、またもや4時間待ち。ったく、シャルルドゴールは嫌いだっ! インターナショナル空港だったら、ネットできるスペースくらいなんとかしろーーーっ! しかたがないので、その間、アイルランド/UKなどの友達たちと携帯でテキスト交換。最近はこれが一番楽しい! 「あきちゃったよー、なんとかしろー」とブーにメールを入れたら、ブーが電話をしてくれる。「でも4時間しゃべるのはイヤだぜ」だって。でもとっても元気そうだった。ここではブーと話せたのが一番うれしかった。他にも、もうすぐソロアルバムが出るキーラン・トゥーリッシュ(アルタン)や、もうすぐ来日するデイヴ・マネリィとギャヴィン・ラルストンなどなどと、楽しい会話を楽しみました。携帯テキスト最高!

さて10時を回ったころ、今日のコンサートが終わったよ、というヴェーセンのメンバーからもテキストが入る。「今度はもっとゆっくりおいで」というローゲル。「今度はウチに泊りなよ」というウーロフ。ミッケからはテキストがない。ミッケ〜っ。日本から帰国後のメールはミッケが一番早くくれたのに。携帯テキストやらない人なのかしら、ミッケ。あんなにかっこよさげな携帯持ってたのにな。あ、そうそうミッケが言っていたことを一つ思い出した。ミッケは、日本から帰ってきてから始終機嫌がよく、というか、機嫌が良すぎたみたいで、奥さんに「相当日本は楽しかったみたいね」と嫌味を言われたたのだそう(爆)・・というのを、私に話してくれるんですよ、ミッケは。ほんと、可愛いよなぁ!

さて23日、夕方18:00に成田に到着。私はこの日チケットを買って楽しみしていたジャクソン・ブラウンのコンサートへ飛んでいったのでした。ジャクソンのライヴは今回アコースティックでまったくのソロステージ。長いコンサートだったので後半1時間半たっぷり聴けました。よかったよー、ジャクソン! LATE FOR THE SKYに涙。しかし! やっぱり、いくら大ファンのジャクソンですら、私の頭の中のヴェーセンの音を消すことはできないのでした。もう何を聞いても、音が消えるとヴェーセンが聞こえてくる。ジャクソンといえども、しょせんは人のアーティスト。自分のアーティストがやっぱり私は一番かわいい! というわけで、来週にはウチの可愛いデイヴ・マネリィ、そしてビルちゃんが来日する。がんばって仕事しなくっちゃ!!

しっかしこういう時に聞くデイヴの「バイ・ヘック」は最高だな。聞いていると間違い無く元気でるし。うーん、やっぱウチのアーティストはみんなスゴいや。

あぁ、なんか出張レポートというより、今回のは、おっかけラブレターだなーーーっ! 読んでくれた人、すみません。しかしこういうページを読んでいる第三者の人は、いったいどんな感想を持つのだろう・・と書きながら思ったりもする。ほんとウチのツアーレポートとか、出張レポートって、なんか単なるノロケ話だもん。特にこのページ! だから何なの? それが音楽と何が関係あるの、と自分でつっこんでみたくもなるわい。自分でも何がなんだか、まだ頭の中でまとまってません。すみません、もう消えます。

というわけで、以上、よくわからない結論のレポートでした。


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