THE MUSIC PLANT - America Report
2月10日(土)

久々に強硬の2泊4日でアメリカへ。今回の目的はルナサ。マイレージもたまったし久々に奴らの顔を見に行かないと何を言われているかわからない。どうやら最近の彼等は「ヨーコはスウェーデンにボーイフレンドが出来たらしい」とか勝手な噂をしているらしい。そろそろ観にいかないと、何をいわれたもんかわかったもんじゃない。たったの2泊のアメリカなのでまたもや小さなリュック一つで行くことに。ユナイテッドはマイレージで無料で行くというのに、エコノミープラスという席を取ってくれる。(私に言わせりゃ、お金を払うお客さん優先の方がいいと思うんだけど)

ところがこれまた出発が機材のトラブルで1時間ほど遅れるとの機内アナウンス。トホホ。ここのところ飛行機に関してはついてない。まずはサンフランシスコまで行って、その後ポートランドへ行く飛行機につなぐ予定だったのが、このままでは絶対に乗り遅れる。しかも、エコノミープラスに座ったはいいけど隣に座った日本人男性はなんだか落着かないヘンな奴でなぜか飛行中に携帯電話を出していじっている?! 誰か注意してくれ、と思いつつも、行きはそんなわけであまり眠れずすごす。機内で、成田空港でかった文芸春秋で、絲山秋子さんの芥川賞受賞作品「沖で待つ」を読む。受賞者のコメントのカッコ良さにしびれる。絲山さんはやっぱりかっこいくてかつハートがある人だ。「沖で待つ」に感動してポロポロ泣いてしまう。その後は、二度目の「朗読者」を読んで、これまた感動。良い作品は二回読むと感動がさらに強くなる。

あまり眠れず9時間だか、10時間がたち、飛行機がサンフランシスコに到着20分前に「なんとか前の方に座らせてもらえないか」と交渉するも無理で、とにかく到着したら走るしかない、と。で、到着するなり走った、走った。ものすごく走って、またもや指紋をとられ、写真をとられ、荷物検査で靴を脱がされたのにもかかわらず、たった30分であの巨大なSFOで乗り継ぎができる私って、やっぱりすごいと思う。この時点でドッと疲れてしまった。もうすぐルナサにあえるってのに。

ポートランドにはそんなわけで私は定刻通りお昼くらいに到着。時差があるから10日の夕方5時に東京を出たのに到着したのは同じ日の昼だ。あぁ、やっぱりアメリカは慣れない。ここでルナサの到着便を待ち構えることにするのだけど、なんと彼等の便は1時間遅れ・・と気を抜いてゲイトを離れていたら、しらない間に便が到着してしまったらしく「あれ、あれ」と思っていたら、キリアンが一人だけ出てくる。キリアンは飛行機をおりたところでコーヒーを買っていたので、他のメンバーより遅れて出てきたらしい。「キリアン!」と声をかけると、キリアンはすっごくびっくりしてもらえた。またもや驚かし作戦成功。もちろん今回もマネージャーから彼のフライトやらホテルやら何やら全部ゲットしておいて、彼等には私が行くことを内緒にしておいたのだ。「みんなはきっと荷物のところにいるよ」というわけで、荷物のところに行くと、全員いました! うわーい。

彼等に会うのは、久しぶり。といっても1年たってないけどね! で、みんな死ぬ程びっくりしてくれる。そりゃーそうだよね。みんなとっても元気。実はこの西海岸エリアの前、ルナサはハワイにいっていたのだそう。1月の中旬からアメリカツアーが始まり、途中ハワイで2週間すごして、コンサートは5回くらいあったんだって。すごくリラックスできた、ってみんな喜んでた。(ちょうどその頃、私はダブリンに行っていた)その1ケ月のツアーの終盤で、みんなちょっとお疲れモード。でも、私が行ったから、ちょうど良い刺激になったみたい。やっぱりツアーは、ダレた頃に行くと喜ばれるので、そういう頃を狙って行くのが良い。


上の写真は、車をとりにいっている間、荷物番をするトレヴァーとショーン。で、車2台に分乗。キリアン号とケヴィン号。私はトレヴァー、ポールと一緒にケヴィン号に乗せてもらう。キリアン号には、ショーンとエンジニアのリッチー。ふつうならおそらく30分くらいで到着しただろうところを、1時間以上かかってホテルに到着。(でもオレゴンって、山とかがとっても綺麗で、すっごく素敵な所で感激しちゃった)ついたホテルはスイミングプールもあるすごく良い感じのホテル。やっとシャワーが浴びれる。

「ヨーコは疲れているだろうから、後から本番前に合流でもいいよ、迎えにきてあげるよ」ケヴィンが言ってくれる。ほんとケヴィンって親切。でもサウンドチェックも観たいし(ちゃんとみていると最近のバンドの状況とかいろいろ把握できるから、やっぱり出来うるかぎり見学していることが大事だと思う)、彼等の手間を増やしたくはないから、彼等と一緒についていくことに。シャワーに飛び込み、すぐにサウンドチェックへ。今日の会場はパシフィック・ユニヴァーシティという場所で、500人くらいの会場。なかなか素敵なところでした。

サウンドチェックの後、みんなで学食みたいなところで食事をし(けっこうおいしかった)、楽屋でくだらない話をしてギャハギャハふざける。

上の写真でピアノを弾いているのはエンジニアのリッチー。

新作「シェイ」のジャケットに写っているショーンのケース。右は新作にサインをしてくれるケヴィン。新作のジャケットはそれぞれの持ち物とか楽器、レコーディングのギアが写っているのだけど、一番左の上から2番目がトレヴァーの名前の一部だってのは、言われるまで気付かなかった。ケヴィンのはフルートをつつんでいたクッション封筒なんだって。名前は自分のハンドライティングだ、と言ってた。

で、いよいよ本番。いつものこの曲でスタート。

1. Morning Nightcap
2.   Leckan Mor
3.   Absent Friends
4.   Tie the Bonnet
5.   Midnight in Aviles
6.   Loophead
7.   The Miller of Drohan
8.   Dr Gilbert - Merrry Sisters of Fate

1.   Boy in the boat
2.   Road to Barga
3.   Walrus
4.   Punch in the dark
5.   Kevin + Paul
6.   Last Pint
7.   The Cullybacky Hop
8.   Ash Plant

Encore
The Dingle Berries

いや、何がいいって、ベース絶品! 全然ノーマークだった新作のM2、Leckan Morとかも、超かっこよい! もうベースが鳴りはじめたところで、やられたーーーーって感じ。もちろん私の好きな新作のM3、Absent Friendsも、めっちゃ良し。大作のM5もきちんとライブで再現できるんだから、やっぱりルナサってすごいと思う。

それから今回けっこう感動したのは、アンサンブルを固めようという事なのか、ルナサにしては珍しくすごくみんなでくっついて演奏していた。ふつうこういう会場だったら、今までのルナサだったら一直線に並んで、かつメンバー間も距離があるようなセッティングになるだろう。それが今では、割と半円に近い状態で、ステージ上手からポール、トレヴァー、ショーン、キリアン、ケヴィンという順番で並ぶ。昔からの曲はもちろんだけど、新曲に対する意気込みが感じられるセッティングだった。

そしてケヴィンのMCもさえまくりで、ほんとお腹がよじれるほど笑わせてもらった。英語が通じるからねぇ、ここは。で、昔からよく演奏しているピエール・ベンスーザンの「Last Pint」について、ケヴィンのMCで知った新しい情報。ピエール・ベンスーザンってはじめアンディ・アーヴァインとベルギーで出会ったんだって。で、アイリッシュミュージックに興味をもった彼は3月にアイルランドに来たんだけど、3月といえば、だいたいのミュージシャンはアメリカとかに出稼ぎにいっているから誰もおらず、彼はもうひたすら飲むしかなかった、と。で、帰りの飛行機の中で、アイリッシュのギターでも弾けるようにとDADGADのチューニングで弾けるこの曲を書いて、もう飲み過ぎないぞ、と誓ったのだそう。(と、どこまで本当かわからない話)

なおこの日、ケヴィンは楽屋で大きな太鼓をみつけ、コドードラマーだ!!とか言ってステージに持ち出し(笑)、ボーラン風に叩いてみせコンサートに来ていたこの大学の音楽教授に怒られたのでした(笑)。お客さんには死ぬ程うけてたけど。

この日は、大学内でのコンサートということで、どちらかというと年令層が上のお客さんたちだったけど、盛り上がってCDもたくさん売れていたよう。またトレヴァーの親戚さんという人たちが家族でゾロゾロ来てた。

コンサートが終わると、その親戚さんたちと飲みにいこうということになり、トレヴァーは親戚さんたちと移動。飲まないでジムをやるというケヴィンは私とショーンを車に乗せてそのバーまで送ってくれました。歩いてもたぶん10分くらいで、私たちのホテルから5軒先って感じなんだけど、アメリカはなんといっても車移動だからねぇ。

ショーンとそのホテルのバーに行くと、いたいた。たくさん紹介されたけど、誰が誰だかもう忘れちゃった。でもアメリカ人っておもしろい。でもトレヴァーの従兄弟さんのお父さん(トレヴァーはアンクル・アルって呼んでた)が、クックスタウン(北アイルランド、タイローン州)からアメリカに渡る時、トレヴァーの家にテープレコーダーを置いていってくれたんだって。それがトレヴァーの一番最初の録音機器だった、という話。そのおじさんからしてみたら、その甥ッ子がこんなに素晴しいミュージシャンになってコンサートに招待してくれたんだから、自慢だろうなぁ。で、アメリカ人の人たちは「あと数ジェネレーション先の人たちが、またこのジェネレーションの話をして、あぁだった、こうだった、って言うのかなぁ」なんて言っちゃって、とってもロマンチスト。あと70年代の北アイルランドの話とか、今までトレヴァーとはそんな話をしたことがなかったので、なんだか、とっても感動的な夜になった。

ショーンは、ショーンで得意の涙もろい話(笑)。ほんとショーンってハートがあって、いい奴だと思う。いやホント、私はルナサには感謝しなくちゃいけない。ルナサに出会わなければ、おそらく今だメアリーのところの仕事だけをしていただろう。こんなにたくさんのアーティストと仕事をする勇気をくれたのは、ルナサだもの。ほんと感謝してもしたりないよ。

ってなわけで、トレヴァーとショーンとホテルに3人で歩いて戻り、やっとのこさベットに入れたのは夜2時くらいだったでしょうか。それでも時差ボケで朝6時に目覚めちゃうところがつらい。
 



2月11日(日)

仕方ないので、朝おきてご飯をたべて、インターネットをして、テレビを見る。この日は、どうやら訳あって、一便と2便に別れて出発ということだった。私は電車移動でもよかったんだけど、彼等が車に乗せてくれるというので甘えて便乗させていただくことに。1便はショーンと、リッチーとキリアンが出発し、2便はケヴィン、トレヴァー、ポール、私の4名。11:30出発。天気もよくって、めっちゃドライヴ日和! シアトルまで3時間くらいのドライヴだったのだけど、途中、私は意識をなくして、爆睡してしまう。

シアトルに到着し、翌朝は異様に早い彼等は今日はエアポートのホテルに宿泊。私の帰国便は明日の昼ごろだけど、一人で市内に泊まっても面倒なので同じホテルに泊まることにしていた。サウンドチェックのため5時にホテルを出るということで、またもや1時間ほど昼寝。あぁ、時差ボケがつらい。で、5時にホテルを出て、会場へ。なんだかボーッッとしながらもトラクター・タヴァーンへ。ここは二度目。いい会場だ。場所はクアトロみたいな感じで、以前来たときはスタンディングだったけど、今回はシーティング。

サウンドチェックをさんざんやる。けっこう時間をかけてやってた。

サウンドチェックが終わると隣のバーみたいなところで、ケヴィンとポールとご飯を食べる。

この日は会場が即売のテーブルからもステージが見えるところだったので「即売やってあげようか」ということになり、私はずっと即売のテーブルにいた。ほんとはかぶりつきでステージ見たかったけど。せっかく来たんだから、ここは彼等の役にたってあげないと。昔はツアーに合流するとよく黙って釣り銭を渡されたりもしたが(笑)最近の彼等は本当に私に気をつかってくれるんだよねぇ。ショーンなんか「ごめんね、ごめんね」と何度も謝りに来たり、飲み物いらない?と何度ものぞいてくれたりして。いや、みんながこんなに頑張っているんだから、私も仕事しなくっちゃでしょ。

で、今日のお客はあきらかにルナサの強烈なファンという感じのお客さんたちで、まぁ、えらい勢いで盛り上がる。

1. Morning Nightcap
2.   Leckan Mor
3.   Absent Friends
4.   Tie the Bonnet
5.   Midnight in Aviles
6.   Loophead
7.   The Miller of Drohan
8.   Dr Gilbert - Merrry Sisters of Fate

1.   Boy in the boat
2.   Road to Barga
3.   Walrus
4.   Punch in the dark
5. Cillian Solo
6.   Kevin + Paul
7.   The Cullybacky Hop
8.   Last Pint
9.   Ash Plant

Encore
The Dingle Berries

セットが昨日と違うのは、キリアンのソロが入ったこと。実は前日も予定されていたのだけど、空気が乾燥しすぎていて、楽器が絶不調ということでカットされた。昨日はクラシックっぽいところだったから、うまくいけば映えたと思うんだけど。でもって今夜は、ロックっぽい小屋だったわけだけど、キリアン、すっごくカッコよかった。まるで狼が吠えているみたいだった。

いや、しかし、この日のライヴはものすごく良かった。もしかしたら今まで見たルナサのライヴの中でももっとも良かったかも。1ケ月のツアーが終わり、やっと家に帰れる!という事もあったと思うんだけど、演奏にも気合いが入ってて、すっごくよいライブだった。

あぁ、落着いてみたかったよ。でもアメリカ人は、即売のテーブルが好きで、何かと話しかけて来て、どれがいいかとかアダバイスを求めたり「あ、今の曲良かった。今の曲が入っているのをちょーだい」みたいな感じでやっている最中も次々売れていくから、やっぱりお店はひらいておいた方がいい。なんだかんだで、一人で130枚売ったよ。一人でン千ドルも売り上げたよ。

ってなわけで、コンサートも無事終わり、この日はツアーの最後ということで、最後はみんなで私がもってきたシャンペンをあけてお祝い。みんなおつかれ様でした。そして今日はルナサの新作の日本での発売日なのでした! ほんとに良いアルバムを作ってくれてありがとう。あとは売るのみ! 頑張ってまた来日もしなくちゃね。

しかしほんとルナサはすごい。毎回、毎回、すごく良くなっている。音楽的にも、そしてツアー的にも。これが日々努力している者の違いだと思う。私も前進しなくては。

コンサートが終わると、またもや道に迷いながら(笑)ホテルまでドライヴ。途中コンビニに寄るのは、お決まり。


皆は明日早いということで、ここでバイバイ。久々にちょっと涙が出そうになった。「みんなが頑張っていると思うから私も東京でがんばってニューアルバムを売ろうって気持になれる」って言ったら、何度も何度もお礼を言われた。ほんとにウチら、すごくいいチームだと思う。皆に出会えて良かったよ、ホント。こらからも頑張ろうね。
 



2月13日(月)〜14日(火)

というわけで、朝9時に目覚ましをかけたものの、またもや7時には目がさめてしまい、朝9時には空港に到着。朝ご飯を食べて、ネットをしようとしたけど、ネットがなく(今、みんなワイヤレスになってるんだよな〜)、またもや本を読みながら飛行機を待ち、帰りの飛行機では爆睡し、帰ってきて、このレポートを書いている、というわけ。
 
 
 

 


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